早産になりかかっている状態のことを切迫早産といいます。
頻繁にお腹が張る、子宮口が開き始めている、破水をした場合などの状態を指します。
こちらでは、妊婦さんはもちろんですが、妊婦の周りの人も確認しておいた方いい切迫早産についてご紹介していきます。
概要
妊娠22週から37週未満の妊娠している女性が、破水、お腹の張りを頻繁に感じる、子宮口が開いてきてしまった、早産になりかかっている状態が切迫早産です。
つまり、早産の危険がある状態のことを指します。
ちなみに、妊娠22週に満たない場合は早産ではなく流産と扱われることから、流産になってしまいそうな状態を切迫流産といいます。
切迫早産の症状
切迫早産の可能性がある症状を確認しておきましょう。
- お腹の張り
- 少量の出血
- 下腹部の痛み
- おりものの悪臭
- 破水
子宮収縮が頻繁、かつ規則的に起きているとお腹が張ります。
正産期に入っていない妊婦が頻繁にお腹の張りを感じる場合、切迫早産を疑いましょう。
お腹の張り以外でも、破水や少量の出血が確認できた、下腹部の痛みが気になる場合はすぐに通院している医療施設へ連絡をし、状況を説明しましょう。
おりものの臭いがきつくなる症状がでる場合もありますし、絨毛膜羊膜炎が原因と疑われる場合は、38度以上の高熱が出ることもあります。
下腹部の痛みが重症化してしまうと、そのまま陣痛へ繋がってしまう可能性もあります。
陣痛がきてしまうと早産を避けられないため、重症化する前に医療施設に連絡をし、指示を仰ぎましょう。
切迫早産の原因
原因がわからないこともありますが、切迫早産の原因には様々なことが考えられます。
- 絨毛膜羊膜炎
- 子宮頸管無力
- 飲酒や喫煙
膣内で細菌感染が原因の炎症が起こり、子宮の入口まで感染が広がってしまうと頸管炎、そして感染が赤ちゃんを包んでいる卵膜までたどり着いてしまうと、絨毛膜羊膜炎になります。
膣と子宮を繋いでいる子宮頸管が短くなってしまったり、子宮口が開いてしまう病気が子宮頸管無力で、早産のリスクが高くなります。
身近である飲酒や喫煙も切迫早産の原因となる危険性があるため、しっかりと禁煙、禁酒しましょう。
紹介してきた以外にも、赤ちゃん側に原因があることもあります。
胎児機能不全や子宮内胎児発育遅延、胎児形態異常などが原因で切迫早産になる可能性もあります。
切迫早産になりやすい人
誰にでも起こる可能性がある切迫早産ですが、なりやすい人もいます。
- 切迫早産や早産経験がある
- 円錐切除をした
- 喫煙者
- 多胎妊娠
- 子宮頸管に出血がある
- 虫歯や歯周病がある
- 過度のストレスを抱えている
過去に切迫早産や早産をした方は、今回、またこれからの妊娠でも切迫早産になる可能性があるため、注意が必要です。
子宮頸部の病気のために円錐切除の経験がある方も、切迫早産の可能性が高くなるといわれています。
双子や三つ子などの多胎妊娠、喫煙者、虫歯、過度のストレスも切迫早産になりやすいため、当てはまる場合は気にしておきましょう。
切迫早産の予防
できることなら切迫早産は避けたいため、事前にできる予防法をご紹介します。
- 禁煙
- 虫歯、歯周病の治療
- 無理はしない
- コンドームの使用
母親の禁煙はもちろんですが、同時に父親も禁煙しておくのがおすすめです。
ニコチンは赤ちゃんへと流れる血流を悪くするため、しっかりと禁煙しましょう。
歯周病は子宮を収縮させてしまうといわれているため、治しておくといいでしょう。
安定期に入ったからといって無理をするのも危険です。
疲れたら休む、ストレスをためないような生活を心がけましょう。
コンドームを着用せずに性行為をすると、膣内で細菌感染を引き起こしてしまう可能性があります。
しっかりとコンドームを使用するようにしてください。
切迫早産の治療
切迫早産と診断された後にする治療法には、どんなものがあるのかもご紹介します。
- 子宮収縮抑制剤
- 安静
- 炎症の制御
基本的に切迫早産と診断されたら、安静にしておく必要があります。
お腹の張りをおさえる薬を投与し、様子をみる場合があります。
炎症をおさえるために、洗浄し、雑菌を洗い流す治療をすることもあります。