受戒という言葉を聞いても、身近に感じない方も多いはずです。
受戒とは「戒律を受ける」という言葉を意味し、簡単にいうと仏教の教えを守りますという約束をすることを指します。
日本では日常生活の中で仏教の影響を色濃く受けている事がらが多いものの、日々の生活に当たり前に取り入れている方は少ないのです。
そこでこちらでは、仏教における受戒についてご紹介していきます。
概要
受戒とは、仏教の戒律を守るという行為のことを指します。
日常の中に仏教が入り込んでいない方にとって、仏教の戒律を守ることと言われてもピンと来ない方が多数です。
また受戒ときくと、死後の法要で授かる戒名と同じ「死後」のイメージを持っている方もいるはずです。
確かに現代では仏教を信仰している方が少なく、生前に受戒をする方はそういないのです。
もともと受戒とは仏教徒になり、仏門の教えを乞うて守っていくという意味がありますので、死後ではなく生前に希望することが本来の姿なのです。
生前に戒名を授かる受受戒の歴史とは
戒名とは位牌に書いてある長い名前のことだと思っている方もいますが、実は2文字のみの名前を指します。
受戒し仏の弟子となった証拠に授かる、仏門の名前が戒名です。
戒名の始まりは室町時代ともいわれ、葬儀の際に授けられたのがきっかけだったのです。
戒名を授かるためには、受受戒の儀式に参加しなくてはいけません。
本来は生前に受受戒をして戒名を授かっておくのが理想的ですが、現代では宗教色が薄くなっていますので、死後に戒名を授けられているという仕組みです。
つまり戒名は葬儀のための僧侶からもらう名前ではなく、「仏の弟子になりました」という意味合いを持っています。
そのため菩提寺がある方は自分の家の宗派の戒名を授かるのが一般的であり、どの宗派からでも授かることができるというものでもないのです。
受戒の種類について「出家」をキーワードに解説
一口に受戒といっても、実は種類があります。
出家をするか、しないかです。
出家をするということは、仏門に入る事を意味するので僧侶になることを指します。
対して出家をしないということは、ただ仏の弟子になることを指します。
この違いは大きく、その後守るべき戒律が変わってきます。こちらで両方の戒律についてまとめていきます。
出家する場合
当然僧侶になる場合の方が、当然戒律は厳しいです。
男性だと250もの戒律、女性が348もの戒律を守ります。
出家しない場合
僧侶になる者に対して、出家をしない場合は5種類のみの戒律を守る必要があります。
以下の通りです。
- 殺さない
- 嘘をつかない
- みだらな行為はしない
- 酒を飲まない
- 盗まない
受受戒の儀式についてのまとめ
受受戒には儀式に参加する必要があり、その儀式が終わると晴れて仏の弟子として認められます。
受受戒の儀式の際には結界と呼ばれるものがはられ、聖なる場所の中で行われます。
受受戒の儀式では、今後仏教の戒律を守り抜くという強い意思を表現していきます。
その場で今までの自分の行為を思い返して懺悔をすることからはじめ、自分の身を清めます。
そして「三宝」に帰依することが求められるのです。三宝とは仏様・法・僧侶の3つのことを指します。
受戒で授かる戒名は宗派により違う事実
生前、または死後に授かる戒名は、宗派により違うものを与えられます。
これはそれぞれの宗派で戒律となっているものが違う、ということがあげられます。
- 浄土宗…誉号（よごう）五重相伝を受けている証拠という意味
- 曹洞宗・臨済宗…新帰元（しんきげん）戒名とは別物ですが、故人がもとへ帰ることを表現しています。
- 浄土真宗…浄土真宗は受戒しなくても弟子になれるとの発想から、戒名が無いのが特徴でうす。また法名と呼びます。
- 日蓮宗…日蓮の「日」が入る戒名が多いのが代表的です。
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