誰かが亡くなると必ずやってくる「一周忌」。
いつ、どんなことを行うのかご存知ですか?言われるがまま、ただ参加している人もいらっしゃるのではないでしょうか。
今さら聞けないなんて人も多いかもしれません。
一周忌以外にも、法事と呼ばれるものがたくさんありますよね。
一度きちんと確認しておきましょう。
この記事では、亡くなってからの日数の数え方や、一周忌に行うこと、マナーについてご紹介します。
一周忌の意味は?
一周忌とは、故人が亡くなってから1年後の、亡くなった日と同じ月日に行われる法要のことです。
家族、親族の他、故人の友人や知人を招いて法要を行います。
一周忌までを「喪中(もちゅう)」といい、喪中の正月は初詣や正月飾り、年賀状や年始の挨拶などを控えます。
一周忌をもって喪が明けます。
いつやればいい?
一周忌法要は本来、故人が亡くなってからちょうど1年後の、亡くなった日と同じ月日に行うのが理想です。
しかし、平日であれば遺族や参列者の都合がつきにくいため、最近では週末に行うことが多いようです。
命日当日に行うのが難しいときは、命日より早い日付、できれば直前の土日に行いましょう。
一周忌の準備や当日の段取り
一周忌は、四十九日に次いで大切な法要です。準備は余裕を持って早めに始めましょう。
遅くても2か月前くらいから始めると安心です。
日程は住職と相談して決めます。日程が決まったら場所と、招待する人も決めます。
1か月前には招待したい人に案内状を送りましょう。
料理や引き出物などの準備もあるので、返信用はがきを同封し、出欠を確認します。
参加人数が確定したら、料理と引き出物を手配します。
法要の後の会食では、鯛や伊勢海老などのお祝い事に使われる料理を使えないので、注意が必要です。
手配するときに、法事での食事であることを伝えておきましょう。
会食は必ず行うものではありません。
会食をせず、法要の後に引き出物、お酒、お弁当などを持ち帰ってもらうこともあります。
引き出物は「使うと消えてなくなる」ものが一般的です。
お菓子やお茶、洗剤、せっけんなど、食品や実用品がよいでしょう。
引き出物につける「のし」は、表書きを「志」または「粗供養」とし、下には施主の姓を書きます。
のしにつける水引は、黒白か双銀の結びきりのものにします。
引き出物の金額は、香典としていただく金額の3割~5割が相場です。
親族の場合は3千円~1万円、友人・知人の場合は2千円~5千円の引き出物を用意するとよいでしょう。
当日のおおよその流れついて紹介します。
- 僧侶を仏壇前の正面中央に案内します。僧侶の後ろには施主が座り、遺族は故人との血縁が濃い人から前のほうに座ります。
- 施主が簡単に挨拶します。
- 僧侶にお経を読んでもらいます。
- はじめに施主、その後前のほうに座っている人から順番に焼香します。
- 僧侶の法話があります。
- 僧侶が法要の後の会食に参加しない場合、ここでお礼を渡します。お布施、お車代、御膳料を包みます。会食に参加する場合は、会食の後でお礼を渡します。包むのはお布施とお車代の2つです。渡すときは直接手渡しせず、小さなお盆にのせて僧侶のほうに向け差し出します。
- 墓参りをすることもあります。
- 施主の挨拶の後、会食が始まります。
僧侶に渡すお布施ですが、相場は3万円~5万円です。
僧侶を自宅に呼んだ場合に渡すお車代は、5千円~1万円が相場です。
会食に参加しなかった場合に渡す御膳料とは、お食事代のことです。
土日は特に法事が重なることも多く、お寺が忙しいので、僧侶が会食に参加する余裕がないことがあるのです。
会食に参加できるかどうか事前にお寺に確認しておき、参加できない場合は御膳料を用意しておきましょう。
その場合は、5千円~1万円が相場です。
亡くなってからの日の数え方は?
・初七日(しょなぬか)…亡くなってから7日目。
本来は7日目に法要が行われますが、最近は葬儀当日に行うことが多くなっています。
- 二七日(ふたなぬか)…14日目
- 三七日(みなぬか)…21日目
- 四七日(よなぬか)…28日目
- 五七日(いつなぬか)…35日目
- 六七日(むなぬか)…42日目
- 七七日(なななぬか)、四十九日(しじゅうくにち)…49日目
- 百箇日(ひゃっかにち)…100日目
- 一周忌(いっしゅうき)…1年目
- 三回忌(さんかいき)…2年目
- 七回忌(ななかいき)…6年目
- 十三回忌(じゅうさんかいき)…12年目
- 十七回忌(じゅうななかいき)…16年目
- 二十三回忌(にじゅうさんかいき)…22年目
- 二十七回忌(にじゅうななかいき)…26年目
- 三十三回忌(さんじゅうさんかいき)…32年目
亡くなってから49日の間、7日ごとに故人が極楽浄土に行けるかどうかの裁きが下されるといわれています。
その裁きの日に合わせて法要を行い、故人が極楽浄土に行けるよう祈るのです。
祈ることで個人の善を追加していくという意味で、「追善供養」と呼ばれています。
亡くなってから49日目の四十九日は、極楽浄土に行けるか最終的な判断が下される、追善供養の中で最も重要な日です。
この日が「忌明け」とされます。
亡くなってから2年後が「三回忌」ということに疑問を持った人もいるかもしれません。
三回忌からは、亡くなった年も含めて数えます。
一周忌に参列する際のマナーは?
