子どもが産まれるのはとてもおめでたいことですよね。
三日祝いという言葉を聞いたことがありますか?身近に小さい子どもがいない人は聞いたことがないかもしれません。
子どもにはお祝いの行事がたくさんあります。
三日祝いとは何なのか、どんなことをするのか、そのほかの子どものお祝い行事も紹介します。
三日祝いとは?
三日祝いとは、子どもが生まれて3日目に行うお祝いのことです。
昔は生まれてすぐに亡くなってしまう子どもも多く、生後3日目というのは大切な節目の日とされてきました。
生まれてから3日を無事に元気で過ごせると、その後も丈夫に育つことができると考えられており、それをお祝いするのが三日祝いです。
このときに「産着の祝い」が行われることが多く、初めて新生児用の袖のある産着を着せます。
また、「三つ目のぼた餅」と呼ばれるものでお祝いをすることもあり、ぼた餅やおはぎを産婦に食べさせたり、親しい人に配ったりします。
産着はどんなものを着せればいい?
産まれた直後の子どもには、ガーゼで作られた産着を着せます。
生後3日目に袖のある新生児用の産着を初めて着せることが多く、これを「産着の祝い」と呼びます。
産着の祝いで子どもに着せるのは、麻の葉模様の産着です。
麻の葉模様の産着を着せる習慣が広まったのは、江戸時代頃であるといわれています。
すくすくとまっすぐ伸びる麻のように育ってほしいと、子どもの成長を願う意味が込められています。
また、麻の葉模様には魔除けの効果があるとされており、子どもを災いから守るお守りの役割もあります。
麻の香りが虫よけにもなるといわれています。
昔は母親が産まれてくる子どものために麻の葉模様の刺繍をしていました。
現在では綿の素材に麻の葉模様がプリントされた産着を着せることが多いですが、刺繍からプリントへと様式が変わっても、親が子どもを思う気持ちは変わりません。
そのため麻の葉模様の産着を着せるという伝統は、今でも受け継がれているのです。
「三つ目のぼた餅」の意味は?
産後3日目に通常の数倍の大きさのぼた餅を産婦に食べさせたり、近所の人や親しい人に配ってお祝いすることを「三つ目のぼた餅」と呼びます。
関東地方の風習ですが、このお祝いをする人は現在減少傾向にあるようです。
三つ目のぼた餅には2つの意味があります。
1つめは、子どもが産まれたことを報告し、喜びと感謝の気持ちを伝えるというものです。
2つめは、ぼた餅を食べて母乳がよく出るようにという願いを込めたものです。
通常よりも大きいサイズのぼた餅を用意するのは、母子ともに栄養を接収することが大切な時期であるため、たくさんの栄養をとってもらうためという説があります。
ぼた餅を配るのは、基本的に第一子が産まれたときだけです。
お世話になった人、親戚、親しい友人などに配ります。
ぼた餅は生ものなので、遠方にまで届ける必要はありません。
手配りできる距離にいる人だけで十分です。
1歳までのお祝い行事
子どもが産まれてから1歳になるまでの1年間は、お祝いの行事がたくさんあります。
お七夜
生まれてから7日目に行うお祝いです。
子どもに命名し、お披露目します。
昔は親戚なども招いてお祝いしていましたが、現在は両家の両親などごく身近な人だけを招いて行うことが増えています。
名付け親がいるときは、招待しないと大変失礼です。
必ず招きましょう。
お七夜は子どもにとって初めてのお祝い行事となることが多く、この日までに名前を決め、命名式を行い披露します。
「名付けの祝い」と呼ばれることもあります。
赤飯やおめでたいときによく使われる鯛、昆布などでお祝いします。
子どもの枕元に尾頭付きの鯛をのせた膳を置き、それに石をのせます。
産まれたばかりの子どもの頭はとてもやわらかいので、早くしっかり固まるようにという願いが込められています。
子どもは宴の最初に顔をお披露目したら、別の部屋に寝かせておいて大丈夫です。
ずっと宴の場に寝かせておく必要はありません。
お宮参り
お宮参りは、土地の守り神である氏神様にお参りすることで、無事に産まれたことを感謝し、健やかな成長を願う行事です。
時期は地域によっても違いますが、男の子は生後31~32日目、女の子は生後32~33日目に行われることが多いようです。
特に日にちにこだわる必要はなく、生後30日前後で母子の体調と天候が良い日に行うとよいでしょう。
暑すぎる時期や寒すぎる時期にも無理に行う必要はありません。
どこの神社で行っても大丈夫です。
大安の日に行わなければいけないという決まりもなく、仏滅の日はだめということもありません。
日程を決めるときの参考程度に考え、あまりこだわる必要はないでしょう。
参加者は、子ども、両親、両祖父母であることが一般的です。
