この時期は日が暮れるのが本当に早いですよね。夕方になると、もう外は真っ暗!加えて寒さも厳しくなってきました。
少し前までは、保育園のあと(16時くらいから)も少しだけ散歩や公園遊びをしていましたが…今は日暮れに急かされるように帰ってきてしまいます。
しかし日本は春夏秋冬という恵まれた気候をもつ国です。せっかくだったら「今」しか見ることのできない冬の景色も子供には見て感じてもらうことも必要ですよね。
同時に「冬」があるからこそ、「春」がくる。この季節の移り変わりや自然のパワーも知ってもらえるような方法を考えてみました。
乃東生(なつかれくさしょうず)
この候は、草木のほとんどが枯れていきます。春は綺麗なピンクの花を咲かせていた桜の木も、今では花も葉も落ちてしまい枯れ木になってしまいました。
あんなに色鮮やかで、木の下には大勢の人が集まり賑わっていたのに…同じ風景とは思えないくらい色味はなくなり、人もいない風景に変わります。
乃東生は冬のどこか寂し気な景色を伝えているような候ですね。しかし「夏に枯れるウツボ草の芽が出る頃」でもあります。
「枯れていくもの」がある一方で「生まれるもの」もあるということです。自然はそのサイクルで成り立っているということが感じられます。
どうしたら子供が冬の景色を意識できる?
どうしたら子供に「冬の景色」「自然のパワー」「季節の移り変わり」「春夏秋冬」を感じてもらえるかと考えてみました。これを説明するとなると難しいもの…。
そこで子供にもわかりやすいように、シンプルに「春の景色」と「冬の景色」を比較するという方法を試すことにしました。息子は4歳なので、目から入る印象がダイレクトに伝わりますからね。娘に関しては1歳なので、それこそ色彩が大事です。
言葉で長々説明したところで「ポカーン」としてしまうので、目で季節を感じてもらうのが一番でしょう。
写真を撮って比較する
目で見ると言っても、どこかの画像を拾ってきても意味がないと思います。おそらく興味がもてないんですよね。うちの息子は、どんなに綺麗な海外の写真であっても完全スルーです。それよりも歩いていて見つける小さな花の方がよっぽど感動します。
子供が興味をもつのは「自分の関わること」です。どんな子供も自分の世界でしか生きていないので、その世界の中での景色を見せるようにするのが良いんです。
そこで、まず春にお花見したときの写真を出してきました。驚いたのは…桜の木よりも子供たち二人の成長!(半年前だと思えない…)
娘は1歳になっていなかったので、まだ顔もぷくぷく。髪の毛も少し生えている程度でした。まだ歩くこともできずに、ただ木の近くに座らされているような状態です。
息子は3歳のときなので、見た目に大きな変化はありません。でも今見ると、どこかあどけない印象を受けます。
桜の花びらが散り、葉となり、その葉が枯れ落ちる。
この経過とともに、子供はたくさん成長していました。
「まだ小さかったね~」
「お弁当美味しかったね~」
「桜綺麗だったよね~」
そんなことを話しながら写真を見ていました。
同じ場所で写真を撮影
さて翌日。さっそく同じ場所に行って写真撮影をしました。昨日見た写真の場所が、今は枯れ果てた木になっているわけです。毎日通る道なのに、今まではその変化に気をとめることはありませんでした。(わたしもですが…)
でも昨日同じ場所の春の景色を見たことで、その変化を感じてくれたようです。「あれ?桜ないじゃん!」と驚いていました。さっきも言いましたが毎日通る道ですよ~。桜はもう半年以上前になくなってますよ~…。
でも意識しないと、子供なんてこんなものですよね。半年たってやっと桜が枯れ木になったことに気がついたようです。意識させることが重要ということですね。これはわたしが半年間さぼっていた証拠です。
とりあえず息子が写真を撮るというので、娘を座らせて撮影しました。冬感がよく出ている感じがします。
春と冬の景色を比較する
家に帰って今度は春と冬の写真を比較してみました。すると4歳の子供の「なぜなぜ?」が湧き出てきて、その思考や発想がとても面白かったです。
「お花はないけど木の形は同じなの?」
「なんで葉がなくなるの?」
「誰も水をあげないから枯れたんじゃない?」
この質問攻撃は2歳から続いているのですが…今まで曖昧に答えていたことも誤魔化せない年齢になってきました。
「そういう仕組みなんだよ」と逃げていたことも、「どういう仕組み?」と追及されます。もう必死に調べて正解を伝えなくては納得してくれません。(最初からそうするべきですね…)
自然の原理について調べて伝える
ここから息子の質問を息子に伝えたように紹介しますね。
葉っぱはね、木に大切な栄養をつくる仕事があるんだよ。土の中から吸い上げた水と空気を使って、栄養を作る工場みたいなところなの。
でね、この工場でうまく栄養を作るには太陽が必要なの。長い時間太陽があると、上手に栄養が作れるんだよ。
でも今の季節は、すぐに暗くなっちゃうよね。太陽が出ている時間が少なくて、工場もお休みしなくちゃならないの。そうすると葉っぱの仕事がなくなって、そのまま寿命がきて木から落ちるんだよ。
どんなにお世話をしてお水をあげても、必ず仕事を終えるときがきてしまうから、木の葉は落ちてしまうんだよ。
この話で息子がどこまで理解できたかはわかりません。それでも一生懸命聞いて「なるほどね~」と頷いていました。
理解できたかどうかよりも、そういうサイクルがくることを覚えてもらえたらいいかな。また5歳になったとき、同じ話をしてみようと思います。
春への期待につなげる
ここで最後に次の季節に思いをはせてみました。子供に春夏秋冬の良さなんてわからないという人もいるかもしれません。もちろん四季のありがたみを知るのは大人になってからですよね。
でも「温かくなって、綺麗なピンク色の桜が咲いたら、また皆でお弁当を食べようね」と話せば、ちょっと楽しみになりますよね。
冬がきても、また春がくるという認識につながっていくと思います。それだけで子供はワクワクしてくれるんです。
毎日通る桜の木のことも、興味と意識がわくようになりました。今までスルーしていた木の変化を気にするようになる。これで十分だと思います。
次回の候は?
次回の七十二候は12/26~12/30「麋角解」です。いよいよ今年最後の候となりました。また子供と一緒に楽しめることを伝えていきたいと思います。