浴槽やプール、海など水の中で出産することを水中出産といいます。
日本ではあまり普及されていませんが、海外ではメジャーな出産方法のひとつです。
こちらでは、あまり知られていない水中出産について、さらに水中出産のメリット、デメリットについてご説明していきます。
概要
水中出産とは、浴槽やプールなど、水の中で出産をすることを指します。
出産する際に水と触れ合い、母親が出産する力を引き出し、胎児を重力の影響から守るという考えから行なわれている出産方法です。
重力の影響から守る他にも、赤ちゃんが羊水の中から空気中に出るにあたり、受けてしまう環境変化を和らげる意味もあるとされています。
水中出産は日本ではあまり知られていませんが、海外では定番の出産方法のひとつに数えられています。
日本では、近年水中出産をした芸能人がいることで、話題になったことがありました。
水中出産の方法
1人から2人用の浴槽、またはプールに体温に近い36度から37度のお湯を張り、その中で出産をします。
浴槽の中のお湯には、羊水と同じ塩分濃度になるように自然の塩を入れます。
水の中では、自然分娩と同じ流れで出産をします。
水中出産ができる人
水中出産は誰もができるわけではありません。
もちろん水中出産が可能な医療施設に通院していることが条件にあげられます。
その他の条件としては、妊婦健診で全く問題がなかった妊婦、さらには正産期に入っている必要があります。
水中で体を動かすのは意外と体力を使うため、日頃から運動をしていた、または体力に自信がある人の方が水中出産に向いているとされています。
水中出産ができない人
水中出産ができない人もご紹介していきますので、当てはまらないか確認をしておきましょう。
- 双子などの多胎児
- 逆子
- 妊娠高血圧症候群
- 心臓などに持病がある場合
- 医師が危険と判断した場合
- 破水している場合
双子などの多胎児や逆子の場合、ハイリスク出産となるため、水中出産は避けます。
持病を抱えている場合や、妊婦健診で妊娠高血圧症候群の診断を受けた場合も水中出産はできません。
水中出産に入る前に破水した場合も、水中出産はできませんのでご注意ください。
あわせて、医師や助産師が水中出産を行えないと判断した場合は、その指示に従いましょう。
水中出産のメリット
水中出産をするにあたり、いくつかのメリットがあります。
- 痛みを和らげることができる
- リラックスできる
- 姿勢を変えやすい
陣痛が始まると痛みに耐えるため、体が固まってしまいがちです。
体が固まると、痛みを強く感じてしまいますが、水中にいることで体だけでなく心もリラックス状態になり、陣痛の痛みを和らげることができます。
リラックスすることで、産道が緩み、赤ちゃんが出てきやすくなるメリットもあります。
水の中にいることで浮力が働き、体が動きやすくなり姿勢を変えやすくなるともいわれています。
水中出産のデメリット
水中出産にはメリットもありますが、同時にデメリットもありますので、ご紹介します。
- 出血が多くなる可能性がある
- 細菌感染の危険がある
- お産が進まない場合もある
- 対応が遅れてしまう可能性がある
温かいお湯の中で出産するため、母体の血行がよくなり出血量が多くなってしまう可能性があります。
水中には様々な菌がおり、繁殖しってしまうことも考えられます。
水中にいる細菌に母体、赤ちゃん共に感染してしまう危険性もあります。
出産によって傷がついた膣や子宮に細菌が入ってしまうと、炎症を起こすこともあり得ます。
水中出産をしている最中に会陰切開が必要となった場合など、一旦水の外に出てから対処する必要があります。
会陰切開の他にも、水の中でできない処置がたくさんあるため、水の中から外に出る行為で対応が遅れてしまう可能性もあります。