読んで字のごとく、暦上一年の中でも特に寒い日と考えられている「大寒」。
天気予報などで毎年お知らせされていますが、何となく過ごしてしまいがちなのではないでしょうか。
しかし油断大敵、冬の寒さをあなどっていると体調を崩してしまいます。
今回は大寒の時期についてや、寒い日が続くなかでの体調管理についても伝授してまいりますよ。
こちらを参考に、大寒にも負けないように対策してみてくださいね。
大寒とはいつ?どういった意味があるの?
大寒の読み方は「だいかん」となります。
字面からも想像がつくとおり、昔の暦で「この時期が一番寒い」と考えられていたからこその名前なんです。
暦なので毎年ズレがありますが、具体的には1月後半(1月20日頃)~立春(2月4日頃)までの一週間ほどの期間をさします。
現在の暦はグレゴリオ暦といい、春夏秋冬の四つで完結しますが、昔の日本では「二十四節気」という考え方で季節を捉えていました。
大寒もこの中の一つで、昔ながらの季節感を表しているんです。
細かな暦は人々の生活にも大きく影響し、後ほどお話するような食品作りにも役立っていました。
特に冬の時期は寒さゆえに病気にもかかりやすいですから、昔から食べ物には特に気をつけていた時期のようです。
次のコーナーでは冬に気をつけたい栄養面のことをお話いたしますね。
寒い日には風邪をひきやすい!栄養管理はしっかりと
現代は暖房設備が整い、また加湿も自宅で簡単にできるようになっていますね。
二十四節気の考え方が主流であった頃よりは体調管理がしやすいとはいえ、やはり栄養面もしっかりケアしておかなくては、大寒に風邪をひいてしまうことも十分ありえます。
そんな時、重宝するのが旬の食材。その時期にとれる食べ物は、美味しさだけでなく栄養も豊富なんですよ。
大寒の時期に旬を迎える栄養満点な食材をみておきましょう。
旬の食材には栄養素がたくさん!
大寒の時期に旬を迎える食材には、例えばこんなものが挙げられます。一緒に主な栄養素も載せておきますね。
- 小松菜 :β-タカロテン、カルシウム、鉄分
- ほうれん草:β-タカロテン、ビタミンE、ビタミンC、カルシウム、鉄分
- 金柑 :ビタミンE、ビタミンC、カルシウム
- 山芋 :ディオスコリン、アミラーゼ
- 蓮根 :ポリフェノール、ビタミンC
- 長ネギ :アリシン、硫化アリル
- ワカサギ :カルシウム、ビタミンA、ビタミンB12
この中で特に注目したい栄養素が、山芋に多く含まれるディオスコリン。
冬は毎年インフルエンザが猛威をふるいますが、このディオスコリンにはAソ連型、A香港型、B型インフルエンザの活動を抑制する効果が証明されているそうです。
山芋アレルギーでない方は、積極的に召し上がってくださいね。
民間療法でも「風邪の時はネギを首に巻く」という方法がありますが、ネギに含まれる硫化アリルには殺菌作用があります。
揮発性が高い成分なので、首に巻いても本当に効果があるんですよ。長ネギも風邪の強い味方といえるでしょう。
大寒には「卵」が良いって本当?
グルメな方はご存知かもしれませんが、「大寒たまご」という名前を聞いたことはありますでしょうか。
その名のとおり大寒の時期にニワトリが産卵する卵のことなのですが、何故「大寒」と冠しているのでしょうか。
詳しくみていきましょう。
鶏卵にも旬がある!
実は卵にも旬といえる時期があり、それが丁度大寒の時期に重なっています。
何故かといいますと、寒い時期にたくさん栄養を蓄えたニワトリだけが卵を産めるからなんです。
現在の養鶏場は昔と違い、設備もエサもしっかりしていますから、スーパーなどで売られている卵は例外といえるでしょう。
しかし個人で販売している卵などは、大寒の時期に売られているものは通常よりも栄養価が高いものである可能性がありますよ。
鶏卵で金運もUP!?
