六文銭という言葉を聞くと、戦国時代に活躍した真田幸村を頭に思い浮かべる方も多いかもしれません。
または誰かが亡くなった時の葬儀で、初めて柩に入れる六文銭の存在を知ったという方もいるでしょう。
文字通り六文銭とは「お金」を指しますが、それではどうして葬儀の棺の中に入れるのでしょうか。
こちらでは日本の昔からの風習と、六文銭の意味についてご紹介していきます。
概要
六文銭とは日本古来の考え方で、三途の川を渡るためのお金だと考えられています。
三途の川はあの世とこの世にかかっている川であり、船頭に六文銭を渡すと無事に川を渡れてあの世にいけるというものです。
戦国時代に真田幸村が旗印としていた六文銭の絵柄は、「戦場に出たら死ぬ気で闘う」、「何が起こっても良い様に」との思いがあったからです。
現代の葬儀でも六文銭は形を変えて、用意されています。
今の日本の葬儀での六文銭はどのように用意するの?
現代の日本の葬儀でも、六文銭は柩の中に入れられています。
ただしもちろん、六文銭そのものを用意しません。
葬儀社はあらかじめ「寛永通宝」のコピーしたものを、故人の棺に入れます。
「寛永通宝」とは江戸時代に流通したお金で、昔から六文銭を柩に入れていた風習があったのがわかります。
六文銭の気になる金額は、現代の価値でいうと300円ほどです。
また葬儀社によっては木で作られた六文銭に見立てたものなどを用意している場合もあり、その時により変わります。
最近はそのまま現代のお金の単位で、好きな金額を書き記して持たせる場合もあります。
これはあの世でお金に困らないようにするためであり、遺族の願いが込められているのです。
本来の三途の川の意味を解説
三途の川の渡り方は1種類しかないように思われていますが、実は三途というだけあり3つの渡り方があります。
良く調べてみると三途の川には橋がかかっている場所があり、その橋を死者が渡るとされています。
橋を渡れるのは生前に良い行いをした者であり、簡単に三途の川を渡れるのです。
一方で罪人は簡単に渡れず、罪の深さにより川の難易度が変わります。
少しの罪であれば歩いて渡れる浅瀬、重い罪人は激流でなかなか向こう岸につかないなどの試練を与えられます。
本来の三途の川はそのような意味があり、みんなが簡単に船で渡れるわけではなかったのです。
それが段々と時代を経て、「川を渡る」という方向に変化しました。
岸のほとりには怖い形相の奪衣婆というものや鬼がいて、六文を支払わないと川を渡らせてもらえなかったというのです。