小楢(コナラ)というとドングリ、というのがすぐ頭に浮かぶかと思います。
今回はドングリのなる木、小楢について、その名前の由来や花の咲く時期、花言葉、クヌギとの違いなどをまとめました。
また、盆栽や鉢植えなど、ご自宅で育てる方法もご紹介しています。
小楢は大きな木ですがドングリが一つあればご自宅の庭のちょっとしたスペースでも育てることができるのです。
あわせて紅葉が楽しめる季節や場所などもまとめていますので紅葉の季節にご参考にしてみてください。
小楢(コナラ)とは?名前の由来やクヌギとの違いもご紹介
小楢はコナラと読みます。
日本では北海道から九州まで、そして中国や韓国にも広く分布する樹木で、いわゆる「雑木林」を主に形成している樹木でもあり、ちょっとした公園や林などに行ってみればそんなに苦労しなくても見つけることのできるものです。
小楢は落葉樹ですが、秋に紅葉したあとも葉は落ちずにそのまま残り、木々を飾っていることが多いです。
名前の由来は、「小さい楢」からきています。
本来「ナラ」というとミズナラ(大楢)のことをさしますが、それと区別するために「小楢」とつけられました。
最近では雑木林でだけでなく、一般家庭でも育てられるようになっています。そして小楢は秋にはドングリを実らせることで知られています。
逆に言えば、秋によく地面に落ちているドングリは小楢の木で実っていたものなのです。
岩手県では昔はこのドングリを食用として生産していましたが、大正時代以降は燃料として供給されるようになりました。
現在、燃料として供給されることはなくなりましたが、以前のように食用のドングリを生産することはもうありません。
また、木材は、シイタケの原木として使われることが多く、わたしたちにとっても馴染みの深い樹木となっています。
ところで小楢とクヌギはともに雑木林に多く生えており、なかなか見分けがつきづらいと言われています。
どちらも同じくブナ目ブナ科コナラ属ですし、夏にはカブトムシやクワガタなどがその樹液を求めてやってきます。さらには秋にはドングリを実らせるところまで同じなのです。
見分けるコツとしては、樹皮の色が小楢のほうが明るい色をしています。
また、葉の形がクヌギより丸い形をしており、枝から円を描くような形でついています。
そしてドングリは、クヌギの方は丸い形をしていますが、コナラのドングリは細長く、帽子をかぶった形をしています。
小楢の花はどんな花?咲く時期や花言葉は?
小楢はどんな花を咲かせるのでしょう、そして咲く時期はいつなのでしょうか。
小楢は雌雄同株で、花の開花時期は4月から5月にかけてとなります。
雄花のほうは、6センチから10センチ程度の長さに垂れさがる形で咲きます。
そして雌花のほうは短く、葉の横に咲きます。
どちらも色は黄緑色です。
ぱっと見は、葉の色とあまり変わらないため、あれが花だとはわかりづらい形状をしていますが、この花が終わったあとにドングリがなるのです。
多いものでは10個以上の花をつけていても、実際にドングリになるのは1~3個程度だそうです。
それでは花言葉を見てみましょう。
小楢の花言葉は「勇気」「独立」「勇敢」「愛国」「長寿」などがあります。どれをとっても縁起の良い言葉ばかりですね。独立や勇気、という花言葉から、これから何かに挑戦しようとする人、起業する人などにぴったりの花言葉ではないでしょうか。また、「長寿」という花言葉も縁起がよく、病院の敷地などでもよく見かけることもありますが、この花言葉が理由なのでしょう。
小楢は盆栽向き?育て方まとめ
小楢は家庭で楽しむことはできるのでしょうか。
小楢をそのままご自宅で、というのはなかなか難しいですね。
なんといっても大きな樹木ですし、一般のご家庭ですとよほど大きな庭があれば別ですが、今のご時世ですとそれもなかなか、限られた層でしか実現できないことでもあります。
ですが小楢は鉢植えや盆栽でも楽しむことができるのです。
家でも小楢を育てたい、でも広い庭がない、という方には是非、鉢植えや盆栽で育ててみてはいかがでしょうか。
小楢はホームセンターなどにいかなくても、実はドングリを拾ってくれば育てることが可能なので、入手も簡単です。
