高齢出産は、医学上35歳以上の初産婦が出産することを指します。
近年、高齢出産は増えてきており、出産前の高齢妊娠は2013年以降4人に1人の割合になっています。
こちらでは、現在妊娠中の方やこれから妊娠を希望している方が確認しておきたい、高齢出産についてご説明していきます。
概要
医学上、または統計上35歳以上の女性が子供を出産することを高齢出産といいます。
35歳以上の経産婦は含まれず、初産婦のみが高齢出産といわれます。
つまり、35歳以上であっても経産婦の場合、高齢出産とはいいません。
35歳以上で初めて妊娠した女性を高齢妊娠ともいい、2013年以降4人に1人が高齢妊娠といわれています。
日本では晩婚化、晩産化していることから、高齢妊娠、高齢出産が増えています。
1993年までは30歳以上、かつ初産婦が高齢出産といわれていましたが、30歳以上の初産婦が増加したこと、他の国でも同じような状況がみられたことから、35歳以上の初産婦に年齢が引き上げられました。
年齢が上がる分、妊娠、出産をするにあたりリスクや気を付けなくてはいけないことが増えてきます。
高齢出産のリスク
不安に思ってしまうかもしれませんが、高齢出産のリスクをしっかりと理解しておくことも大切です。
リスクを知っておくことで、準備できることもあるので、しっかりと確認しておきましょう。
- お母さんが病気にかかりやすい
- 流産が増えてしまう
- 赤ちゃんの発育に影響が出る
- 難産の可能性が高くなる
年齢が上がる分、病気にかかりやすくなります。
妊娠高血圧症候群や前置胎盤、胎盤早期剥離などの合併症の可能性が高くなります。
卵巣腫瘍や子宮筋腫などの婦人科合併症も増えるため、注意が必要です。
高齢になるほど卵子が老化してしまうため、受精卵の染色体異常が増加してしまいます。
染色体異常の影響で、ダウン症の発生率が高まるともいわれています。
流産、早産、死産も増加してしまいます。
高齢出産に限らず、妊娠前に太っていた方の場合、妊娠高血圧や妊娠糖尿病が疑われることも増えます。
太りすぎだけでなく痩せている方の場合もリスクはあり、赤ちゃんが低体重で生まれる可能性が上がります。
低体重で生まれると、赤ちゃんが将来、糖尿病や心臓病、生活習慣病を発症する確率があがることもわかっています。
高齢、さらに初めての出産の場合、子宮口や産道が硬くなっている場合が多くみられます。
子宮口や産道が硬くなってしまうと難産になることが多く、自然分娩ではなく帝王切開になることもあり得ます。
高齢の場合、出産後の体力の回復も時間がかかることも覚えておくといいでしょう。
そもそも高齢になってから妊娠を望んだとしても、不妊になる確率が上がることもリスクにあげられます。
高齢出産のメリット
高齢出産はリスクばかり取り上げられがちですが、仕事復帰がしやすいというメリットがあるといわれています。
会社員として仕事をしている女性増えているため、出産をしても仕事復帰をする女性が多いです。
高齢出産の場合、キャリアを積み上げてきたため、仕事復帰がしやすいのです。
全ての高齢出産の方が当てはまるわけではありませんが、女性も仕事をするのが当たり前の今、仕事復帰がしやすい状況を作っておくことも大切なことです。
高齢出産の場合の医療施設選び
高齢出産の場合、出産する医療施設をしっかりと見極めて選ぶ必要があります。
出産するうえで様々なリスクが予想されるため、しっかりと対応できる医療施設を選ばなければいけません。
医療設備は充実しているのか、アクシデントが起きた時に対応できるのか、調べておくと安心です。
高齢出産というだけで、出産できない医療施設もあるため、事前に確認しておくといいでしょう。