誰しもが、突然の訃報に心を痛めることでしょう。
そのような時、あらかじめマナーを知っておくと、慌てることもなく、故人への追悼の念を深めれます。
いざという時に知っておくと心強い弔事でのマナー、弔電を打つ際に気をつけるポイントまで、ご説明していきます。
弔事と法事の違いとは?
弔事は通夜や告別式、火葬といった葬式のお悔やみごと全てのことをいいます。
通夜は告別式の前夜に行われ、告別式は出棺の前に行われる儀式のことで、火葬とは遺体を炉に入れて焼いて遺骨を骨壺に入れる一連の流れのことで、これら全てを弔事と呼びます。
弔事と間違えやすい法事というものがあります。
法事は故人の死後に一定の周期で行われる死後の供養になり、周期によって内容や規模も変わってくるのです。
例えば四十九日法要は、重要な法要の一つで遺族や親戚、故人の知人や友人も招いて行われるので規模も大きく、お墓への納骨も行われることがあります。
また葬式は喪服になりますが、法事は三回忌以降、グレーや濃紺のスーツといった服装でも良いとされているので、服装の違いについても覚えておくといざという時何を着ていけばいいかと困ることはありません。
法事は死後行いますが、葬式は故人との最後のお別れなので、葬式と法事が重なった場合は弔事を優先しましょう。
法事は一回の周期に参加できなくても他の周期の時に参加できますが、葬式はその機会が二度と訪れません。
病気などの止むを得ない理由で法事に参加できず欠席する場合は、なるべく早めに電話で連絡して、欠席する場合には香典やお供え物を用意するようにします。
知らない人も多い弔電の送り方
通夜や告別式に参加できない時に、喪主や親戚に対して弔意を表す電報を弔電といい、遅くても告別式には間に合うように手配することが重要です。
電話で打つ場合にはNTT115番に電話しますが、受付時間が午前8時から午後10時となっているので気を付けましょう。
また、料金は台紙の種類や文字数によって異なりますが、1500円から5000円が一般的な費用になります。
文章はNTTの文例もありますが、予め文章を考えておき、送り先は通夜や告別式が行われる斎場や式場宛になるので送り先の住所と名前も確認しておきます。
『重ね重ね』といった同じ言葉を繰り返す言葉や『四』『九』といった死を連想させるような言葉を避けるようにすることです。
また、『天国』もキリスト教などで使用される言葉で、仏道や神道には使用しない方が良いでしょう。
日本の葬儀の8割は仏教葬儀なので、宗教色のない形に変えることも意識し、葬儀や告別式で披露される時に言葉が不適切で省略されることのないように気を付けて打つようにすることが大切です。
電話だけでなくインターネットでの申し込みも可能で、こちらだと24時間受付可能なので忙しくて電話受付の時間に電話をかけられない方にも安心です。
インターネットだと一度打った電報や、住所、宛先などを確認できるので口頭でオペレーターに伝えるよりも間違えにくいというメリットもあります。
また、郵便局から送るという方法もあります。
レタックス電報といい、手書きで送れて、文字数に関係なく580円や900円といったリーズナブルな価格になっています。
NTTやレタックス以外にも、KDDIやALSOKなどの企業も電報サービスを行っているので、ネットで調べてみて自分に合ったところを利用すると良いでしょう。
原則として通夜や告別式に参列できない方が送るもので、送ってくださった方に改めて御礼をしましょう。
御礼には便箋を使用して感謝の気持ちを述べた文章にします。
知らないと恥ずかしい弔事のマナーについて
突然の訃報の際にも慌てることのないよう弔事のマナーを知っておきましょう。
通夜はあらかじめ準備していたと思われないように、あえて半喪服で行き、訃報から通夜までに日にちがある場合には略式の喪服で行きましょう。
告別式には男性は黒や濃紺といったダーク系のスーツに黒ネクタイ、女性は黒のスーツかツーピースを着用すると無難です。
香典を入れる際の、不祝儀袋には浄土真宗には『御霊前』を使わず、『御香典』と書くというきまりがありますが、相手の宗教が分からない場合には『御霊前』と書くのが無難とされています。
