命日といえば、お墓や仏壇などにお参りをする日と考える人が多いのではないでしょうか?
故人を弔い、お参りをするのには何か難しいマナーがあるのではないかと不安に感じる人もいるでしょう。
もし、マナーを知らずにお参りに足を運んだら、恥をかいてしまうことがあるかも知れません。
ここでは、そんな失敗をしないよう、命日のお参りはどのようにすべきか、決められたマナーはあるのか?などを中心にご紹介します。
命日のお参りの仕方は?
家族や親族、友人知人が亡くなった際、命日にはお参りをするという人も多いのではないでしょうか。
でも、どのようにお参りをしたらよいのか、お参りの仕方にマナーはあるのか、と不安に思う人もいるでしょう。
命日のお参りは、故人を偲ぶ気持ちが一番大切であり、故人を想って行うお参りがマナー違反になるということは、基本的に有り得ません。
もしも、一周忌や三回忌などに招かれた場合は、香典を持参したり、ブラックフォーマルを着用するなど一般的なマナーは必要となります。
ですが、月命日や祥月命日に、個人でお参りする際には気持ちが一番大切ですので、平服でも構わないでしょうし、特別何かを持参することはしなくても良いのです。
余裕があれば、お線香やお花、個人が好んでいたものを持参しお供えすると良いでしょう。
故人が集団墓地や共同墓地などに眠る場合は、お供えができない場合もありますので、事前に確認が必要です。
命日には二種類ある
命日には、二種類あります。
月命日と祥月命日(しょうつきめいにち)です。
月命日というのは、亡くなった日を指し、毎月その日に供養を行います。
例えば、12月10日に亡くなった場合、毎月10日が月命日となります。
月命日は月忌(がっき)とも呼ばれます。
亡くなってから初めて訪れる月命日を初月忌といいます。
宗派によっては、月忌参りというものを行っており、毎月お墓参りや僧侶の読経を行うこともあります。
祥月命日は、故人が亡くなった月日を指し、一年に一度訪れます。
最初に迎える祥月命日が一周忌となり、手厚く供養されます。
また、さらに翌年は三回忌となり、ここでも僧侶の読経やお墓参りなどを行います。
祥月命日に行われる法要を年忌法要と呼びます。
一般的には三回忌頃までは親族を呼び、会食も行います。
通常、亡くなってから32年後の三十三回忌で弔い上げとしていて、その後は永代供養にうつります。
命日のお供え物のマナー
命日に持参するお供え物にはマナーがあるのでしょうか?
命日に墓前に供えたいものは、故人が喜ぶものを中心に考えると良いでしょう。
例えば、故人の好きだった食べ物や飲み物、酒、好きな色の花などです。
お花はいつもよりも豪華に華やかにすると喜ばれます。
アレンジメントなどにすると日持ちするため人気があります。
但し、屋外のお墓にお供え物をする場合、腐りやすい物や動物や虫が寄って来そうなものは避けるのがマナーです。
お墓の場所によっては、生花のお供えも禁止されていることがあります。
そういったお墓では、お線香をあげるだけになります。
どうしてもという場合には、ご家族に連絡を取り、自宅の仏前にお供えしましょう。
仏教におけるお供え物とは?
仏教におけるお供え物は五供(ごく)と呼ばれます。
五供は、水・食べ物・香り・明かり・花の5つを指します。
水・・・水は毎日新鮮な物を供えるようにします。 お墓参りの際、墓石に水を掛けるのも汲みたての新鮮なものにします。
食べ物・・・仏教では殺生や殺生を連想させるものは禁忌とされているため、魚や肉はお供えしません。 果物やお菓子などが良いでしょう。
香り・・・お線香の良い香りです。 良い香りは仏様の食事と言われています。
明かり・・・ロウソクの明かりは仏様の光に例えられています。
花・・・故人の好きだった花が良いでしょう。 香りが強すぎるものや、トゲや毒のある花、すぐボロボロと散ってしまう花はお供えには向きません。
供花にするためには、フラワーショップなどでその旨を伝え選ぶと安心です。
このように、五供にするには向き不向きなものもありますので、お供え物として持参する際には注意しましょう。
お供えするのにふさわしいお菓子はどれ?
