涅槃像などという言葉がありますが、仏教の知識が無い方は「寝ている仏」という意味で認識をしているかもしれません。
実は涅槃とは覚者のみが知りえる安らぎの世界・境地を呼び、主に釈迦の入滅を指します。
そんな涅槃について詳しく解説をするとともに、日本で現在執り行われている葬儀全般は古来の釈迦の入滅に由来している理由をまとめていきます。
概要
涅槃という言葉はただ寝ている仏という意味ではなく、亡くなった釈迦が覚者となり没した事実を指します。
死を迎えた覚者は煩悩から解き放たれ、穏やかな境地へ向かいます。
一般人の死には使われず、主に悟りの境地に入った釈迦の「死」を意味する時に使います。
涅槃像という仏が各国にあり崇拝の対象となっていますが、釈迦が亡くなる時の寝ている姿を仏像にした物がほとんどです。
涅槃の意味を詳しく解説
現在日本でも火葬という埋葬方法が主流ですが、最初に火葬をしたのが釈迦だとされています。
インドでは火葬が主流であり、肉体へ執着をしないためであるとも言われています。
涅槃とは釈迦が死に火葬をされて覚者になる、または悟りの境地を開いたという意味で使われています。
釈迦は亡くなった時に右を下にしていたと言われているので、体を右下にしている仏像を各地で「涅槃像」として目にします。
これは仏像そのものを指すというよりも、悟りを開いた釈迦という意味合いで作られているのです。
仏式葬儀の原題は釈迦の時代から続いている儀式
現代の日本での葬儀は、ほとんどが仏式で執り行われます。
今も残っているその葬儀の形は、以下のようなものがあります。
【通夜式】
実は釈迦が入滅した時、偉大なる釈迦の死に目に一目会おうと多くの人々が押し寄せたといいます。
これが現代でいうところの、通夜式だとの認識です。
供物を釈迦に捧げ、弟子は経を唱えたというのです。
【葬儀】
釈迦の入滅後、近隣の人々は街にあるあらゆる楽器や花を探して、釈迦に捧げます。
釈迦の死を認めたくない反面、できるだけ華やかに釈迦を送り出すためでしょう。
この風習が形となり残っているのが、現代の葬儀の原形ともとれます。
【火葬後の納骨】
釈迦が入滅した後、火葬された体は灰になります。
その後骨だけになった釈迦を、民は壺とも思われるカメに入れて大事にします。
その後7日間は供養のために、香を焚くなどがされました。
このように現代にも残されていると推測されるのが、釈迦の入滅に関わる出来事です。
日本に仏教が伝来した時から長い時間を経て、いろいろな形に変わっている仏教スタイルですが、時代が変わっても釈迦の残した教えは確かだとわかります。