大寒たまごの特徴としては、黄身の色が濃くなるということが挙げられます。
その見た目から、栄養面だけでなく金運にも良いとされ、縁起物として考えられてきました。
大寒の日に産まれた卵は商売繁盛などの願掛けをして食べられていたそうですよ。
寒い中だからこそ!日本食との深い関係
夏場、暑い中に食材を置いておくと雑菌が繁殖しやすいですが、冬場は寒いため菌の活動も少なくなります。
この気候を利用して、冬には古くから日本の食卓を支えてきた味噌、醤油、日本酒の仕込みが行われてきました。
大寒は日本の食卓と意外な接点があったのですね。
旧暦で一番寒い時期と考えられていた大寒の時期は特に「寒仕込み」といわれ、最適なシーズンとされています。
仕込みに欠かせない水も冬場は清らかで、寒仕込みの食材は腐りにくいと考えられてきました。
井戸から汲んだ水は夏場に比べ雑菌も少なく、確かに仕込みにはベストシーズンといえますね。
味噌づくりと大寒
味噌は発酵食品ですが、急激な発酵は味に悪影響となってしまいます。
冬に仕込み、じっくりと時間をかけて発酵させることで、味に深みと旨味が生まれるのだそうです。
最近では加温発酵とよばれる製法により短時間で味噌が作れるようですが、きちんと時間をかけて作った味噌と比べると味が全然違うとのこと。
人間でも菌でも、手間暇かけて作るものの方が美味しいということですね。
醤油づくりと大寒
醤油も大豆から作られる調味料であり、発酵させて作るこいう点も味噌と共通の特徴です。
醤油づくりにもやはり緩やかな発酵が最適らしく、冬仕込みから約一年かけてゆっくりと完成していきます。
日本酒作りと大寒
日本酒作りにはまずお米がないと始まりません。
お米が収穫されるのは秋なので、日本酒づくりが寒仕込みなのはこのことも関係しているんですね。
また、寒仕込みでないと発光する過程で腐ってしまうようで、やはり日本酒つくりにも大寒が最適なのだそうです。
寒くてこわばった体にはマッサージが効果的!
寒い季節に長時間屋外にいた際、肩こりをしたという経験はありませんか?
そう、寒さは自然と体をこわばらせ、筋肉が硬くなってしまうんです。
肩だけでなく全身に起こりうることで、筋肉の緊張は血の巡りを妨害し、冷えの原因にも繋がります。
身体を冷やすと免疫力も落ちてしまうので、大寒の時期は冷え対策もしっかりしておきたいですね。
どこでも簡単にできる冷え予防方法をご紹介しますので、ぜひ試してみてください。
簡単ぽかぽか!指先マッサージ
ちょっとした時にできる、指や手の平にあるツボ押し方法について紹介いたします。
実は指先には身体の各部位に効くツボが集中しているので、そこを刺激することで全身の緊張を緩める効果が期待できるんですよ。
肩や首の凝り、頭痛には「中指」のマッサージ
背中の緊張には「手の甲」をマッサージ
指のマッサージは、付け根から爪の横まで全体的にもみほぐすように行うといいでしょう。
ご自分でやってみて、心地いいと感じる方法でほぐすイメージです。
根本をつまみ、徐々に先端まで移動させながら押してみる、などが効果的ですよ。
手の甲を刺激する際は、反対の手で包み込むようにマッサージする手を持ち、親指を使って手の甲の真ん中あたりを優しくさするように押してあげてください。
手首の方から指の付け根へ向かうイメージで刺激すると良いですよ。
オフィスでもできる!肩甲骨回し
肩甲骨周りをほぐすことで、全身の血行が良くなる方法があります。
実は現代人はスマホ操作やデスクワークを行うことで、背中が固まってしまいがちなんです。
お仕事中でも腰かけながらできることなので、意識的に行うとリフレッシュにもなり効果的ですよ。
やり方は、手を方の付け根辺りに持っていき、両肘を支点に円を描くように腕を動かすだけ。
こうすることで肩甲骨が開閉し、血行促進に繋がります。
隣の方とのスペースが狭い場合や周りの目が気になる方は、肩甲骨を意識して肩を動かすだけでも違ってきますよ。
特に女性は冷え性の方も多いですから、日常的に行うと身体が温まってきますのでオススメです。
まとめ
字面からも寒さが伝わってくる大寒の時期について、毎年の時期だけでなく風邪や寒さ対策についてもお話してきました。
昔から「この時期は寒いよ」と考えられてきたシーズンですし、現代でもインフルエンザが流行しだす頃と重なっています。
昔も今も、寒い時期に油断は大敵ということなのでしょう。
ご紹介しました旬の食材やマッサージ方法を生活に取り入れて、大寒を健康的に乗り切ってくださいね。