香典袋の表書きは、故人の宗教によって異なります。
仏教の場合は「御仏前」、「御佛前」、「御供物料」と書きます。
神式は「御神前」、「御玉串料」、キリスト教は「御花料」と書きます。
下段には自分のフルネームを書きます。
夫婦の場合は、書くのは夫の名前だけで大丈夫です。
妻と故人のご縁が深かったときは、連名にします。
黒白、双銀などの結びきりの水引のものを使いましょう。
中に入れるお札は、向きをそろえて入れます。
新札はお悔やみ事には使いません。新しいお札を用意して待っていた、と疑われるのを避けるためです。
どうしても新札しか用意できないときは、1度真ん中で折り目をつけておきましょう。
汚すぎるお札や破れたお札も失礼にあたります。
4や9など「死、苦」を連想させる金額も避けなければいけません。
また、包む金額と袋が合うようにすることが大切です。
金額は少ないのに袋だけ豪華だったり、その逆もよくありません。
香典袋は袱紗に包んで持っていくのがマナーです。なければ暗い色のハンカチでも大丈夫。
その場合は黒や紺などがおすすめです。
明るい色の袱紗はお祝い事に使うものなので気をつけましょう。
紫の袱紗であれば、お祝い事とお悔やみ事両方に使えるので、1枚持っておくと便利です。
服装は、一周忌までは喪服で参加するのが基本です。
三回忌、七回忌と経つにつれて、簡素な服装にしていっても大丈夫です。
一周忌では、男性は黒いスーツに白いワイシャツ、黒いネクタイが一般的です。
ワイシャツは、光沢のない、無地のシンプルなものを選びます。
特殊な素材のものや柄物はやめましょう。
ベルトや靴、靴下なども黒で統一しましょう。
若い方でリクルートスーツしか持っていない人もいると思いますが、やはり喪服の黒とは違うので、避けるのが無難です。
葬儀と違って、一周忌は行われることが前もってわかっているため、喪服または礼服を持っていない人は購入しておきましょう。
礼服はお悔やみ事のほか、結婚式などのお祝い事にも使えます。
今から購入しようと考えている人は、礼服を一着持っておくと便利でしょう。
女性は黒のワンピースか黒のスーツが一般的です。
スカート丈は短すぎない丈のものを、上着は飾りのないシンプルなものを選びましょう。
ストッキングもシンプルな黒が望ましいです。
夏は暑いかもしれませんが、素足では失礼にあたりますし、肌色のストッキングもあまり好ましくありません。
三回忌以降はダークグレーなどでいい場合もありますが、やはり黒が無難です。
迷ったときは黒を着れば間違いありません。
靴は黒いパンプスをはきます。
光る金具がついているもの、ヒールが高いもの、つま先やかかとが出る靴は避けましょう。
かばんは、金や銀など光るもののついていない、黒のフォーマルバッグを用意します。
乳幼児は特に服装を気にする必要はありません。周囲も理解してくれるでしょう。
幼稚園児や小学生は、大人と同じく法事にふさわしい服装をしましょう。
幼稚園・学校の制服があればそれを着て出席しましょう。
ない場合は、黒・紺・ダークグレーなど暗い色の服を選びます。
女の子は、暗い色の無地のワンピースまたはジャケットとスカート、白ブラウスという服装がおすすめです。
男の子は、ブレザーにズボン、白ワイシャツがよいでしょう。
中学生や高校生は、学校の制服を着れば問題ありません。制服がない場合は、女子はブレザーとスカート、またはワンピースを着用します。
色は黒や紺など暗めの色で、華美にならないようにしましょう。
男子は、黒や紺のブレザーとズボンを着用します。
まとめ
一周忌について説明してきました。
一周忌は、四十九日と同様とても大事な法要です。
準備することは多いですが、知っていればいざという時慌てることなく、スムーズに進められるのではないでしょうか。
マナーなどもしっかり確認しておき、まわりに不快な思いをさせることのないようにしましょう。