医師、または助産師の判断で陣痛を促したり、微弱陣痛を進めるために使用する薬剤のことを陣痛促進剤といいます。
陣痛促進剤と別の言い方もあり、子宮の収縮を促すことから子宮収縮剤と呼ばれることもあります。
こちらでは、事前に確認しておいた方が安心の、妊婦さんなら誰でも使用する可能性がある陣痛促進剤についてご紹介します。
概要
多くの妊婦が聞いたことのあるであろう陣痛促進剤は、出産予定日よりも分娩が遅れている場合や、微弱陣痛のまま長時間経過している場合など、陣痛を促す必要があると判断された時に母体に投与します。
陣痛が起きている最中に、母親の体内で分泌されるホルモンを内服や点滴で使用します。
陣痛促進剤を使用しないと母体、赤ちゃん共に危険に陥る場合もあるため、医師または助産師の指示に従ってください。
陣痛促進剤を使用すると判断される場合
陣痛が起きる前、もしくはお産中に陣痛促進剤の使用を判断される状況がいくつかあります。
- 前期破水
- 胎盤機能不全
- 微弱陣痛
- 過期妊娠
破水してしまうと子宮内にいる赤ちゃんに、感染の危険性があるため、破水したにも関わらず、陣痛が来ない場合、陣痛促進剤を使うことがあります。
子宮胎盤などに血流が不足し胎盤機能が低下してしまうと、子宮にいる赤ちゃんに悪影響を及ぼすことも考えられるため、陣痛促進剤を使用する可能性があります。
妊娠中毒症、喫煙などが原因で、胎盤の機能が落ちてしまった場合も陣痛促進剤を使用することになる場合もあります。
微弱陣痛のまま長時間経過してしまうと、母体だけでなく赤ちゃんも危険に陥ることがあるため、陣痛促進剤を使うことがあります。
妊娠37週から41週までに陣痛が起こるのが一般的ですが、その期間までに陣痛が来ない場合や、陣痛が来てから長時間経過している場合に陣痛促進剤を使うこともあります。
報告、説明なしに陣痛促進剤が使用されることはありません。
必ず医師、または助産師から使用する旨を説明されるため、陣痛促進剤の必要性やこれからの流れをしっかりと確認しておきましょう。
陣痛促進剤の種類
実は、陣痛促進剤には2種類の薬剤があります。
- オキシトシン
- プロスタグランディン
オキシトシンは、点滴薬です。
一方、プロスタグランディンは、内服薬と点滴薬があります。
扱いやすさと薬の投与量が調整しやすいことで、オキシトシンが使用されることが多いです。
陣痛促進剤を使用する流れ
子宮口がどの程度開いているのか、さらに子宮の出口である子宮頸部の柔らかさを内診で確認します。
陣痛が進む気配がない、母体や赤ちゃんが危険な状態に陥る可能性があると判断された場合、陣痛促進剤を使用する判断がくだされます。
医療関係者から陣痛促進剤の使用の説明を受けてから、陣痛促進剤を投与します。
陣痛促進剤の効き目は個人差があるため、少しずつ点滴の量を増やしていきます。
陣痛促進剤を投与しても陣痛が進まない場合や、何らかの異常があった際には、人工破膜の処置や帝王切開へ切り替わることがあります。
陣痛促進剤が使えない場合
お産が進まなく危険な状態になったとしても、これから紹介する状況が見られる場合、陣痛促進剤が使えないと医師や助産師が判断することもあり得ます。
- 薬剤のアレルギーがある場合
- 帝王切開や子宮切開の経験がある
- 骨盤狭窄
- 前置胎盤
- 常位胎盤早期剥離
- 重度胎児機能不全
- 赤ちゃんが子宮の中で横になっている状態
お産を進めるために陣痛促進剤を使用したくても、上記に当てはまる場合は使用できません。
陣痛促進剤の使用ができないと担当医師、または助産師が判断した場合は、帝王切開などの方法で分娩が進められます。
陣痛促進剤の費用
陣痛促進剤そのものの費用は、医療施設によって異なりますが、だいたい1万円程度と思っておくといいでしょう。
陣痛促進剤が使用される場合、自然分娩よりも入院が伸びる可能性が高くなります。
陣痛促進剤の費用に伸びた分の入院費が追加されるため、ご注意ください。
微弱陣痛や、妊娠高血圧症候群のような異常分娩の場合、健康保険が使用できる場合もあるため、医療施設に確認しておくといいかもしれません。
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