日本に仏教が伝来してから、あらゆる開祖が現れ、さまざまな宗派が生まれました。
最近は儀式のほとんどは仏式で行うものの、日常的に信仰の無い方が増えています。
そのため葬儀の時になってはじめて、故人の宗派がわかる事態は日常茶飯事でしょう。
いざ葬儀に参列をしてみると、その葬儀の特徴がわからないと困ります。
こちらでは日本の宗派の1つでもある、日蓮正宗の葬儀作法や思想などについてまとめていきます。
概要
日蓮正宗とは日蓮宗と混同されがちですが、同じ日蓮の教えを元に信仰しているとはいえ、基本的な思想には違いがあります。
日蓮宗だった2つの宗派ですが、日蓮の没後、時代の移り変わりとともに思想が変化していった日蓮宗の弟子たちが、昔のままの日蓮上人の教えを残すべく開いたのが日蓮正宗なのです。
日蓮正宗の葬儀は他の宗派に比べ厳格であると言われており、正式な葬儀の方法で最期を迎えないと三途の川を渡れないという危機感を持っています。
また良くある仏式の葬儀の儀式が、日蓮正宗では当たり前では事柄もあります。
日蓮正宗の葬儀はどのような特徴があるのかを解説
日蓮正宗の葬儀は他の宗派と違う点がありますので、以下でまとめていきます。
- 樒を使った祭壇が通例（生花を使用しない）
- 三角巾を使用しない
- 六文銭をもたせない
- 法号が与えられる
- 死後に戒名が与えられる
- 仏壇に位牌を置かない
- 参列者全員で題目を唱える
- 引導が省略される
日蓮正宗の最大の特徴は、題目を唱えることです。
実は日蓮正宗には以下で説明する三大秘宝があり、これは日蓮宗でも重要視されています。
- 本門の題目
- 本門の本尊
- 本門の戒壇
日蓮正宗では開祖の日蓮が仏の後に出てきた「仏」であり、信仰の対象物です。
そのため日蓮大聖人と表現します。
また日蓮正宗では妙法蓮華経こそが大事な経だとし、この題目を唱えることで日々に平穏が与えられると信じられています。
また日蓮正宗では葬儀の進行や方法はとても大事なものであり、この内容をしっかり進行しないと三途の川を渡れないとされています。
これは葬儀の際に日蓮大聖人にお迎えにきてもらう、という発想からで、きちんとした葬儀を執り行わないと迎えに来てもらえないからなのです。
さらにしっかり葬儀をすることで、次に授かる命も清らかであるとされています。
葬儀における日蓮正宗のマナーを解説
日蓮正宗の葬儀に参列をする際には、どのようなマナーを重視するのが良いのでしょうか。
- 遺族と祭壇に一礼をする
- 焼香は3回
- 祭壇に向かい合掌をする
- 遺影に向かって一礼をする
となっています。
なお他の宗派と違い、焼香は3回と決まっているので日蓮正宗の葬儀では注意しましょう。
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