読経は現在の仏式葬儀の中で、なくてはならないものです。
日本には宗派が色々とあるので、読経をあげるタイミングや内容は変わります。
葬儀に参列をしても、実は同じように見えて流れや読経が違うのに気が付いた方もいるかもしれません。
そもそも読経には、どのような意味があるのでしょうか。
こちらでは読経について、具体的な内容や種類について解説をしていきます。
概要
僧侶によるお経は、現在日本の仏式葬儀や法要で読まれています。
葬儀や法要の際に必要なお経は、僧侶が声を出して読むため「読経」と呼ばれています。
読経にも種類や方法があり、宗派により異なります。
また昔の読経の意味合いは「布教活動」を中心していましたが、最近は主に葬儀や法要で故人の魂を供養するためであると認識されています。
お経とはどんな種類があるのかを解説
一般的に「お経」と呼ばれているものは古くから伝わる「経典」のことで、声を出して読み上げることを「読経」としています。
経典には種類があり、さらに内容の違いについてまとめます。
- 密教経典…密教の教えが書かれた経典
- 小乗経典…釈迦が弟子のために説いた経典
- 大乗経典…在家信者のために書かれた経典
おおまかに分けると、以上のように3種類に分かれています。
日本に今ある宗派別に読まれている読経とは?
それでは実際の葬儀の読経は、宗派でどのように変わるのでしょうか。
宗派ごとに経典の種類をまとめていきます。
- 浄土宗…般若心経・無量寿経・観無量寿経・阿弥陀経
- 浄土真宗…無量寿経・観無量寿経・阿弥陀経
- 真言宗…般若心経
- 天台宗…般若心経・法華経・観無量寿経
- 禅宗…般若心経
- 日蓮宗…法華経
- 時宗…無量寿経・観無量寿経・阿弥陀経
- 華厳宗…華厳宗
などとなっています。
それぞれの宗派で読む宗教が変わっているのがわかります。
以下では簡単に経典の内容に触れていきます。
- 般若心経…大般若心経は600巻もあり、それをまとめたものが般若心経。「色即是空、空即是色」の言葉が経典の中にあるのが特徴で、自らのこだわりは空にしてこだわりをもたなければ光が見える、という意味。
- 浄土三部経(無量寿経、観無量寿経、阿弥陀経)…浄土教中心となっている経典で、死者が極楽浄土へいくのを念頭にいれ経典である
- 法華経
- 釈迦の永遠の成仏を中心にした、大乗仏教の経典
- 華厳経
- 釈迦の悟りの境地を開いた時の話が書かれており、華厳宗のみで読経されるのが特徴です。
このように色々な経典がありますが、宗派により死生観や死後にどこにいくのか、どうなるのかの考え方が違うのがポイントです。