友人や親戚の家庭から出産の報告をもらえると嬉しいですよね。
知らせをもらったらやっぱり贈りたいのが出産祝いです。
でも、結婚式とは異なり、出産祝いでのご祝儀となると、マナーやしきたりがわかりませんよね。
出産祝いは年齢を重ねると自然と周りに増えてくるイベントでもあるので、きちんと覚えておいて損はありません。
それでは、出産祝いのご祝儀の相場はいくらくらいなのでしょうか?
また、のしやご祝儀袋を選ぶ時に基準はあるのでしょうか?
今回は、出産祝いのためのご祝儀の入れ方について徹底的に解説します。
出産祝いのご祝儀で使うのし袋の選び方
出産祝いと結婚祝いのご祝儀では使うご祝儀袋が違うことはご存知でしょうか?
出産祝いを包むためのご祝儀袋はのし袋に気を払わなければいけません。
ご祝儀袋を選ぶポイントは2つです。
*慶事と弔事
ご祝儀袋は結婚式や出産など嬉しいことがあった時使うものと、お葬式などの悲しいことがあった時に使うもので種類が変わります。
・出産などのお祝いごとに使う
ご祝儀袋は「赤と白」や「金と白」などの明るい色合いのものを使います。
・弔事に使う
不祝儀袋は「黒と白」でまとめられているものを使います。
ご祝儀袋を選ぶ時は間違っても黒が使われているものは選ばないように気をつけてくださいね。
*水引
ご祝儀に使うのし袋は、お祝いごとの種類によって水引を選ぶ必要があります。
お祝いごとの種類は2つで、「何度もあるほうが良いお祝い」と「何度もあると困るお祝い」です。
結婚は何度もあると困ってしまいますよね。
一般的には、一度結婚したら末永く連れ添っていただきたいと考えます。
このような何度もあると困るご祝儀に使うのし袋は、水引が「あわじ結び」や「梅結び」になっているものです。
あわじ結びは簡単に結び直せないことから、「一度きり」という願いを込めて使われます。
反対に、出産祝いというのは「何度あっても嬉しいお祝いごと」ですよね。
何度も恵まれて欲しいお祝いのときは、「簡単に結び直すことができる」ことから「繰り返し起こるように」という願いを込めて蝶々結びの水引を使います。
これらのポイントを抑えると、出産祝いで使うご祝儀袋として最適なのは、「赤・白・金」などのめでたい色が使われている「水引が蝶々結び」のご祝儀袋です。
ただ、現代では雑貨店などで様々な種類のご祝儀袋が売られていますよね。
蝶々結びではない手の混んだ水引のご祝儀袋や、水色やピンクなどかわいい色合いのものなども売られています。
このようなご祝儀袋を使いたいという方もいらっしゃいますよね。
この場合は、売られているご祝儀袋に「出産祝い用」と書かれていれば問題ありません。
お祝いごとでも「結婚」と「出産」ではご祝儀袋の水引が異なるので、一見しておめでたいご祝儀袋でも、出産祝いと明記されているもの以外は避けたほうが無難です。
ご祝儀の入れ方で気をつけるポイント
次に気にしなければならないのは、ご祝儀の入れ方です。
ご祝儀袋は一般的には「のし袋」と「内袋」の2つに分かれています。
ご祝儀のお金はまず「内袋」に入れて、それを「のし袋」に包むという手順なんですね。
ご祝儀を入れる時、気にしなければいけないポイントは5つあります。
・入れるお金は「新札」を使う
まず、ご祝儀として用意するお札は「新札」を用意しましょう。
よく間違われるポイントとして、「新札」と「ピン札」の区別がつかずにピン札を包んでしまうという点が挙げられます。
ピン札もシワがなくきれいなお札ですが、新札は「誰も使ったことがないお札」のことを言います。単純にシワや折り目がないだけでは新札とは言えないんですね。
新札の入手方法はいくつかありますが、銀行で「新札にしてください」と言って両替してもらうのが最も簡単です。
銀行によっては、両替ATMを使う時に新札で出すかどうか選べるところもあります。
新札を入れるのがマナーなので、新札を用意することが望ましいですが、現代ではそこまで厳しくみている人も少ないですので、最低限シワや折り目のないお札を用意しておくことは必要でしょう。
・お金を入れる向き
用意したご祝儀のお金を入れる向きにも注意が必要です。
お金を入れる向きは、内袋の表側にお札の肖像画が来るように入れます。
取り出した時、一番最初に肖像画が顔を出すのが正しい向きなので、注意して入れましょう。
・内袋
内袋は表側に金額を書き、裏側に氏名と住所を書きます。
この時、注意しなければならないのは、表に書く金額です。
金額を書く時の数字は「大字」と呼ばれる、略式ではない漢数字を使うのがマナーと言われています。
通常 |
大字 |
一 |
壱 |
二 |
弐 |
三 |
参 |
五 |
伍 |
千 |
阡 |
万 |
萬 |
表も裏も可能であれば筆や筆ペンで、縦書きで書くようにしましょう。
・のし袋の折り方
一般的なご祝儀袋の最も外側に使われている「のし袋」は、一枚の紙が折り畳まれた状態のものが多いです。
お金を入れた後、のし袋は元の折り目に沿って戻すと思いますが、この時注意しなければいけないのが裏側の折り方です。
上下に余った紙を裏側に折り込みますが、この時、折り返し部分は、上の折り返しに下の折り返しを重ねるように折り畳みましょう。
上の折り返しを一番上にしてしまうと、不祝儀というお葬式で出す祝儀袋の折り方になってしまい、とても縁起が悪いです。
・のし袋の表書き
最後に、のし袋の水引の上下に書く内容です。
水引から上の部分には、縦書きで「出産祝い」や「御祝い」もしくは「寿」と書きます。
下には自分の名前を縦書きで入れます。
この時、目上の人と連名で出すような場合には、目上の人の名前から順番に書くようにしましょう。
出産祝いはいつ頃贈るのが正解?
