日本では昔から、生活の中で仏教や仏式を重んじる傾向があります。
一番馴染み深いところで「葬式」や「法事」が、あげられるのではないでしょうか。
そんな仏教が、インドから伝わってきていることは有名ですよね。
実は現在ある仏教的な思想は長い時間をかけて、インドから伝わったものに日本らしい死生観を取り入れているものが多いのです。
その1つに「中陰」という言葉があります。
こちらでは、49日という日にちと中陰の関係性などを中心に、仏教での死生観をまとめていきます。
概要
仏教では、故人の死後7日ごとに裁判にかけられると言われています。
これは生前の行為などにより、来世の生まれ変わりを決めるためでもあるのです。
その期間は49日間あり、その期間のことを中陰と呼びます。
初七日をはじめ、死後7日ずつに裁判が行われ計7回の裁判が終わると「満中陰」を迎え、六道のどの世界に自分が行くのかが決まります。
たまに間違った世界に行かされてしまう場合もありますし、不本意の場合もあります。
少しでも死後の世界を良い世界にするためにも、遺族が法要を行って追善供養をするのです。
仏教の考え方からできた「中陰」を解説
もともと中陰とはインドと日本、中国の仏教感が調和してつくられた考え方だとされています。
インドでは人の死後7日ずつ、輪廻転生を願います。
少しでも良い生まれ変わりを信じ、7日ごとに審判をくだされて49日目には確定するのです。
この死でも生でもない世界を中陰と呼びます。
ただしこれはインドの考え方で、中国ではさらに儒教的な思想も重なって「一周忌」「三回忌」まで追善供養をします。
日本はさらにこの中国の考え方をベースにして、独自の発想で7回忌以降を作ったとされているのです。
ただし日本の場合は宗派により、浄土真宗では死者は仏の救済により全員が浄土へ行くと信じられています。
そのため「中陰」という、生まれ変わりを根底にした考え方はありません。
中陰の法要にはどのような種類があるのかを解説
中陰は7日ずつ審判が下され、来世の行き先を決められると言われています。
日本でもその中陰の間に法要が執り行われ、より良い世界へ故人の魂が行けるように追善供養をします。
その法要の種類について解説します。
- 初七日(しょなのか)…故人の死後7日めのこと(現在では葬儀と一緒に行う場合が多く、追善法要をしない場合もあります。)
- 二七日(ふたなのか)…故人の死後14日めのこと
- 三七日(みなのか)…故人の死後21日目のこと
- 四七日(よなのか)…故人の死後28日目のこと
- 初月忌(しょがっき)…故人の死後に訪れる最初の月命日のこと
- 五七日(いつなのか)…故人の死後35日目のこと
- 六七日(むなのか)…故人の死後42日目のこと
- 七七日(なななのか)…故人の死後49日目のこと
一般的に初七日と七七日が重要な法要とされているので、追善供養をする場合はこちらの2つの法要を行います。
他は自宅などで供養をする方が多く、親戚などを集めての法要としては執り行わないケースがほとんどです。
七七日を満中陰とし、納骨をするのが通例です。