秋にドングリを拾い、それを普通の鉢に培養土などを入れてそこに植えましょう。ドングリは、いくつか拾ってきて水に入れ、水に沈んだドングリだけを使ってください。
浮いてしまうドングリは虫に食われてしまっている可能性が高く、芽が出ません。また、ドングリにはコナラの他にクヌギもありますが、見分けの仕方は上記をご参照ください。
小楢の育て方は基本的にはそう難しくありません。
一年を通して日当たりが良く風通しが良いところで管理しましょう。
夏の暑い日には、西日を避けるようにし、冬の寒い時期は土が凍らないように気を付けてください。
水やりもあまり神経質にならなくて大丈夫です。肥料をあまり与えすぎてしまうと大きくなりすぎてしまいますので、注意しましょう。
また小楢は成長が早く、根詰まりを起こしやすいため、毎年植え替えをしましょう。
盆栽にするなら盆栽鉢を楕円のものにするのがおすすめです。
何年か育てると、盆栽でドングリができることもあるようなので、気長に楽しみながら育ててみてはいかがでしょうか。
山採りとは?方法をご紹介
ところで、山採り、という言葉をご存知でしょうか。
山採りとは、山に生えている樹木をそのまま掘り起こして別の土に植えることを言います。
自然に生えている樹木の造形は、人の手がかかった樹木に比べればはるかに美しいものです。
最近では家具などでも天然素材が好まれる傾向にあり、その流れがあって山採り樹木が人気となっており、それを販売するところも増えているようです。
小楢はドングリから育てることもできますが、山採りをしたい場合には、小楢の近くを探してみると、苗が生えていることがありますので、それを掘り起こして持ち帰る手段があります。
掘り起こしたら、土を水で湿らせ、ビニールなどに入れて持ち帰りましょう。
帰ったらすぐに鉢なり土なりに植えてあげてください。
ただし、山採りは自然保護の観点から賛否両論ではあります。
個人でやる場合にはそこが私有地でないかどうかの確認なども必要になってきますので、そのあたりをきちんと調べてから行うようにしましょう。
植木屋さんなどで販売されている山採りの小楢の場合は、植木屋さんは許可を得て森林に入っていますので大丈夫です。
販売されている山採りの小楢を入手するのが一番安全かもしれませんね。
小楢は紅葉も美しい!おすすめスポットや時期は?
小楢は紅葉も美しいのです。
紅葉の時期は、一般の紅葉の時期とあまり変わらず、東京近郊では11月から12月にかけて、楽しむことができます(地域によって紅葉する時期は変わります)。
色は、黄色から赤色に変色し、もみじほど美しい色合いを見せてくれるわけではありませんが、紅葉の景色を美しく彩っています。
日当たりのよい場所では、緑色から深い赤色に染まっているものもあり、同じ小楢でも生えている場所によって色が変わるのもなかなか興味深いですね。
ご自宅で盆栽などで育てている小楢も、葉をつけていれば秋には紅葉を見せてくれます。
鉢は是非日当たりのよいところに置いてあげましょう。
自宅の庭で手軽に紅葉が楽しめるというのもなかなか乙なものですよね。
さらには、自分で育てている、という愛着もわきますからより一層楽しめるのではないでしょうか。
小楢は木々があるところであれば大体どこにも生えていますから、広いところで紅葉を楽しむなら公園などに行けば見ることができます。
東京都内でも昭和記念公園や小金井公園など大きな公園で見ることができますし、近所に雑木林などがあればそこでもおそらく小楢の紅葉を楽しむことはできるでしょう。
紅葉の情報などをチェックして、是非、見ごろに出かけて楽しんでみてください。
まとめ
今回は小楢(コナラ)について、その生態や名前の由来、花言葉などから、盆栽や山採りについてなど、育て方についてもまとめました。
小楢は名前だけ聞くと馴染みが薄いかもしれませんが、ドングリがなる木といえばどなたでもしっくりくることでしょう。
また、大きな樹木なので自宅の庭で育てることなど到底不可能だと考えがちですが、鉢植えや盆栽でも楽しめる樹木である、ということは大変興味深いことですね。
調べてみますと、小楢の鉢植えや盆栽を育てている方は結構多くいらっしゃいますし、メジャーなのだなと感じます。
育て方もそう難しくありませんし、興味を持たれた方は是非、チャレンジしてみてはいかがでしょうか。