日々学業やお仕事に専念される中で、週末や休日は大切な休息日となりますね。さらに大抵の月には祝日もありますから、その分さらに予定を入れたり羽を伸ばしたりできますし、祝日を楽しみにお仕事を頑張る方も多いかと思います。
みなさんの休息日の内、3月にある祝日といえば「春分の日」です。お休みできる日とは認識していても、祝日である理由をご存知の方は実は少ないのではないでしょうか。今回はそんな「春分の日」が制定されている意味や風習などについて、詳しくお話してまいります。
春分の日は毎年変わる?決め方は?
例えば2月3日は節分、というように「毎年この日」と定められている日もありますよね。しかし春分の日はその年によって日付が変わるタイプの祝日であり、さらに厳密に定められる必要がある日です。一体どんな秘密が隠されているのでしょうか。
●昼と夜の長さが同じ!
実は春分の日は、日の出ている時間と夜の時間が同じである必要があります。その条件が揃う日を春分の日と定めるため、毎年日付が異なってくるんですね。目安では、毎年3月20日頃が春分の日とされます。
カレンダーに記載される「大安」などは旧暦と照らし合わせて決めているようですが、毎年変わる春分の日はどのように設定されているのか、次で確認していきましょう。
●天文学的に定められている!?
春分の日以外にも毎年日付がズレる日があります(例:冬至など)が、どのように決められているのか気になりますよね。実は地球の運動や閏年がある関係で、毎年国立天文台の観測を元に設定されているんですよ。
日中と夜の長さが同じになるためには、太陽が移動する道である「黄道」と、地球の赤道の延長線が丁度交わる日にする必要があり、正確な計算が必要不可欠なんです。ちなみにこの黄道と赤道が交わる点は一年で二回あり、春先に交わる点を「春分点」、秋ごろに交わる点を「秋分点」とよんでいます。
毎年の祝日の設定に天体観測が欠かせないものであったなんて、驚きですよね。
実は春分の日にはこんな意味があった!
春分の日は日中と夜の長さが同じとなる、と先ほどお話しましたね。現在でこそ天文台などで正確に観測可能なことですが、先人たちはどうやってか「この日は昼夜の時間が同じだ!」と分かっていたようで、古くから春分の日は特別な日と捉えられていたそうです。古くはどういった意味のある日であったかについてもみておきましょう。
●二十四節季の内の一つ
昔の日本では、二十四節季という季節感が一般的でした。春夏秋冬をさらに細分化したものと捉えると分かりやすいですが、日々微妙に変化している季節の移ろいを定義したものです。その中の一つに「春分」があります。
中国で使用されていた暦ですが、江戸時代に日本でも定着していたそうです。それほど古くから春分の日が特別であると考えられてきたという証拠ですね。
●自然の偉大さを称える日
いつもとは違い、昼夜のバランスがとれた日ということで、昔の人々にとってはスピリチュアルな日であると考えられていたようです。この日には生気が満ち溢れ、自然の尊さを称えるための日であったそうですよ。
近代でも、特別な日であることから、戦前までは天皇を称える日とされていました。他にも変わりどころでは、生気が溢れる日ということからマラソン大会が開かれたこともあるそうです。
歴史でみても起源が分からないほど古くから、特別な一日であると考えられてきたことは変わらないようですね。
現在でもみられる風習はある?
さて、春分の日についての成り立ちや捉え方をみてきましたが、現在でも祝日に設定されるような理由は特に見当たらなかったのではないでしょうか。しかし春分の日が祝日とされるのにはしっかり理由があります。春分の日はこんな習慣があったということをご存知でしたでしょうか?
●春分の日にお墓参り
そう、春分の日にはお墓参りをするという風習があり、それゆえ現在も祝日とされているのです。お盆休みが会社ごとに設けられているのと似ていますね。
何故お墓参りをするのかといいますと、春分の日は「あの世に一番近づく日」とも考えられていたためです。春分の日は真西に太陽が沈むのですが、あの世は西の方角にあると考えられていたことに由来します。あの世にいるご先祖様との距離が一番近い日にご挨拶しよう、ということですね。
お墓参りをする風習があることから、春分の日は別名「春のお彼岸」ともいわれています。
春分の日にいただく食べ物って?
