香典返しとは香典のお礼として品物を贈る慣(なら)わしです。
香典は、本来、不幸のあった家への助け合いの意味があり、必ずしもお返しをする必要はありません。
現在では、香典返しは故人に代わり遺族が挨拶状とともに品物を贈る習慣になっています。
香典返しについてイラストともに分かりやすく説明いたします。
香典返しは「いつまで?」
そもそも、香典返しの意味合いは、忌明け法要が滞りなく終わった報告です。そのため、喪に服している際には慎むのが基本です。
会社関係の方や葬儀を手伝ってくださった方へお礼をする際には、香典返しとは別の形で、商品を送った方が良いでしょう。
送る際は、お返しを早くするべきと感じた旨を添え、お渡しするのが理想的です。
時期については、宗教によって異なります。仏教の場合には、四十九日法要後2週間以内が目安です。
そのため、発送は法要の翌日に届くよう、手配しておくと良いでしょう。当日返しをした際には、後からお返しをする必要はありません。
万が一、時期が遅れてしまった場合には、ごあいさつが遅れてしまったお詫びを添えて送ると良いでしょう。
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香典返しの「のし」
香典返しを贈る際には、のしをつけるのがマナー。
一般的には、施主様の名字を入れますが、宗教や習慣、地域制によっても異なるため、確認しておくことが必要です。
表書きに志、黒白結びきり、施主様の名字となりますが、関西や中国、四国の一部仏式では、表書きに「満中陰」「志」、
黄白結びきり、施主の名字となるところもあるため、注意が必要です。
また、葬儀の事情によっては、〇〇家やフルネームを入れることが望ましい場合もあるため、臨機応変に対応することが必要です。複数の法事をまとめて行う場合には、のしに仏様になられ順に右から左へ書くと良いでしょう。
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香典返し「挨拶状」「お礼状」
手渡しでお渡しする際にはお礼状の必要はありませんが、宅急便などで送る際には、お礼状をつけるのが一般的です。
内容は何を書いたら良いか分からない人も多いようです。お香典をいただいたお礼や無事に法要が終わったことなどを伝えることが基本です。
お礼をお伝えするものですから、気持ちを込めて書くことで、相手に伝わりますので、あまり難しく考える必要はありません。
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香典返し「品物」
香典返しの品は、消耗品を選ぶのが一般的です。不祝儀を残さないようにという意味合いもあり、消え物を贈ります。
消耗品、消え物の中でも定番となっているのは、タオルやせっけん、お茶やお菓子など。
食品も良いとなると、お酒やお肉を選んでしまいがちですが、お肉やお魚、お酒は控えた方が良いでしょう。
最近では贈られた方が自由に品物を選べる、カタログギフトを選ぶ人も増えています。
予算内に合せて選べて、贈る側の好みが分からなくても良いため、人気の品となっています。カタログギフトは、贈る側にとっても、贈られる側にとっても、喜ばれる品といえるでしょう。
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香典返し「金額」「相場」
香典返しを選ぶ際、どのくらいの金額のものを選んだら良いのか迷う人が多いもの。失礼にならないものを選びたいと思うものです。
相場は、半返しが一般的とされており、いただいたお香典の半額相当のものを選ぶ人が圧倒的。
例えば、1万円のお香典をいただいた方には、5千円相当の商品を選びます。
実際にはいただいたお香典の3分の1相当を選んでいる人も多いため、それぞれの予算に合せて選ぶと良いでしょう。中には、高額のお香典をいただくこともありますが、高額のお香典の場合には、半返しではなく、3分の1から4分の1程度のもので問題ありません。
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香典返しへの「お礼」
香典返しの性質から、お礼の言葉を伝えなくても失礼にはあたりませんが、香典返しをおくってくださった心遣いに対して、お礼の気持ちを伝えたいですね。
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香典返し「カタログギフト」
香典返しにカタログギフトを選ぶと失礼にあたるのではないか、と心配される方が多いです。
ご年齢を考慮した配慮は必要ですが、カタログギフトを贈る行為はマナー違反ではありません。
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香典返し「辞退」
様々な理由で香典返しを辞退される場合もあります。香典は謝礼を前提に渡すものではないため、お断りしてもマナー違反ではありません。
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香典返し「会社」
会社(法人)名義で頂いた場合には、一般的には「不要」とされています。その理由として、会社のほうで「慶弔規定」がある場合、福利厚生の一部として経費から支払われていることが多いからです。
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香典返し「手紙」
会社(法人)名義で頂いた場合には、一般的には「不要」とされています。その理由として、会社のほうで「慶弔規定」がある場合、福利厚生の一部として経費から支払われていることが多いから、と言えます。
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香典返し「品物タブー」
香典返しとしては、「四つ足生臭もの」(よつあしなまぐさもの)にあたる肉・魚類はタブーだとされています。
また、慶事によく使われるお酒やかつお節、昆布もNG。
ただし、どちらの場合も缶詰の詰め合わせのなかに少し使われていた、という程度なら問題ありません。
単体での品物を選ばなければ大丈夫です。
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