身体機能が未熟な状態で生まれてきた赤ちゃんのことを未熟児と言います。
つまり、母親の胎内で発育が十分でなく、予定よりも早く生まれてきた赤ちゃんのことです。
未熟児は正式な医学用語ではありませんが、聞きなれている言葉のため、こちらでは未熟児について、出生体重や在胎数週による分類についてご説明していきます。
概要
身体の機能が未熟、つまり母親の体の中での発育が十分な状態でなく出産を迎えた赤ちゃんを未熟児と呼びます。
もともとは、誕生した時の体重が2500gに満たない赤ちゃんを未熟児と呼んでいましたが、現在は体重だけをみて未熟児と判断されるわけではありません。
意外と知られていないのが、軽い体重で生まれたとしても、在胎数週が長ければ未熟に分類されないことです。
現在では、赤ちゃんが母親の体の中にいる在胎数週と、出生体重によって分類されます。
未熟児という言葉は、医学用語として正式に使用される言葉ではありません。
在胎数週による分類
母親の体の中に赤ちゃんがいた期間によって、3つに分けることができます。
- 早産児(そうざんじ)
- 正期産児(せいきさんじ)
- 過期産児(かきさんじ)
特に異常が現れない場合は、通常在胎37週から42週未満の期間で出産を迎えます。
正常である出産期間に、出産を迎えた子が正期産児と言います。
正期産児の期間である、在胎40週前後で身体の機能、そして母親の体の外に出る準備が整います。
正期産児の期間よりも、早く誕生した子が早産児です。
37週未満で誕生する早産児は、出生体重が軽く、身体の機能が成熟していない状態で生まれてくる可能性があり得ます。
正期産児のタイミングよりも、遅く誕生した子を過期産児と呼びます。
出生体重が少ない場合でも、過期産児は未熟児には当てはまりません。
早産児の原因
早産児が増えている原因もみていきましょう。
- 妊娠中毒症
- 子宮頚管無力症
- 胎盤位置異常
- 前期破水
- 羊水過多・過少症
- 多胎妊娠
- 胎児の先天異常
妊娠20週以降に高血圧やむくみ、たんぱく尿などの症状が現れることを妊娠中毒症と言います。
妊娠中毒症の他に、産道の一部の頚管があいてしまう子宮頚管無力症、胎盤が正常の位置にない胎盤位置異常も早産児の原因にあげられます。
妊娠37週未満で破水してしまう前期破水も当てはまりますし、羊水の量が多すぎたり少なすぎたりする症状も早産の可能性が高くなる原因のひとつです。
双子や三つ子も早産の可能性が上がりますし、早めに帝王切開などで出産する場合もあります。
赤ちゃんがもともと持っていた異常のため、正期産児の期間よりも早く生まれることもあり得ます。
紹介してきた他にも、母親が糖尿病や心臓病を持っている場合や、子宮内感染が起きた場合も早産の可能性があります。
早産の原因には様々なものがあるため、誰もが早産になる可能性があることを理解しておきましょう。
早産だからといって、発達上問題がないことが多いです。
赤ちゃんの発達に関して心配がある場合は、医療施設に相談してみることをおすすめします。
出生体重による分類
未熟児といわれる赤ちゃんでも、出生体重によって3つに分けることができます。
体重の違いで呼び方も変わるので、確認しておきましょう。
低出生体重児とは、2500gに満たない体重で誕生した赤ちゃんです。
その中でも、極低出生体重児(ごくていしゅっせいたいじゅうじ)が、1500gに満たない体重で誕生した赤ちゃんです。
超低出生体重児(ちょうていしゅっせいたいじゅうじ)が、1000g未満の赤ちゃんです。
低出生体重児の数は、他の国と比べても日本は多いうえ、現在でも増え続けています。
低出生体重児の原因
新生児医療が進歩していることが、低出生体重児が増えている原因のひとつです。
かつては超低出生体重児を助けることは難しかったにも関わらず、医療の進歩で現在では救うことができるようになりました。
現在では不妊治療をしている夫婦も増えていますが、これも低出生体重児が増えている原因にあげられます。
不妊治療を行うリスクとして、双子や3つ子が誕生することが増えるためです。