昔は子ども、父親、父方の祖父母のみで行われていましたが、今では家族が集まる行事という意味合いが強くなっています。
祖父母が遠方に住んでいたり、体調が悪く来られない場合は、子どもと両親だけで行うこともあります。
その場合は後日写真やビデオを見せたり、どんな様子だったか教えてあげましょう。
誰を呼ぶかという決まりもないので、両家で相談して決めましょう。
子どもに着せる衣装は、着物やベビードレスが人気です。
昔は母方の祖父母が購入するものとされていましたが、現在ではレンタルする人も多くなっています。
写真館ではレンタル衣装と撮影がセットになったプランもあり、手軽で費用も安くすむため人気を集めています。
両親と祖父母の服装は、スーツやワンピースなどの少しあらたまったものにします。
着物や礼服を着る必要はありませんが、両家の服装の格やバランスは事前に合わせておきましょう。
お食い初め
生後100日目前後に、子どもが一生食べ物に困らないようにと願うお祝いです。
「百日祝い」とも呼ばれ、子どもに初めて大人と同じ食べ物を食べるまねをさせる行事です。
歯が生えて成長したことを喜ぶ意味も込められています。
昔は親戚や親しい知人なども招いて行われていましたが、最近では子ども、両親、両祖父母の家族だけで行うことが一般的です。
子どもと両親だけでも問題ありません。
お食い初めのプランがあるホテルやレストランもあり、自宅で行わない人も増えています。
宅配サービスを行っているところもあるようです。
メニューは一汁三菜が基本です。
自宅で作る場合は、赤飯、お吸い物、鯛など尾頭付きの焼き魚、香の物、煮物などを用意するといいでしょう。
食べさせるまねをするときは、長寿を願って年長の人が箸をとります。
男の子なら男性に、女の子なら女性に頼むことが多いのですが、特にこだわる必要はありません。
初節句
子どもが産まれてから初めて迎える節句のことです。
男の子なら5月5日(端午の節句)、女の子なら3月3日(桃の節句)です。
子どもの健やかな成長を願う行事です。
桃の節句にはひな人形を飾るのが一般的です。
ひな人形が子どもの代わりに災いや病気を引き受けてくれるといわれています。
他にも桃の花、白酒、ひなあられ、菱餅などを供えます。
祝い膳にはちらし寿司などを用意するといいでしょう。
2月上旬の節分が終わった頃から飾りはじめ、3月3日を過ぎたらすぐにしまいます。
ずっと出しっぱなしにしておくと、お嫁に行くのが遅れるという言い伝えがあります。
端午の節句では身を守る鎧や兜、武者人形などを飾り、子どもの成長や立身出世を願います。
ちまきや柏餅を供え、こいのぼりを外に立てます。
祝い膳に特に決まりはないので、子どもの好きなものを用意しましょう。
初誕生
子どもの満1歳の誕生日のことです。
昔は医療が発達しておらず、食糧事情もあまりよくなかったため、子どもが1歳の誕生日を美時に迎えるのは非常に難しいことでした。
そのため親戚なども招き、赤飯を炊いたり餅をついて盛大にお祝いしていました。
今ではごく身近な人たちだけでお祝いすることが多いようです。
用意する料理などに特に決まりはないので、子どもの好きな食べ物を用意します。
両祖父母が近くに住んでいる場合は、いっしょにお祝いしましょう。
遠方に住んでいる場合は後で写真を送ったり、電話で報告するのもいいかもしれません。
7歳までのお祝い行事
1歳から7歳までの間には、七五三が行われます。
男の子は5歳(地域によっては3歳も)、女の子は3歳と7歳に神社にお参りに行き、成長を願う行事です。
11月15日に行うのが一般的とされていますが、日にちにこだわる必要はありません。
仕事があって行けなかったり、神社や写真館が混んでいることも考えられるので、都合のいい日にずらしても問題ありません。
お祝いの意味は、それぞれの年齢によって異なります。
3歳は「髪置き」といいます。
子どもはそれまで男女とも髪をそっており、伸ばし始めるこの頃に行うお祝いです。
5歳は「袴着」といい、初めて男の子に袴を着させます。
無事にこの日まで成長できたことを喜ぶとともに、健やかな成長を願うための行事です。
7歳は「帯解き」と呼ばれます。
女の子は7歳が厄年であるといわれ、昔は医療も発達していなかったので、7歳まで生きるのはとても大変なことでした。
その時期を過ぎたことを喜び、その後の成長を願う行事です。
まとめ
三日祝いについて、またそのほかのお祝いの行事についても紹介しました。
1歳になるまでは本当にたくさんのお祝いの行事があります。
どれも子どもの健やかな成長を願う大切な儀式です。
儀式の形が変わっていても、子どもを思う親の気持ちは昔も今も変わりません。
行事が多く大変だとは思いますが、みんなで子どもの成長をお祝いしましょう。