命日のお参りの際に持参するお供え物は、やはりお菓子が一番喜ばれます。
お菓子と言えども、数多くの種類があるため迷いますが、賞味期限が長く日持ちするもの、故人が好きだったものを選ぶと間違いありません。
和菓子であれば、羊羹や落雁などが良いでしょう。
洋菓子であれば、クッキーやマドレーヌ、カステラ、プリンなどが人気です。
お供えする際には、すぐに食べられるようにして置きますので、個包装のものがより良いと言えます。
お供え物には、のし紙(掛け紙)を付けますが、黄色と白か双銀の結びきり水引のものを使用します。
東日本は白黒5本の結びきりを使い外のし、西日本は黄色と白の5本結びきりを使い内のしが一般的になっています。
のし自体は付いていない物を使用します。
お菓子などお供え物の表書きは「御供」や「御仏前」とします。
命日にお墓や仏壇の掃除をする
命日にはお参りをする人も多いのですが、その際にお墓や仏壇などを掃除し、綺麗に保つことが大切です。
故人のために少しでも綺麗に保つことが供養に繋がるのです。
お墓は、水洗いをします。
ブラシやタワシを使う家庭も多いのですが、墓石を痛めてしまう可能性が有るため、柔らかい布やスポンジで磨くのがおススメです。
また、経年劣化する箇所を修繕したり、玉砂利を追加したり、雑草を取り払ったりと命日のお参りと合わせて行う家庭もあります。
自宅の仏壇は毎日のように見るのですが、いつも以上故人のためを想い綺麗に磨き掃除すると良いでしょう。
月命日のお布施は?
月命日に毎回、僧侶が自宅の仏前でお経をあげてくれる宗派や地域があります。
その場合、一度にいくらのお布施を用意しておけば良いのでしょうか。
毎回年忌法要のような金額を用意するのは大変ですから、そこまでする必要はありません。
毎月およそ3千円とお車代として2千円ほどを包むのが基本となっています。
その他、僧侶が自宅へいらした際に出す、お茶や茶菓子も必要です。
お車代を用意しないという場合は、僧侶を送迎するタクシーなどの手配をして交通費が掛からないようにしておきましょう。
命日に行けない時はどうするの?
命日は、どの宗教でも大切な日とされ、お墓へお参りをすることが推奨されています。
しかし、年数が経つにつれ、住まいの変化などが起こり、月命日や祥月命日にお参りへ行けないという場合も出てきてしまいます。
そんな時は、どうすれば良いのか?と不安になりますが、無理をせず行ける時にお参りをするようにします。
命日の前に行く事ができれば良いのですが、そうでない場合は、正月やお盆などの帰省に合わせてお参りするようにしましょう。
お参りに行かない方が良い日というのはありません。
家族みんなでお参りをする
親族の命日にお参りする際は、できるだけ家族みんなで行きましょう。
大切な人の命日を皆で偲ぶのです。
家族でお参りをするのは、命日以外にもお盆やお彼岸などがあります。
一緒にお参りをすることにより、大人が子供世代にお墓参りの大切さを教える良い機会にもなります。
持ち物の準備やお参りの仕方、お寺への挨拶、掃除の仕方、お線香のあげ方など、お参りの手順などを教えておくと子供自身のためにもなります。
故人の思い出を語り合う
命日のお参りの際には、故人の思い出を沢山語り合いましょう。
誰かと語り合うことができない場合は、思い出すだけでも構いません。
故人のことを想うことが供養に繋がります。
また、友人や知人の場合、その親族と故人の思い出を語ることはとても大切です。
故人の思い出はもう増えないため、記憶を持った人がお参りをし、語らうのは非常に喜ばしいことで、励みになるのです。
お参りに行くことは迷惑なのではないか?と考えて躊躇してしまう人もいるかも知れませんが、決してそんなことは無いのです。
まとめ
命日には故人を思い出し、墓前や仏前に手を合わせる大切な日です。
お参りには特に決められた日や難しいマナーがあるわけではありませんので、深く考え過ぎずにお参りに行きましょう。
お参りの際には、お供え物を持参すると喜ばれます。
ロウソクや線香は各家庭の好みがあるため、お供え物とするのは難しいでしょう。
個人の好きだったお菓子や飲み物をお供え物とするのが好ましいでしょう。
また、故人との思い出を語りかけるようにお参りすることも、供養に繋がるでしょう。