以前、邦画で納棺師をピックアップした作品があり、人気を博しました。
そのおかげもあり、通夜や葬儀という儀式だけではなく、その準備段階でもある納棺について注目されるようになっています。
納棺は通夜や葬儀の様に、故人と関わった多くの方が参列するわけではありません。
遺族やごく一部の特別に親しかった方が、故人に寄り添うためのものなのです。
そこでこちらでは、納棺の実際についてまとめていきます。
納棺とは具体的に、どのようなことを死者にするのでしょうか。
概要
納棺とは故人を湯灌した後、死化粧や死装束を着せて棺に入れる儀式を指します。
亡くなった故人を生前のような綺麗なお顔や、清潔な状態にしてあげる行為のことです。
故人が亡くなった時点で葬儀会社と連携がしやすい現代では、遺族が自分たちで納棺をすることはほぼありません。
葬儀会社が手はずを踏み、その流れにのっとって納棺をしていきます。
葬儀・告別式を執り行う予定の遺族は、告別式で故人の好きだった物や副葬品を柩に納めるので、納棺の時には入れないご遺族がほとんどです。
納棺にはどんなマナーがあるのかを解説
納棺をする際には、どのようなマナーがあるのかを解説していきます。
- ブラックフォーマルが無難ですが、平服であればダーク系のものを着用(斎条などで納棺をする際にはブラックフォーマル)
- 納棺の時間は1時間前後~2時間前後を見るのが通常
- 遺体を綺麗にして、死化粧まではスタッフの手で行う
- その後死装束は遺族の手でも行う
- 納棺後は布団を故人にかける
- 副葬品を入れる
- 全員で合掌をして蓋を閉める
この様に納棺は厳格な決まりがあるわけではありませんが、納棺の「儀」と呼ばれるだけありしっかりとした形式があります。
ただしこれは一般参列者へ参列を求めるものではなく、あくまで遺族や特別に親しかった方を対象としています。
告別式という同じような別れの場があるのにも関わらず、このような場が設けられているのは遺族と故人の最期の別れをさせるためです。
どうしても一般参列者が多い葬儀などでは、ゆっくりお別れができません。
故人が亡くなった後、通夜の前に納棺の儀を行い、存分に別れを告げるのです。
納棺するのにタブーとされている副葬品
故人を納棺する際には、生前の愛用品などを一緒に入れます。
ただし火葬が一般的な埋葬法である日本では、一緒に燃やせない素材のものがタブーとされているので注意します。
以下のものが、タブーの品々です。
- ガラス製品
- スプレー缶
- 金属類
- ビン類
- 水分が多量の品
- あまりに分厚い雑誌や本など
これらは火にかけると良くない品ばかりなので、気を付けます。
またメガネや腕時計などは遺骨を収骨した上に、乗せて埋葬します。