「春分の日にはこれ!」という食べ物があることをご存知でしょうか?実は和菓子の「ぼた餅」は春分の日に食べられていたものなんですよ。では何故ぼた餅なのかについて、こちらでみておきましょう。
●お墓参りのお供え物の定番だった!
春分の日にはお墓参りをする風習があったとご紹介しましたが、これはぼた餅を食べる習慣と深い関係があります。ぼた餅に欠かせない食材である小豆は、邪気を払う性質があると考えられてきました。小豆の色は朱色系統であり、朱色には魔除け効果があると考えられていたことに由来します。神社でも建造物が赤いのはこのためなんですね。
お供え物には、美味しい上に邪気を払う効果があるぼた餅は最適であったといえます。
●ぼた餅とおはぎ、同じものだけれど…?
春分の日にはぼた餅、ということはお分かりいただけたと思いますが、「ぼた餅」と聞いて、「おはぎとは違うの?」と疑問に思われた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
実はぼた餅とおはぎは、普段いただく和菓子の名称としては同じものを指します。こし餡と粒餡の違い、と捉えられることもあるそうですが、厳密には決まっていないそうです。
では何故名前に差があるのかといいますと、ここで春分の日と秋分の日が関係してきます。春先のお彼岸である春分の日にお供えするものは、この時期に咲く牡丹の名前をとって「牡丹(ぼた)餅」。秋分の日の頃に咲く萩の名前をとって、秋は「御萩(おはぎ)」とされているんです。
ぼた餅もおはぎも同じお菓子を指しますが、お供えするシーズンごとに名前を変えてよぶ、珍しい和菓子だったのですね。
運気が上がる?何かをするのにピッタリな春分の日!
現代ではご先祖様のお墓が家の裏手にある、というお宅は少ないでしょうし、無理をしてぼた餅をお供えしに行く必要はありません。しかし春分の日は一年の内でも特別な日ですし祝日でもありますから、せっかくならば有意義に過ごしたいものですよね。
そこでお墓参り以外にできる、春分の日の有意義な過ごし方についていくつかご紹介いたしますよ。
●春分の日には断捨離も◎
日中と夜の時間が同じということは、明るいうちに普段中々できない整理整頓を集中して行い、その後ゆっくり休むこともできますね。そこで、お家中の不要なものを断捨離していくというのはいかがでしょう。新しいスタートをきる4月に入る直前である春分の日は、やり残しや不要なものを捨て去るのに丁度いい機会といえます。
お仕事や学業がお休みである内にお部屋に溜まったものを綺麗にして、新しい季節を迎えたいものですね。
●目標を考えるベストタイミング
新生活のスタートとなる4月直前、新しい環境が目前になったからこそ見えてくることもあるかと思います。新年早々だとまだ実感がなく目標も立てづらいでしょうから、むしろ新生活目前のお休みである春分の日を利用して一年の目標を考えるのも良い手ではないでしょうか。
春の温かさも徐々に感じる頃ですから、きっと良いアイディアも浮かんできますよ。何かを始める前には大まかに目標があると行動しやすいものですから、春分の日に新たな目標設定を行うのも実になる過ごし方といえますよ。
まとめ
春分の日について、設定のされ方や意味、風習などについて幅広くお話してまいりましたね。現在は天文学的に考えられ設定されていますが、昔から特別な日と考えられていたことや、実はお墓参りをする習慣があったこともお分かりいただけたかと思います。3月20日頃にある休日、と何となく捉えられていた春分の日ですが、実は深い背景がある日だったのです。
今年の春分の日はぜひ、お墓参りやご紹介したような有意義な一日の過ごし方をしてみてくださいね。
View this post on Instagram. 今日は二十四節気の4番目、”春分” です。🌱 太陽が真東から昇り真西へと沈み、昼夜の長さがほぼ同じになる日。🌿 * 季節の生菓子は笹屋伊織の “宴” です。 桜の形が上品で可愛らしくて素敵です。🌸✨中身は白餡で、美味しくいただきました。😊 * #二十四節気 #春分 #京都 #笹屋伊織 #宴 #桜 #さくら #お花 #生菓子 #上生菓子 #和菓子 #京都スイーツ #スイーツ #美しい #美味しい #幸せ #vernalequinox #kyoto #sasayaiori #wagashi #kyotosweets #japanesesweets #sakura #cherryblossom #flowers #beautiful #happiness #instafood
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