恵方詣って聞いたことがありますか?お詣りというと神社仏閣に行くのはわかりますが、恵方とついているため方角が重要な意味を持っていそうですよね。
恵方も数年前までは聞いたこともありませんでしたが、最近では恵方巻が流行っているのでよく聞くようになりました。
恵方詣の由来や意味はどういったことなのか、正しいやり方についても気になるポイントです。
今回は恵方詣について、意味や由来とともに正しいやり方や恵方巻との関係性、方角などについて詳しくご紹介していきます。
恵方詣の意味や由来とは?
恵方詣はわかりやすくいうと「新年が明けたら縁起の良い方角にある神社仏閣にお詣りをすること」です。
現代では新年が明けたらまず初詣に行くという人が多いと思いますが、初詣をする神社仏閣を縁起の良い方角にある場所に定めて行くことをいいます。
恵方というのは歳徳神という神様がいる方角のことを言い、縁起が良く願い事が叶うといわれていました。
昔は吉凶を占うときに方角を重要視しており、縁起のよくない方角に住む女性はお嫁にもらったらいけないなど深く信仰されていました。
新年で最初のお詣りなので、特に縁起が良い方角の神様にお参りすることが大切だったのです。
昔は交通の便もありませんでしたし、基本的には住んでいるところからほど近く徒歩で行けるような場所に指定していたことが多かったようです。
明治時代に入ると次第に交通の便も豊かになってきて、多くの人が「もっと違う場所に初詣に行ってみたい」と思うようになりました。
恵方という縁起の良い方角に行くことよりも、自分たちの好きな場所に行く方が良いという考え方に変わってきたのです。
次第に初詣は恵方に位置する神社仏閣に行くというよりも、行きたい場所に行ってお詣りをするように変わってきました。
考え方が変わると同時に恵方詣という文化は廃れていき、初詣が主流となって現在に至るのです。
恵方詣はいつ行う?場所は?
恵方詣は現在でいうところの初詣が由来となるため、1月1日に神社仏閣でお詣りをします。
ただ初詣と異なるところは、恵方詣りの場合1月1日でなくても好きな時期にお詣りをしても大丈夫だという点です。
いつでも良いとは言っても、よりよい日柄を選んで行きたいものですよね。
人気があるのは春分の日や秋分の日、夏至や冬至など季節を感じることのできる日となっています。
恵方詣はどんな神社仏閣に行けばいいのか迷ってしまう人も多いのですが、実はあまりに近場すぎる場所はあまり適しません。
すぐ近くの場所が適さない理由は恵方にいる神様は750メートル以上離れたところにいると考えられるため、すぐ近くだと恵方の意味がなくなってしまうからです。
恵方に位置する神社仏閣ならばどこでも良いのかと言われると、実はそんなこともないのです。
イメージからだいたいの人は避けると思いますが、お寺のすぐ横にお墓がある場所はやめた方が良いでしょう。
お墓というのは不浄であり、めでたい新年に幸福を願う場所としてはふさわしくないのです。
もうひとつ注意したいのが「稲荷」と名前がつく神社です。
稲荷神社に祀られているお稲荷さんは、実は願い事をしたときに「見返り」を求めているといわれています。
恵方詣では見返りなどを期待せずに、お参りに来た人の幸福を願うという神様がいるのです。
稲荷神社では恵方詣の意味があまりなく、目的も異なるために適していないと考えられます。
恵方詣のやり方はどうやるの?
恵方詣のやり方が気になりますが、基本的にはいつも通りのお参りスタイルで問題はなく、特別なことをする必要はありません。
一般的なお参りのスタイルについて、流れやお参りのやり方をみていきましょう。
①手水をおこない心身を清める柄杓で左手から右手、右手に柄杓を持ち替えてから口を清めて最後に左手を清めて柄杓の柄を清めてから中に入るようにしてください。
②参拝のやり方
参拝の基本は恵方詣でも「二拝二拍手一拝」で、神様に感謝の気持ちを持ってお参りしましょう。
まずは姿勢を正して神様に敬意を払い、腰を直角におった深いお辞儀(拝)を2回おこないます。
胸元の前に手を合わせていきますが、この時に右手の指が少し下にくるようにずらすのがポイントです。
2回の拍手を終えたらずらした右手をきちんと合わせ直して、一度深いお辞儀をしたら終了です。
③願い事の仕方
拍手をしてから目を閉じてお願い事をするときに、ほとんどの人がいきなり「○○になれますように」などとお願いしたいことから話し始めます。
恵方詣では見返りを求めない代わりに、まずは感謝の気持ちをもってお願い事をするのが重要なのです。
目を閉じたら一呼吸置いて「おかげさまで毎日健康で暮らせています、ありがとうございます。
○○になれるよう頑張りますので、どうかよろしくお願いします」と神様への感謝を込めましょう。
④恵方詣の目的
恵方詣の目的って、願い事を叶えてもらうためでは?と考えてしまいがちですが、実は違います。
恵方詣で神様に祈るのは願い事をそっくりそのまま叶えてもらうためではなく、神様に願い事が叶うためのチャンスに恵まれるよう願う目的があるのです。
具体的な夢は叶わなくとも、今こうして元気に生活できているということが神様のおかげだと考えるようになるのが本来のお参りの目的なのですね。
恵方詣と恵方巻の関係とは?