それでは、出産祝いはいつ頃贈るべきなのでしょうか?
一般的に出産祝いを贈るのは生後7日から1ヶ月以内が目安と言われています。
これは、生後7日で行われる「お七夜(おしちや)」というお祝いごとから「お宮参り」までの間に贈るのが従来のしきたりだったことから来ています。
ただ、現代では出産から退院までの期間が最短で5日なので、お七夜に合わせると早すぎる可能性も出てきます。
昔ながらのご家庭だと、出産内祝いをお宮参りの時期に合わせて用意することが一般的です。
それまでに出産祝いを贈っておくことで余分に内祝いを用意しなければいけなくなったりという二度手間を増やさないようにするという気遣いもあり、1ヶ月以内なんですね。
総合的に見れば出産祝いは生後3週間くらいに贈ると先方の負担が少なくて済むでしょう。
また、出産祝いは母子ともに健康であることがわかってから贈るのがマナーです。
出産祝いを出産の前に贈ることは絶対に避けてください。
出産は命がけなので、母子ともに健康に終わることが当たり前とは到底言えません。
無事に生まれてくることができなかった、もしくは、母体が保たなかった、など様々な健康上の要因で「無事な出産」にならない可能性が多分にあります。
出産祝いは必ず「無事に生まれた」ということがわかってから贈りましょう。
出産祝いはいくら包むのが相場?
それでは、出産祝いの金額はどれくらい包むのが相場なのでしょうか?
これは、子どもが生まれるご家庭とあなたの間柄によって金額が異なります。
・ご夫婦の両親
赤ちゃんの両親から見て、親や祖父母にあたる場合、相場は3万円から5万円ほどです。
・その他の親族
ご両親の兄弟や、叔父、叔母などの親族関係にあたる場合の相場は、1万円から3万円ほどです。
・会社関係
仕事の関係で出産祝いを贈る場合の相場は、3000円から、多くて1万円ほどと言われています。
会社関係だと、「社員一同」のように、大人数でまとめて贈るということも多いので、その場合一人頭の金額は少なめになります。
・友人や知人
ご夫婦の友人や知人関係である場合、どれくらい親しいかにもよりますが、相場は3000円から多くて1万円ほどです。
こちらも、友人複数名で贈る場合があるので、その場合は一人頭の金額が少なめになることもあります。
ご祝儀は少なすぎても多すぎても先方を困らせてしまうので、相場の金額前後で収めるようにしましょう。
出産祝いは現金以外を贈る選択肢もあり
出産祝いはご祝儀で金一封を贈るのが一般的でしたが、現代では現金ではなくギフトなどを贈ることも一般的になってきました。
例えば、友人同士の間柄であった場合、現金で贈るのはなんだか気が引ける…という場合もあるかと思います。
気持ちが乗らないときは、贈る方も気持ちよく贈れたほうがお互いに素直に喜べるので、ベビー用品やお菓子などのギフトを選んで贈りましょう。
ギフトで贈る時は、ご家庭で必要とされているものかどうかや、贈って困らないかどうかなど相手の状況を十分に考慮してギフト選びをすることが大切です。
もし可能であれば、直接ご家庭に欲しいものがあるかどうかきくことも対処法の1つとして考慮しておきましょう。
まとめ
ご祝儀1つといってもマナーがたくさんあります。
まず、出産祝いに使うご祝儀袋は必ず慶事用で、蝶々結びの水引か、梅結びの水引になっているものを選んでください。
次に、内袋に入れるお金はできれば「新札」で用意し、取り出した時表に肖像画が来るように入れるのがマナーです。
ご祝儀に包む金額は間柄によって相場が変わりますが、多すぎても少なすぎても先方を困らせてしまうので、相場の前後の金額で用意するようにしましょう。
最低限のマナーを守れば、お祝いごとなので、気にしすぎることはありませんが、弔事で使うルールだけは気を払って、縁起の悪い贈り方にはならないように気を払ってください。
歳を重ねると出産祝いを贈る場面は増えてきますので、しきたりをしっかり覚えて、お互い気持ちの良いお祝いを贈れるようになりましょう。