メスを使って母体の皮膚や子宮を切開し、赤ちゃんを直接取り出す分娩方法を帝王切開といいます。
帝王切開には予定帝王切開と、緊急帝王切開があります。
妊婦なら誰もが帝王切開になる可能性を持っているため、帝王切開について知っておくことが大切です。
こちらでは、妊婦やその家族が確認しておきたい、帝王切開についてご説明していきます。
概要
帝王切開は、分娩方法のひとつです。
メスを使って子宮を切開し、赤ちゃんを直接取り出す手術のことです。
医療関係者の中では、帝王切開を帝切やカイザーということもあります。
帝王切開は、予定帝王切開と緊急帝王切開があります。
予定帝王切開
予定帝王切開とは、妊娠36週までの検診で自然分娩が困難と判断された場合の手術のことです。
予定帝王切開の他に、選択帝王切開と呼ばれることもあります。
予定帝王切開が決まったら、多くの場合陣痛が来る前の妊娠37週~38週に手術が行なわれます。
予定帝王切開になる場合には、これから紹介するような症状がみられます。
- 逆子
- 子宮筋腫
- 高齢出産
- 前回の出産も帝王切開の場合
- 児頭骨盤不均衡
- 多胎妊娠
- 前置胎盤
特に異常がない場合、お腹の中にいる赤ちゃんは頭を下にしていますが、逆子はその逆で足が下にある状態です。
逆子で自然分娩をしてしまうと、危険な状態になることが予測されるため、帝王切開をします。
たとえ子宮筋腫があったとしても、自然分娩は可能ですが、その筋腫がある場所によって帝王切開をしなくてはいけない場合もあります。
産道をふさいでしまう場所に筋腫がみられる場合は、帝王切開になります。
子宮口や膣壁が硬くなってしまいがちな高齢の場合、帝王切開を選択することがあり得ます。
前回の出産時に帝王切開だった場合も、自然分娩をすると子宮破裂の危険があるため、帝王切開を選択する場合が多いです。
お母さんの骨盤よりも赤ちゃんの頭が大きい場合も自然分娩が難しくなるため、帝王切開になります。
双子や三つ子などの多胎妊娠の場合も、母体や赤ちゃんに危険があると判断された際に帝王切開になることがあります。
胎盤が子宮の出口をふさいでしまっている前置胎盤の場合も、赤ちゃんが自然にでられないこと、そして出血が多くなってしまうことが予想されるため、帝王切開になるでしょう。
緊急帝王切開
自然分娩を予定していたとしても、様々な異常が確認された場合、緊急で帝王切開に変更になることがあります。
母体、赤ちゃん共に危険な状態になることもあるため、医師や助産師の判断に従いましょう。
緊急帝王切開になる場合、下記のような症状があります。
- 胎児機能不全
- 遷延分娩
- 微弱陣痛
- 回旋異常
分娩中にたまに起こってしまう合併症が胎児機能不全です。
赤ちゃんに酸素が十分に届かなくなってしまうため、すぐにでも取り出す必要があります。
子宮口が硬いためお産が長時間に及んでいる場合、微弱陣痛が続いている場合も帝王切開に切り替わることがあります。
赤ちゃんが母体の外に出ようと体を回旋しながら移動しますが、その回旋がうまくいかない時も帝王切開になることがあり得ます。
帝王切開の費用
帝王切開の費用が気になる方も多いことでしょう。
出産した医療施設によって異なりますが、だいたい40万円~50万円が目安と思っておきましょう。
もちろん帝王切開自体の費用に、入院費などがプラスされます。
自然分娩よりも入院期間が長くなる場合が多いため、注意しておきましょう。
帝王切開での傷
帝王切開でついた傷は、ケロイドになりやすいです。
特にアレルギー体質の人や、傷部分を乾燥させてしまった人はケロイドになりやすいといわれています。
どうしてもケロイドが気になる場合は、皮膚科や形成外科を受診してください。