日本では、お祝い事や不幸があったときなど様々な場面で水引きを使用します。
結婚式や快気祝いなどのお祝い事でよく目にするものが「あわじ結び」の水引きです。
あわじ結びのことを「あわび結び」と呼ぶ方もいますが、あわび結びと呼ばれる、なるほどと納得のできる言葉の由来が存在しています。
こちらの記事では、「あわじ結び」の言葉の由来や意味、使い方などについてご説明します。
概要
慶弔で使用するご祝儀袋には水引きがついております。
水引きの種類は主に「あわじ結び」「蝶結び」「結び切り」「梅結び」などです。
水引きにはそれぞれの結び方にあった意味が込められており、結婚式、お葬式、快気祝いなどに相応したご祝儀袋を選ぶことが大切なマナーです。
水引きのひとつに「あわじ結び」とありますが、人によっては「あわじ結び」とは呼ばず「あわび結び」と呼ぶこともあります。
「あわじ結び」と言われる語源や使い方など、はっきりと知らないままに、ただなんとなく使っている人も多いのが現実です。
「あわじ結び」の語源
「あわじ結び」は「淡路島」の「淡路(あわじ)」を使った用語です。
徳島県と兵庫県あわじ市の間には鳴門海峡があり、鳴門海峡では時に直径30mもの渦潮が発生することが有名で、世界の渦潮の中でも最大級の渦潮だと言われます。
鳴門海峡で見ることができる渦潮の形をモチーフにして「あわじ結び」の形が作成されたそうで、鳴門海峡で発生する渦潮を眺めることのできる淡路島の地名を使って「あわじ結び」と言われるようになったのが語源です。
一説には「あわび結び」の形が、あわび貝に似ているということで別名「あわび結び」と呼ばれています。
「あわび結び」と呼ばれるようになったのは、「あわじ結び」の結び目の部分をみるとあわびに似ているため、あわびをイメージして作られたと言われています。
「あわじ結び」を解説
水引きには結び方が主に3種類あり「結ぶ・編む・巻く」が一般的で、「あわじ結び」「あわび結び」は、結びきりといわれる結びの一種です。
何回もあるものでない一度きりのお祝いのときに使う水引きが「あわじ結び」となります。
「あわび結び」は、特に結婚式などのできれば一度だけのお祝いであってほしいお祝いをするときに使います。
結婚式のほかにも、病気やケガなどで二度と体調を崩してほしくない意味合いを兼ねて、お見舞いや快気祝いにも使われます。
「あわじ結び」を作ってみるとわかりますが、水引きの紐の両端を持ち結んだものを引っ張ると、糸は更に固く結ばれます。
糸が固く結ばれるように、水引きでも固く結ばれることを表しているのです。
「いつまでも途切れることなく末永いお付き合いをしてください。」という意味の込められた水引きが「あわじ結び」となります。
「あわじ結び」の使い方
ご祝儀袋を買いに出かけたときに「あわじ結び」のご祝儀袋をみかけますが、実際にはどういったときに使うのかよくわからないといった人も多いのではないでしょうか。
水引きにはそれぞれ、使う用途にあった意味が込められているので、用途にきちんとあったものを選ぶことが大切です。
一般的に水引きで「あわじ結び」を使用するときは、一度きりのお祝いのときに使うのがよいとされます。
結婚祝いや快気祝い、就職祝いやお見舞いなどはできれば何回もあってほしくないことなので、「あわじ結び」を用いることが多くなります。
一方で、何度あっても良いお祝いには使用しないとされており、入学祝いや卒業祝い、出産祝いに新築祝い、開店祝い、お歳暮、お中元、お年賀などでは「あわじ結び」を使うことはあまりありません。
「あわじ結び」のなかでも、ゴムつきの「飾りあわじ」と呼ばれるものだけは全てのお祝い事に使っても構わないとなっており、一度きりのお祝いでも、何度あってもよいお祝いでも関係なく使用されます。