皆さんは「二十四節気」という言葉をご存知でしょうか?
例えば、夏至、冬至、土用の丑の日、節分など、一度は耳にしたことがあると思います。
日本には四季があり、1年365日の中には季節ごとに行事や季節の節目があります。
では、どうしてこんなに種類があるのか、またどんな意味があるのか疑問に思った方もいるのではないでしょうか?
今回はそんな日本特有の二十四節気について説明します。
また、2018年の節気の日付や各行事食についても併せてご紹介します。
二十四節気とは?
そもそも、「二十四節気」とは何でしょう?
これは「にじゅうしせっき」と読み、1年を春、夏、秋、冬の4つに分け、それをさらに6分割にした24の期間に名前をつけたものです。
現在では季節の節目を示す言葉として使用されています。
名称については、以前の中国で考案されたものがほぼそのまま使用されています。
しかし、その当時文明の中心が中国の黄河であったため、日本の気候とは多少ずれがあるようです。
成り立ちや由来
では、どのようにして二十四節気ができたのでしょうか?
成り立ちを見ていきましょう。
二十四節気は太陽の動きを基にして作られました。
太陽が移動する天球上の道の事を「黄道」と言います。
その黄道を24に分けて二十四節気と呼びました。
黄道をまず夏至、冬至で2等分、さらに春分、秋分に分け4等分にします。
これらを「ニ至」、「二分」と言い、さらにそれぞれの中間に立春、立夏、立秋、立冬の「四立」を入れて’「八節」と呼び、分けました。
この一節は45日で区切られており、一節を15日ずつに分けて名前をつけたものが「二十四節気」です。
二十四節気をさらに5日ずつに分け、時候を表したものもあり、これは「七十二候」と呼ばれています。
それぞれの四季の節気
次にそれぞれの四季にはどんな節気があるのかご紹介します。
春
- 立春(2/4頃) :寒さも峠を越え、春の気配が感じられる頃
- 雨水(うすい 2/19頃) :陽気が増し、雪が雨に変わる頃
- 啓蟄(けいちつ3/6頃):冬ごもりしていた地中の虫が出てくる頃
- 春分(3/21):太陽が真東から昇り、真西に沈む日。
昼夜がほぼ等しくなる日 - 晴明(せいめい 4/5頃):全てのものが生き生きし、清らかになる頃
- 穀雨(こくう 4/20頃):穀物を潤す春雨の降る頃
夏
- 立夏(りっか5/5 頃):夏の気配が感じられる頃
- 小満(しょうまん 5/21頃):全てのものが次第に伸び天地に満ち始める頃
- 芒種(ぼうしゅ 6/6頃):稲などの芒のある穀物を植える頃
- 夏至(げし 6/21頃):昼の長さが最も長くなる日
- 小暑(しょうしょ 7/7頃):暑気に入り、梅雨の明ける頃
- 大暑(たいしょ 7/23頃):夏の暑さが最も極まる頃
秋
- 立秋 (りっしゅう8/7頃):秋の気配が感じられる頃
- 処暑(しょしょ 8/23頃):暑さが収まる頃
- 白露(はくろ 9/8頃):白露が草に宿る頃
- 秋分(しゅうぶん9/23頃):秋の彼岸の中日。
昼夜がほぼ等しくなる頃 - 寒露(かんろ 10/8頃): 秋が深まり、野草に冷たい露がかかる頃
- 霜降(そうこう 10/23頃):霜が降る頃
冬
- 立冬(りっとう 11/7頃):冬の気配が感じられる頃
- 小雪(しょうせつ 11/22頃): 寒くなって雨が雪に変わる頃
- 大雪(たいせつ 12/7頃):雪が降り積もる頃
- 冬至(12/22頃):昼が一年で最も短くなる日
- 小寒(しょうかん ⅕頃):寒の入りで寒気が始まる頃
- 大寒(たいかん 1/20頃):寒気が極まり、最も寒くなる頃
二十四節気を補う季節の移り変わりの目安として
さらに雑節(ざっせつ)というものがあり、種類は以下のとおりです。
- 土用:太陽太陰暦では、立春、立夏、立秋、立冬の前18日。
現在では夏の土用だけを指すことが多い。 - 節分:季節の分かれ目頃。立春の前日。
- 彼岸:春分と秋分の前後3日ずつの計7日のこと。
初日を彼岸の入り、当日を中日(ちゅうにち)終日を明けと呼ぶ。 - 八十八夜: 立春から数えて88日目のこと。
霜が降りることが少なくなる頃。 - 入梅(にゅうばい):芒種の後の壬(みずのえ)の日。
梅雨の雨が降り始める頃。 - 半夏生(はんげしょう):夏至より10日後のこと。
- 二百十日(にひゃくとおか):立春から数えて210日目。
夏至、冬至の違いって何?風習はある の?
