親戚、友人、知人が出産した場合に出産祝いを渡して赤ちゃんの誕生をお祝いします。そんなお祝い事でも、どんなお祝いを渡すか悩んでいるうちに日にちが経ってしまったとか、ついうっかりして時期を逃してしまったということがありますよね。また、そもそも出産祝いっていつ贈ったら良いのか、もう時期を逃してしまっているのかもわからない、なんてことも。そんなとき、今から出産祝いを贈った方がいいのか、やはり贈らない方がいいのか。遅れて渡したら失礼なのかなど悩みはつきないものです。出産祝いを渡す時期と遅れた場合の対応についてご紹介します。
出産祝いのマナー・渡す時期に決まりはあるの?
「妊娠しました」や「出産予定日はいつです」などの報告を受けると、うれしくなるものですね。生まれる前から誕生が待ち遠しくて、早くお祝いしたくなってしまうものです。
出産はとてもおめでたいことなので、お祝いを渡す時期はいつでも問題はない?のでしょうか。せっかくのお祝い事なのでマナーを守ってお渡しましょう。
医療が発達したとはいえ、出産は母親にも生まれてくる赤ちゃんにとっても命がけの一大行事です。いくら妊娠が病気でないといっても、出産前の検査の段階では順調で特に問題がないといわれていても、思いもよらないことが起こることがあります。良いことばかりならいいのですがそうでないことだってあるのです。ですから出産祝いは、身内以外は、出産後にお母さんと赤ちゃんの健康を確認してから贈るのがマナーになっているのです。出産前に出産祝いを渡すのは万が一何かあったら取り返しのつかないことになるので、はやる気持ちは抑えて待ちましょう。
また、出産後は1週間程度入院することが多いのですが、この時期は体調が安定しないこととこれから赤ちゃんと生活していくための実践をお母さんが赤ちゃんと一緒に学ぶ期間でもあるため、身内以外は入院中の訪問は避け、退院後にお渡しするようにしましょう。出産祝いを贈る時期は、『お七夜』という生後7日目に命名書を飾ってお祝いする日から生後1か月で行う『お宮参り』までの間です。その中でも特に良いと言われている時期は、生活が落ち着いてくる生後2週間から3週間目ぐらいです。この期間でうかがうとなるとかなり限られた日になりますね。
どうして1か月以内?
お宮参りに合わせて出産祝いを贈るというマナーはわかったものの、なぜ生後1か月なの?と疑問ですよね。お祝い事なのだから、お祝いする時期を限定しなくてもいいのではないかとも思われるかもしれません。
実は、生後1か月以内というのは、1か月を過ぎたところで、出産祝いを受け取った側が、いただいた方に対して内祝いを贈る準備を始めるからです。これを考えるとその準備を始めるころまでに、贈ると受け取る側にとっては負担がありません。この時期を過ぎてしまうと、受け取った側は、もう一度内祝いを用意しなくてはなりません。そのような手間をかけさせないという意味でも、一般に内祝いを準備する生後1か月を目安に出産祝いを贈るのが良いといわれているのです。
出産祝いの贈り方は、通常のお祝いの渡し方とは違う点があります。それは、通常は直接手渡しが原則でこれができないときは郵送しますが、出産祝いは郵送でも直接渡してもどちらでもよいこととなっています。これは、産後のお母さんと赤ちゃんの体調に配慮した贈り方といえますね。
ただ、一般に1か月といわれ、多くの方がこの時期までにお祝いを贈られますが、実はこの時期は、出産したお母さんにとっては、赤ちゃんの授乳の時間に合わせた生活が始まり、短い授乳間隔の中で自分の食事や睡眠をとる生活を送ります。赤ちゃんの体調面だけではなくお母さんの体調にも変化があり、とても忙しく大変な時期。赤ちゃんの命を預かるという重責を担いながら、親戚からのお祝いの訪問を受けたり、お友達からの訪問を受けたりするのです。お祝いの気持ちはうれしいけれど、余程のベテランママか、タフなママさんでもない限り精神的にも肉体的にもいっぱいいっぱいのはず。贈る相手との関係にもよりますが、無理をして生後1か月以内に訪問してお祝いを届けるのではなく、贈る時間を相談して決めて郵送するとか、あえて訪問する日を少し遅らせるというのもありですよ。贈る相手との関係にもよりますのでぜひお祝いを贈る時期を相談してみてくださいね。すべて相手があることですので、内祝いの心配をさせないためにも1か月以内というマナーに従うのも一つ、お祝いの連絡をして訪問は忙しい時期に配慮して少し時期をずらすのも一つですね。
遅れた場合のマナー1 半年以内と1年程度の対応は?
