出産予定がある女性の労働者に与えられる、法定休暇を出産休暇(産休)といいます。
出産は母体に負担がかかることから、体力を回復させるため、生まれてくる子供の保護を目的に設けられています。
こちらでは、出産前の女性がきちんと理解しておきたい出産休暇についてご紹介いたします。
概要
出産休暇は、出産予定がある女性労働者が産前産後に与えられる休暇を指します。
出産休暇の他に、産前産後休業(産前産後休暇)、いわゆる産休とも呼ばれています。
労働基準法では、出産前が6週間、出産後8週間の取得が基本です。
多胎妊娠の場合は、出産前に10週間の休暇が与えられます。
出産休暇は、出産で負担のかかる母親の体力を回復させる目的と、生まれてくる子供の保護を目的に設けられています。
労働基準法で定められているため、仕事を休む義務があると認識しておくと女性の心の負担が軽くなるでしょう。
出産休暇(産休)の取得方法
出産休暇が取得できる出産前6週間、出産後8週間というのは、あくまで取得できる期間を表しています。
必ず休むように指示されている期間は、出産後の6週間です。
出産前の休暇取得は、就労している会社への報告が必要です。
出産後の休暇は、請求をしなくても与えらえる仕組みとなっているうえ、多くの女性労働者が産休後に育児休業、いわゆる育休を取得しています。
出産休暇を取得するために、仕事の引継ぎをする必要があるため、安定期を過ぎた頃には上司へ妊娠の報告と産休、育休の相談をしておくといいでしょう。
出産休暇中にもらえるお金
出産休暇を取得している間の給料は、労働基準法によって定められていないため、会社から給料が支払われることはあまりありません。
会社によって異なるため、確認しておくといいでしょう。
給料こそ支払われませんが、雇用保険から育児休業給付金の受け取りが可能です。
育児休業給付金である出産手当金は、産休手当とも呼ばれており、企業の健康保険組合から給料のおよそ6割が支払われます。
出産手当金の申請
出産手当金を受け取るためには、申請が必要です。
出産後、医師もしくは助産師に記入してもらった申請書を会社へ提出します。
申請してから出産手当金を受け取るまでは、早くて2週間、遅いと2か月程度かかり、すぐに受け取ることができないため、注意が必要です。
出産手当金の支給は、会社を休んだ期間を対象としています。
出産手当金と出産育児一時金の名称は似ていますが、全く別のもののため、申請のし忘れがないようにしましょう。
出産休暇を取得してからすること
出産休暇を取得したら、社会保険料の免除の申請を忘れずにしましょう。
社会保険料の免除を申請するためには、年金事務所に産前産後休業取得者申出書を提出する必要がありますが、多くの場合、会社側で対応してくれるので、勤め先の担当者に確認してください。
申請すると、出産休暇の開始月から終了前月までの社会保険料が免除されます。
男性が取得できる休暇
出産休暇(産休)は、女性労働者が取得できる制度ですが、男性が出産や育児に関わるために取得できる休暇を特別休暇といいます。
特別休暇については、会社によってルールが異なるため、事前に確認しておきましょう。
特別休暇を導入している会社の例をあげると、配偶者の出産に立ち会う、入退院の付き添いのために取得できる配偶者出産休暇は2日、育児に参加するための育児参加休暇は、出産予定日の8週間前から出産後8週間以内の5日取得できるなどがあります。
特別休暇は労働基準法の定めがないため、しっかりと会社に確認をしておくと安心です。
特別休暇を導入している会社に勤めている場合、休暇の取得時期や取得日数について、夫婦で話し合いをしておきましょう。