では、二十四節気を作るにあたって基本となっている夏至、冬至にはどんな違いがあるのでしょうか?現在でも続く風習などもご紹介します。
夏至: 2018年は6月21日になります。
この日は太陽が真東からのぼり、真西に沈む為、日の出から日の入りまでに時間がかかります。
そのため昼の時間が最も長くなり、夜の時間が短くなります。
主に行われる風習は無く、当時、田植えは7月までに終わらせなければならず、夏至の時期は忙しかったため、代わりに田植えが終わる7月頭に半夏生(2018年は7月2日)として小麦もちを神様にお供えしたと言われています。
現存する風習としては、奈良の「はげっしょもち」、明石の「たこ」、香川の「うどん」、福井の「焼き鯖」、愛知の「イチヂク田楽」などがあるようです。
冬至: 2018年は12月22日になります。
この日は太陽が南寄りの東から昇り、空の一番低い所を通って西に沈むため、昼の時間が短く、夜が最も長くなります。
冬至の風習としては「柚子湯」が有名です。
これは柚子湯に入ると風邪をひかないという言い伝えがあるためです。
寿命が長く、病気に強い柚子の木にならって柚子湯に入って無病息災を祈るという説もあります。
また、冬至の時には南瓜を食べる慣習がありますが、さらに「ん」のつく食べ物を食べることで「運」を呼び込言い伝えもあります。
例えば、人参、レンコン、大根などが挙げられますが、どれも栄養豊富な食材であり、栄養をつけて冬を乗り切る意味もあるようです。
最も有名な南瓜には別名「なんきん」と呼ばれ、隠(北)から陽(南)へ向かう意味を持つことから、縁起が良いとされ、実際に栄養豊富で保存がきくために有名になったと言われています。
ふだん何気なく耳にする「夏至」や「冬至」にもさまざまな由来や風習があり、比べてみるとその季節や冬至の様子に合ったものであることがよくわかりますね!
2018年の節気はいつ?
では、今年度の節気はそれぞれいつになるのでしょうか?
雑節も併せて以下にご紹介します。
春
- 小寒→1/5
- 大寒→1/20
- 節分→2/3
- 立春→2/4
- 雨水→2/19
- 啓蟄→3/15
- 春分→3/21
- 晴明→4/5
- 穀雨→4/20
夏
- 八十八夜→5/2
- 立夏→5/5
- 小満→5/21
- 芒種→6/6
- 入梅→6/11
- 夏至→6/21
- 小暑→7/7
- 大暑→7/23
- 土用→7/20、8/1
秋
- 立秋→8/7
- 処暑→8/23
- 二百十日→9/1
- 白露→9/8
- 彼岸→9/20
- 秋分→9/23
- 寒露→10/8
- 霜降→10/23
冬
- 立冬→11/7
- 小雪→11/22
- 大雪→12/7
- 冬至→12/22
食文化や行事食を紹介
それぞれの四季には節気がある事をご紹介しましたが、
その中でも、当日に決まったものを食べる習慣のあことはご存知でしょうか?
それらの食べ物を行事食と言い、季節の旬の食材を使い、
季節の節目や行事の際に振舞われる少し手の込んだ豪華な食事を指します。
日本人は昔から年中行事、冠婚葬祭などの事を「ハレの日」日常を「ケの日」と呼び、日常と非日常を区別してきました。
特に「ハレの日」には休息を取り、生活に変化を与えることに加え、ご馳走で栄養をつけるという意味もあったようです。
それぞれの行事食の一部として以下のようなものがあります。
- 節分→福豆、恵方巻き
- 彼岸→ぼた餅(3月)、おはぎ(9月)
- 夏至→タコ(関西地方)
- 土用丑の日→鰻、「う」のつく食べ物
- 冬至→南瓜、小豆粥
土用丑の日に鰻や「う」のつく食べ物を食べると良いと言われることはとても有名ですよね。
夏の土用は1年の中で最も暑さが厳しいとされる時期にあたるため、疲労回復や夏バテをしないようにという理由からだと言われています。
もう1つの理由として、実は江戸時代に夏は鰻が売れなかったことから「土用丑の日、鰻の日」とうたい売り出したところこれが大当たりして丑の日に鰻、「う」のつく食べ物が定着したとも言われています。
「う」のつく食べ物には梅干しや瓜、うどんなどが挙げられますが、いずれも食が細くなる夏には食べやすいものが選ばれていますね。
ここで暑い夏でもさっぱり食べられる簡単梅レシピを2つご紹介します。
*きゅうりの梅和え*
材料:2人分
- きゅうり …1本
- 梅干し…1つ
- 鰹節…2g
- 醤油…大1
- ごま油…小1/2
- 塩…少々
作り方
- きゅうりは縦半分に切り、1㎝幅の半月切りにする。
- 種を取った梅干しを刻み、醤油、ごま油と和える
- きゅうりと2、鰹節を和え、最後に塩で味を整える。
簡単でさっぱり食べられ、保存もきく一品です。
*しゃぶしゃぶおろしうどん*
材料:2人分
- うどん…2玉
- 豚肉…80g
- おろし大根…80g
- オクラ…2本
- ポン酢またはめんつゆ…好みの量
作り方
- うどんを茹で、冷水で締める。
- 豚肉、オクラを茹でオクラは輪切りにする。
- 盛り付けし、ポン酢またはめんつゆをかけ、完成。
ボリュームもあり、ビタミン豊富な豚肉と消化に良い大根、
うどんの炭水化物が摂れ、一品で夏バテ防止になる簡単で栄養のあるメニューです。
どちらも10分程度ででき、さっぱりしていますのでぜひ作ってみて下さいね。
まとめ
二十四節気について説明しましたが、いかがでしたか?
意外とふだんの生活の中に取り入れられ、
身近な存在であることが分かったのではないでしょうか?
四季がある日本ならではのもので、
日々の生活に張りや変化を与えてくれる大切な慣習でもあります。
現在では二十四節気を知らないという人も多く、寂しく感じます。
古くからの良い慣習をすたれさせないためにもぜひたくさんの人に知ってもらいたいものですね。