恵方詣のことはよく知らなくても、恵方巻なら毎年食べているという人も多いのではないでしょうか。
恵方巻は現代でも流行している、節分に食べる長い手巻き寿司のことをいいます。
節分といえば豆まきをする2月3日を思い浮かべる人も多いと思いますが、実は節分は一年に4回もあるのです。
節分という文字の通り季節を分ける時期のことをいうので「立春」「立夏」「立秋」「立冬」の4回恵方巻を食べることができます。
世間一般では2月3日の立春である節分に大々的に恵方巻を売り出しますが、実はひっそりと他の節分の日にも販売しているんですよ。
恵方詣は歳徳神のいる恵方にある神社仏閣に行って幸せを願うことですが、恵方巻は節分に恵方を向いて食べることで幸せや無病息災を願うというものです。
直接的な関連はないものの、恵方にいる歳徳神に幸せを願う点では同じですね。
恵方巻の作法について、おさらいしておきましょう。
①その年の恵方に向く恵方巻なので、その年の恵方を向いて食べなければ単なる長い太巻きになってしまいます。
恵方を確認して、スマホのコンパス機能などを使って方角を確認しましょう。
②食べている最中は無言食事は楽しくおしゃべりしながらおこないたいところですが、恵方巻の場合は食べているときに喋ると口から幸せが逃げてしまうといわれています。
全部食べ終わるまでは、無言を貫きましょう。
③一気に食べきる黙って食べ進めていると、途中でお茶を飲みたくなりますよね。
恵方巻は一度かぶりついたら、口から離してはいけません。
幸せが逃げてしまうので、喉につまらせないように一気に食べてくださいね。
自信がない人は小さめのサイズに作っておくと良いでしょう。
④包丁で切らない一気に一本食べきる自信がないから、最初に短く切っておこうと考えることも多いと思います。
恵方巻自体が縁起物なので「切る」ことを連想させる刃物を当てるのは、基本的に避けましょう。
恵方は毎年方角が変わる!
恵方が毎年同じ方角だったら、そもそも恵方詣も恵方巻も存在しなかったかもしれないですね。
恵方というのは歳徳神という女神さまがいる方角のことなのですが、毎年4種類の方角に移動するのが特徴です。
4種類の方角と十干を組み合わせて歳徳神のいる恵方が決定されるのですが、難しく考えるよりも西暦の下一桁の数字から覚えた方が早いでしょう。
・西暦の下一桁が0と・・・西南西の方角
・西暦の下一桁が1と3と6と・・・南南東の方角
・西暦の下一桁が2と7・・・北北西の方角
・西暦の下一桁が4と9・・・東北東の方角西暦から恵方を覚えておけば、来年や再来年の恵方がどこなのかをすぐに把握できますね。
恵方詣に行きたいけど良い神社仏閣がない時は?
恵方詣は恵方の方角に位置する神社仏閣へと行くのが良いのですが、必ずしも恵方に神社仏閣があるとは限らないですよね。
恵方にあったと思ったら、稲荷神社だった…ということもあります。
恵方詣に行きたいけど良い神社仏閣がない場合は、まず近くの神社仏閣に足を運んでください。
到着したら、あらためて今いる位置からの恵方に神社仏閣がないか探してみましょう。
もし恵方の方角にあれば、恵方詣は次の目的地でおこなっていくのがおすすめです。
「方違い」という方法で、神社仏閣が凶の方角だったときなどにも活用できます。
まとめ
恵方詣について、意味や由来とともに正しいやり方や恵方巻との関係性、2019年の方角などを詳しくご紹介してきました。
恵方詣は新年が明けて恵方に位置する神社仏閣に足を運び、神様に一年の幸福を願う意味があります。
歳徳神という女神さまが毎年異なる方角にいるため、昔から吉凶占いなどでもおこなわれてきた由来があるのです。
通常の初詣と同じように参拝しますが、家からある程度離れた場所の恵方にある神社仏閣を探す必要があります。
現在多くの人に食べられている恵方巻も直接の関係はないものの、同じように恵方を向いておこなう共通点があるのですね。
毎年同じ神社仏閣に行くのも良いですが、たまには恵方を気にして恵方詣をしてみるのも良いですね。