子供の頃、一度聴いたら忘れない言葉が「南無阿弥陀仏」ではないでしょうか。
仏教のことなど知らない方にとっては、経典や念仏の種類もわからないですよね。
また南無阿弥陀仏にどのような意味があるかも、ご存知ではない方がほとんどかもしれません。
こちらでは南葬儀の際にはもちろん、日常の仏壇や墓参りの際にも気持ちが変わる無阿弥陀仏の知識をご紹介していきましょう。
概要
南無阿弥陀仏とは念仏の言葉であり、唱えていると幸福が訪れるという意味があります。
ただし南無阿弥陀仏には、他力と自力があるため同じ念仏でも意味が2つあることを覚えておきます。
また葬儀で南無阿弥陀仏の念仏を称える宗派は、おもに浄土系です。
浄土宗の葬儀では参列者で「南無阿弥陀仏」を称え、故人を浄土に送り出すと信じられています。
自力と他力念仏の違いを解説
現代でも「他力本願」という言葉があります。
ただし、あまり良い意味で使用されないことがほとんどです。
本来の他力の意味は、「南無阿弥陀仏」という念仏に隠されています。
人の心の中には暗い闇があり、その闇が仏様により救済された時は、「南無阿弥陀仏」の念仏を唱えます。
これは自分の闇を消してくれたというお礼を含んでおり、仏様への感謝の気持ちを表現するためでもあります。
一方で自力は自分の力で何かを成し遂げる、という意味ではなく「闇」そのものが無い状態を指します。
その闇がない状態の心のまま、墓参りなどで「南無阿弥陀仏」を唱えるのが自力です。
現代では「誰かがやってくれるだろう」、という意味合いになっている「他力本願」ではありますが、実はそのような意味ではなく、仏様が行ってくれた行為に対する感謝を指します。
浄土宗の葬儀では必ず「南無阿弥陀仏」を称える?
「南無阿弥陀仏」を葬儀で称えるのは、浄土宗などの宗教の特徴です。
浄土宗では南無阿弥陀仏は名号であり、故人は死後浄土へ行けると信じられています。
阿弥陀に救済される、という考え方から「南無阿弥陀仏」を唱えるわけです。
浄土宗の葬儀で行われる下炬引導では、故人を現世から送り出す儀式です。
この儀式には線香と松明を2本用意し、1つは捨て、もう1つは死者の冥福を祈るために円を描きます。
またこの儀式の後には、参列者全員で「南無阿弥陀仏」を10回ほど唱和するのが通例です。
これは故人が迷わずに現世から浄土へ行けるように、との願いが込められています。
また日常的に信仰している方は、男性は3万、女性は6万回の「南無阿弥陀仏」を唱えると浄土に行けるという教えを信じています。
この回数が数珠に関係しているとされ、数珠が二連になっているものを使用します。