ついうっかり出産祝いを渡すのを忘れて日にちが経ってしまったということもあります。こんな時は、遅れても出産祝いを渡した方がいいのかそれとも渡さない方がいいのか、悩ましいですね。遅くなってもやはり渡したいという気持ちがある場合は、遅れた時期により渡し方が変わります。時期の分け方の目安としては、
- 生後半年以内
- 生後半年を超え1年程度以内
いずれかによりお祝いの贈り方が変わります。
生後半年以内の場合
生後半年以内の場合は、出産祝いとして贈りましょう。遅れた理由とお詫びの言葉を添えてお祝いを贈りましょう。遅れた理由が弔事に関する場合はあえて伝える必要はありません。
里帰りしている場合やお友達の場合はお母さんと赤ちゃんに会うためにあえて時期をずらしたようなときも、出産お祝いとして大丈夫です。通常の出産祝いと同様に紅白ののしをつけて贈りましょう。
この時期に送るお祝いのメリットを最大限に活かし、これから着られる洋服やこの時期ならではのおもちゃや必要なものをお贈りするといいですね。
生後半年を超えて1年以内の場合
半年を過ぎてしまった場合は、もう少し遅らせてお誕生日までに『誕生祝』として贈るのがいいですね。同じように1年を過ぎてしまった場合も『誕生祝』にして贈りましょう。遅れてしまった理由とお詫びも必ずしてくださいね。遅れてしまったマイナス面ばかりを気にするのではなく、出産祝いで集中しないようなこの時期に必要となるものをプレゼントしてみるのもいいですね。
遅れた場合のマナー2 渡し方は?
出産祝いは、通常のお祝い事と違い、贈り方は直接うかがって渡すほか、郵送でもよいことになっていました。それでは遅れた場合の渡し方はどうでしょうか。
遅れて渡す場合は、やはり直接うかがって渡すのが良いでしょう。遠方であったりどうしても日程があわない場合は郵送でももOKです。出産後は、赤ちゃんのお世話で生後1か月以降も同じように忙しく、お母さんにとっては気の休まる時間がなく過ごしていることに変わりはありません。
直接うかがう場合は、都合のよい日と時間を確認しその日に行くようにします。お祝い事ですので、日の良い日を選ぶといいですね。ただ、赤ちゃんの体調は変化しやすいので、当日うかがう前にも大丈夫か確認をすると丁寧です。また、訪問する場合は、基本は大人だけで、体調を整えてからうかがってくださいね。風邪気味でうかがい、まだ体力のない赤ちゃんやお母さんにうつしてしまっては大変です。
直接うかがえない場合は、遅れたことへのお詫びを添えて郵送しましょう。この時も、受け取りが可能な時間について確認をしてから日時指定で送りましょう。遅れている場合のメリットとしては、もしかすると赤ちゃんとの生活で、ある程度生活のリズムが整ってきていて、沐浴や授乳など受け取りづらい時間帯も定まってきているかもしれませんね。そうした時間帯を避けて贈れるといいですね。
遅れた場合のマナー3 お詫びのお手紙と文例
出産祝いを遅れて贈る場合には、出産をお祝いすることの他に遅れてしまったことへの『ご出産のお祝いが遅くなり申し訳けない』などのお詫びも添えて送ります。
遅れた理由が、自分のおめでたいことであれば素直に伝えてもいいのですが、身内の不幸や単に忘れていただけという場合は、はっきりと理由を伝えるのではなく、『バタバタしているうちに日数がすぎてしまい』や『お祝いを渡すタイミングを検討しているうちにタイミングを失って遅れた』などとしたほうがいいです。
次に手紙の文例を紹介します。
まずは祝福の気持ちを『出産おめでとうございます。』と伝えます。次に遅れたことに対して、『お祝いが遅くなってごめんなさい』や『本来ならもっと早くお祝いの品をお届けすべきだったのに』などのお詫びの言葉を書きます。『贈る相手と赤ちゃんに会いたいです』とか贈る品物についてのコメントなどを書いて、最後に『皆様の健康をお祈りします』などを書いて結びます。
まとめ
赤ちゃんの誕生というお祝い事もマナーを守り、礼儀にかなった方法で行いたいですね。
- 出産祝いは、出産後に母子の健康を確認してから贈るのがマナー。
- 贈る時期は、生後2週間から3週間ぐらいがベストで、お宮参りをする1か月までに送ります。
- 出産祝いは、母子の体調に配慮するため直接うかがって渡しても郵送でもどちらでもOK
- 生後半年までは、出産祝いとして贈り、半年を過ぎてしまった場合は、誕生祝として贈ります。
- 遅れた場合は、必ずお詫びの言葉を添えましょう。