白寿は99歳を迎える人を敬い、これからの健康を願って行う長寿を祝うお祝いです。還暦や喜寿などのような普段からよく耳にすることのある長寿祝いであれば知っている人も多いかと思います。白寿という用語は、なかなか耳にする機会も少ないといったところでしょう。こちらでは、何故99歳のお祝いを白寿と呼ぶのか?白寿のお祝いにはどんなことをするのか?などについてご紹介します。
概要
日本には、古くから伝わる長寿のお祝いが多くあり、白寿も日本で行われる長寿祝いのひとつです。長寿祝いのなかには、還暦など中国から伝わった長寿祝いと、日本の人によって考え作られた長寿祝いがあります。白寿は後者にあたる、日本で始まったお祝いです。白寿では、99歳を迎える人のこれまでを敬い、これからもさらに健康で長生きしてくれるように願ってお祝いをします。
長寿祝いで欠かせないものといえば、お祝いにちなんだ色ですが、白寿祝いの色は白を使うことが基本とされます。白のちゃんちゃんこや扇子、座布団に頭巾などを贈ることが定番です。
白寿について解説
白寿と聞くと、長寿=白髪などいったことを連想してしまいがちですが、実際には漢字をもじってできたお祝い、という解釈が白寿の正しい由来です。
白寿の他にも米寿などのように、日本には漢字を使ったユニークで粋な長寿祝いがいくつかあります。古くから日本に伝わる長寿祝いでは、お祝いに使う色を決められており、白寿はその名と同じく白をお祝いの色として使います。よって白寿のお祝いでは、贈り物などにも白いアイテムを使うことが多いことでしょう。
白寿の由来
白寿の由来は、白寿の「白」の漢字を使って始まったお祝いと言われます。
還暦などのお祝いが、中国から日本に伝わったのが室町時代の頃と言われ、還暦以外の長寿祝いは、還暦が伝わった後で昔の日本の人たちによって始められたそうです。
白寿祝いものちに始まった長寿祝いで、白寿は「百」という漢字から「一」を引くと、「白」という漢字になることから始まったそうです。長寿祝いを白と定め、「白寿」と呼ぶ習慣となったのもここからきています。
漢字と数字をうまく絡めて長寿祝いへと結びつける、昔の日本の人たちの粋な考え方が、白寿とお祝いの始まりです。
現代においても99歳まで長生きできることはなかなか難しいことですが、人生せいぜい40~50歳であった当時の人たちからすれば、99歳という年齢まで生きていられる人はほんとうに少なく大変貴重なことでした。数少ない99歳を無事に迎える人に心から尊敬をし、今後の長生きを祝いたい当時の人の温かい気持ちが現代まで受け継がれているのが、白寿という長寿祝いです。
白寿のお祝いについて
白寿のお祝いには、子どもや孫、ひ孫などと一緒に長寿を祝います。長寿祝いでは、赤や紫色に黄色などの色のついたアイテムを用意しますが、白寿のお祝いの色は「白」とされます。白のちゃんちゃんこや扇子、頭巾や座布団などといった物を本人があまり好まない場合は、白い湯のみなどのような、普段使う機会の多いものを贈るとよいでしょう。
100歳を目前に迎える白寿は、とても喜ばしいことで盛大にお祝いをしたい気持ちになるかもしれません。しかし、99歳、あと少しで100歳ともなると、よほど元気な人でない以上は、あまり動き回りたくない年齢というのも事実です。
長寿祝いは、長寿を迎える人のこれまでを敬いながら、「これからも末永く元気でいてください」と願う気持ちがなによりも嬉しいお祝いとなるのです。白寿を迎える方が、無理することなく、心から喜んでくれる場所で真心のこもったお祝いをしてあげることが一番大切ではないでしょうか。