打敷(うちしき)とは仏教の法要時にとても重要な装飾品とされており、宗派により違うデザインなのが特徴。
また季節や宗派により柄も違うので、飾り方も知りたいところです。そこでこちらでは打敷が始まった理由や、飾り方までご説明します。
概要
打敷とは仏壇を飾る為の荘厳具の1つであり、法要などで使われることが多いものです。
呼び方は様々で「内布」や「内敷」などと呼ぶこともあります。
一般的に日常で仏壇を拝む際には使いませんが、法要などの特別な時に敷く飾り物です。
同じように見えて寸法にも違いがあるので、知識を得てから利用する必要があります。
また季節や宗派で形やデザインも変わるため、法要時に自分たちの宗派を知ることも重要となります。
打敷の価格は素材で変わることが多く、予算のめどをしっかり付けて選びにいくのがおすすめです。
打敷の文化が始まった理由
打敷という文化が始まったのは、釈迦のいた時代です。
もともと仏教は釈迦が教祖ですので、仏教が始まった時にはすでに敷物の文化が作られていたといことになります。
打敷とは仏壇に飾る布のことをいいますが、この起源は釈迦が座っていた高座にあります。
仏教では高座という高い台に僧侶が上がり、葬儀などを執り行います。
この文化は仏教が始まってすぐに確立した文化であったといえます。
ただ高座といっても、当然釈迦がいた時代には現代のような立派な高座が用意されるわけではありません。
そこで内敷が敷かれた、という理由もあります。
他にも自分たちの衣類を釈迦の座る場所に敷くことで、尊敬の念を表現したと言われています。
釈迦の弟子たちが釈迦のために自分たちの衣服を切り、布として釈迦の座る高座に敷いたのです。
現在でも打敷を敷くことは、敬意の表れとされています。
これが打敷の文化の始まりです。
打敷のサイズについて解説
打敷にはサイズがあります。
サイズの種類は「名古屋寸法」と「京寸法」があるので、知っておくと便利です。
同じサイズの打敷でも京寸法が小さめであるのに対し、名古屋寸法は大きめです。
大き目の名古屋サイズは、そのまま大きい仏壇に飾ることが多いです。
とはいっても、京サイズも「大きめの仏壇用」はありますので、目的により大きさで選ぶことがおすすめです。
打敷を選ぶ時の共通サイズ表記は「代」です。
「50代はいくら」、という風に価格を決めています。
通常は30代・50代のものが多いですが、100代などという巨大な打敷も存在します。
打敷の敷き方解説
打敷は前卓、または上卓に敷くものであることが一般的です。
敷き方を簡単に解説していきます。
- 卓の荷物をどかし、敷く準備
- 卓の上にある板をどかす
- 打敷は下水板に挟み込む
- しっかり張る
これだけの作業となりますが、打敷があるだけで尊敬の念を表現できます。
また法要時にはどの宗派でも敷く打敷は、仏壇を飾るということで人間の顔を飾る「化粧」の役割を果たすのです。
最後の「しっかり張る」という項目通り、打敷はしっかり張ることが重要です。
打敷は「打って敷く」という言葉が、起源であることがわかります。
つまり仏壇の下水板の上に布を強く叩いてしっかり張ることで、ピンとした打敷を完成させ飾り付けるということなのです。
季節により違う内敷とは
仏壇を飾る為の打敷は、季節により違うとされています。
・6月~9月(お彼岸まで)
比較的薄い生地質で正絹制で、見るだけで涼しげな柄が特徴です。
・9月~5月まで
夏物よりも厚い生地感で、刺繍などが入っています。
比較的冬物の方が、デザインが多いのがポイントです。
このように季節ごとに分かれてはいるものの、実際には夏用・冬用を厳密に分ける必要はないとされています。
宗派や地域により違う打敷の形やデザイン
打敷はデザインや生地感が違いますが、宗派や地域で違います。
また価格ですが織物や刺繍などにより千円から5万円を超えるものまであるので、予算や見ためで決めるのがおすすめです。
ただ現代では「絶対のルール」ではなく、あくまで参考程度です。
地域や宗派が原因で選ぶものに困ったら、みて下さい。
三角打敷
逆三角形をしている内敷で、宗派により特に好まれるものが違います。
・本願寺派(織物)
・大谷派(刺繍)
四角打敷
基本的に浄土真宗以外は、四角の打敷を使います。