故人が亡くなると、通夜、葬式、告別式という流れになるのが、仏式では最も有名です。
通常信仰している宗教がなかったり、特別希望がなければこちらの流れになるはずです
それでは「葬列」とは、一体何を指すのでしょうか?
現代では聞かなくなってしまった葬列ですが、同じように霊柩車になっても葬列の名残は残っているといいます。
昔のドラマや映画の中の台詞でもたまに耳にする葬列について、こちらでご紹介していきましょう。
概要
葬列とは文字通り故人の亡骸を、火葬場または墓場まで運ぶ人々の列を言います。
ひと昔前までは火葬をする風習は、権力や貴族のごく一部の人であったため大衆の多くは土葬でした。
さらに今の時代は霊柩車があり火葬場まで運んでくれますが、昔は故人の遺体を人々の手で運んだのです。
その棺を担いだ列を、葬列と言います。
葬列には並ぶ順番などもあり、それを葬列六役と呼びます。
葬列の順序は何順なのかを解説
葬列には順序があり葬列六役と呼ぶのですが、その決まり通り昔の人は列をなして故人を送りました。
こちらで棺に近い順から解説していきます。
【故人=場合】
- 位牌…跡取りの息子(大体は長男)
- 棺
- 飯…息子の嫁
- 水桶
- 香炉
- しかばな
- 天蓋
以上のように、持ち物で並ぶ順番が変わります。
棺が先頭だと思われがちですが、実際には位牌を持った息子などが最前列になることがほとんどです。
現代でも行われている棺を担ぐ人物は、親族に男性がいればその方々に、いない場合は隣人などの男性に頼みます。
葬列に参列する方で位牌を持つ人と、天蓋を持つ人、また輿を担ぐひとたちは身なりは白い上下のものを着用し、履物は草履などを使用する決まりがあります。
現代の霊柩車の順番を解説
ひと昔前までは葬列という順序がありましたが、土葬が許されない現代では当然葬列はなくなっています。
ただし霊柩車に乗る順番が決められているので、昔の葬列を霊柩車に乗る順番だと考えるのが妥当です。
霊柩車は一台に全員が乗るわけではなく、棺が乗っている車に喪主と葬儀社、車の運転手が乗ります。
次の車には、位牌を持つ人と遺影を持つ人が乗り込みます。
血縁関係が深い順番に乗り込みますが、残りの親族等はマイクロバスやワゴン車などで火葬場まで移動するのが通例です。
野辺送りについて解説
葬列は故人の亡骸を、土葬をするために墓地まで移動する列のことです。
この一連の行動を「野辺送り」と言います。
この野辺送りは主に江戸時代で主流だった埋葬儀式のようなもので、夜中になると故人の棺を輿に乗せて担ぎ、墓地に向けて出発したのです。
ただし当時、死者が通ることで災いをもたらすという考え方が根付いていたことから、野辺送りの際には細かくした紙や小銭などをばらまいて歩き、通る場所に住人の厄を払っていました。
また墓地についたら棺を右に三回回し、故人の霊を沈める儀式を行ってから埋葬したとも言われています。