故人が亡くなり葬儀でお別れのためにお顔を見ると、思い出が走馬灯のように蘇り思わず涙が出てしまうことがありますよね。
大抵の場合は葬儀が最期のお別れとして、顔の部分の一部だけ柩の窓を開けられます。
その際に見る故人のお顔は、とても綺麗でまるで生きているように思えます。
通常の葬儀に参列をしたら、大抵の方は故人の遺体の保存方法について疑問に思わないでしょう。
実は今、従来の方法よりも遺体をさらに綺麗に修復し、生前のように生まれ変わらせるエンバーミングという技術が注目されています。
一体どのような技術をエンバーミングといい、今までの遺体保存方法とどのように違うのでしょうか。
こちらでまとめていきます。
概要
エンバーミングとは特殊な技術をもつ専門技術を指し、特殊な保存技術を習得したエンバーマーが施す遺体保存法のことです。
アメリカをはじめ海外で最近増えているエンバーミングは、日本でも近年話題となっている技術です。
死化粧などのメイクアップや一時的な保存方法とは違い、保存方法によっては数週間ももつとされています。
ただサービスをする会社が増えているとはいってもまだ認知されていないエンバーミングは、技術を提供している葬儀会社でない限り依頼できません。
またもしも依頼できても、高額な費用を必要とするケースがほとんどです。
エンバーミングの技術について解説
日本での遺体保存はドライアイスが主流で、遺体を冷やすことで数日間保存をします。
これは湿気が多く四季がある日本では効果的であり、火葬場の数に限界がある都心などではとても役に立っている方法でもあります。
葬儀の前に湯灌などをし、できるだけ生前の状態に近づけて綺麗にしてくれましますが、稀に病気や事故などで整然と様子が変わってしまったりもします。
そんな故人を、生前の健康だった時のように蘇らせるように修復をするのがエンバーミングです。
血液を抜いたり、保存状態を維持するために特殊な液体を注入して腐敗を防ぐなどが代表的な技術です。
エンバーミングをする理由や現在人気がある理由を解説
エンバーミングをする理由は、主に遺族のためです。
遺族が故人を亡くした悲しみを少しでもやわらげるため、生前の故人の様子を蘇えらせているのです。
しかもエンバーミングの効果は高く、数週間保存できる場合もあります。
また殺菌処理や消毒をしているので衛生的な問題をクリアにでき、遺族が希望をすれば一緒に寝たり、室内でしばらく一緒にいられるのもポイントです。
現在日本で主流のドライアイス保存だと変色をしたり、室温で一緒にいるのは衛生的に難しいとされています。
そんな遺族の気持ちを、エンバーミングは可能にしたわけです。
海外ではこの保存技術を利用し、葬儀の入口に故人を座らせて参列者を迎えるなどの演出をする遺族もいます。
エンバーミングは故人の生前の生き方や遺族の思いなどに寄り添い、今までできなかったことを可能にしているのです。