不祝儀袋は袱紗に包んで持って行きますが、包み方は慶事と弔事では逆になるので、注意が必要です。
袱紗には、様々な色や柄のものがありますが、紫を選んでおくと慶事、弔事のどちらにも使用できるので便利です。
通夜が終わると、弔問客に対してのお礼とお清めの為に軽食やお酒がふるまわれる通夜ぶるまいの席がもうけられることが多いですが、その際に食事に口を付けなかったり、喪家から勧められたお酒をお断りするのは避けるようにしましょう。
また、通夜は遅れて行っても問題ありませんが、葬儀と告別式は時間に遅れないように参列することが大切なので、斎場や葬儀場の場所を事前にきちんと確認して、時間に余裕を持って受付を済ましておくようにしましょう。
数珠は必ず持って行かなければならないものと思いがちですが、持っていなくても問題にはなりません。
ただし、仕事関係などで持っていないと恥ずかしい思いをすることもあるので、一つは持っておくと安心です。
焼香が終わった後にすぐに帰らず、最後に出棺があり、故人とお別れするのはこれが最後になるので出棺まで見送るようにします。
棺は親族によって霊柩車に乗せられるので黙祷や合掌をして個人を見送りましょう。
弔電を打つ時に注意するべきポイント
通夜や葬儀に出席できない時に、弔電を打つ際にも注意しなければならない点があります。
葬儀や告別式の前までに打つようにして、その際には葬儀が自宅で行われる場合には喪家に、斎場で行われる場合にはその斎場気付にしなくてはいけないので場所を間違えることのないよう確認しておきましょう。
宛名や宛先は喪主あてにするのですが、喪主の名前が分からない場合は故人のフルネームを書いて、その後に『ご遺族様、遺族ご一同様』とするのも良いです。
お悔み用の台紙にはシンプルな無地のものから刺繍や生花が付いているものもあり、NTTの台紙の場合にはブリザードフラワーも台紙の扱いとなります。
葬儀屋告別式で読み上げられるものなので、文末には差出人の名前を忘れずに入れるようにしましょう。
また、沢山届いた場合には五通ぐらいを目安に名前だけ読み上げられることもあります。
弔電には使わない方がいい言葉や文があり、例えば『重ね重ね』『またまた』『たびたび』といった不幸が重なることを連想させるような言葉や、『九、苦しむ、迷う』といった亡くなった方の不幸を思わせる言葉は避けましょう。
『成仏』や『冥福』といった言葉はキリスト教では使用しませんが、『安らかにお眠りください。』や『慎んで哀悼の意を表します。』といった文はキリスト教でも使えます。
また頂いた相手には必ずお礼状を出すようにしましょう。
お礼状は頂いてから、二週間から遅くても一カ月以内には出すようにします。
弔事や弔電でやってはいけないNG集
訃報の知らせを受けて深夜に駆けつけることは、親しい方であっても絶対にしないようにして、家族を亡くした悲しみに暮れているご遺族に電話をかけてお悔みを述べることも非礼に当たるのでやめましょう。
葬儀を控えた喪家は忙しく、ご遺族も疲れているので喪家へ長居せず、お悔みの言葉を述べたら早々に引き上げるようにします。
また、故人と会わせてほしい自らお願いするのも配慮にかけるので、遺族からの勧めがあった場合だけ故人と対面するようにしましょう。
参列時には、遅刻をしないようにして万が一遅れてしまった場合にはお詫びを述べてからご焼香させてもらうようにします。
結婚式には新札を包みますが、葬儀には死を事前に予期して準備していたと思われてしまうので、香典に新札を入れるのは避けるようにしましょう。
新札の場合には折り目を付けて包むと良いでしょう。
親しい間柄でない限り、葬儀では遺族に挨拶することや長話もしないようにして、お悔みの言葉を手短に述べる程度にとどめましょう。
また、亡くなられた経緯を聞くのも非礼にあたるので避け、葬儀で知り合いを見つけて仕事の話や近況の話をすることもやめておきましょう。
弔事・弔電のマナーはあらかじめ心得ておくことが大切(まとめ)
訃報はいつ訪れるか分からないものです。
喪服や袱紗など身に付けるものは事前に用意しておくことができるものはあらかじめ用意しておきましょう。
大人になって弔事・弔電のマナーを知らないと恥ずかしい思いをすることがあるのでぜひこちらで紹介した記事を参考にしてみてください。