出産が予定通り進まず、なかなか胎児が生まれてこない場合を難産と言います。
正常な出産が行なわれない場合、様々な方法で出産を手助けしてもらうことになるでしょう。
こちらでは、妊婦や妊婦の家族が知っておきたい、難産について、また何故難産になるのかをご説明していきます。
概要
正常な出産が行なわれず、なかなか胎児が誕生しないことを難産と言います。
通常、出産にかかる時間は、初産婦で11時間から15時間程度、経産婦で6時間から8時間ほどと言われています。
しかし、通常の出産の平均時間を超え、初産婦で30時間、経産婦で15時間以上かかる出産を難産ということが多いようです。
難産の原因
多くの妊婦が安産で出産を終えたいと考えていることでしょう。
そこで、難産の原因についてもしっかりと理解しておくことが大切です。
難産の原因に考えられることは、いくつかあります。
- 肥満
- 痩せすぎ
- 微弱陣痛が続く
- 予定日から1週間経過
- 産道異常
- 高齢出産
- 逆子
妊娠期間に太ってしまうと、産道にも脂肪がついてしまいます。
脂肪がついてしまった産道は、狭くなってしまい、赤ちゃんが通りにくくなるのです。
そのため、出産に時間がかかり難産となってしまう可能性があります。
妊娠期間中の体重増加は、妊娠前の体重にもよりますが、8kgから12kg程度におさえておきましょう。
太りすぎていることが難産の原因になる可能性が高いですが、逆に痩せすぎも危険です。
痩せすぎていると、産道だけでなく子宮も小さいことが予想されます。
産道や子宮が小さいことで、赤ちゃんが途中でひっかかってしまい、なかなか外の世界へと出てこれないのです。
さらに、痩せすぎている場合、出産する体力がないこともあり得ます。
出産時の出血の影響で、貧血になることもあるため、注意が必要です。
微弱陣痛が続いてしまうと、子宮口が全開にならず、出産に繋がりません。
産婦の体力の消耗が激しいこと、赤ちゃんの心拍が落ちてしまうこともあるため、陣痛促進剤を使用したり、吸引分娩になる可能性もあります。
予定日から1週間経過してしまうと、陣痛促進剤を使用する、帝王切開に切り替えることがあります。
産道に異常がある場合も、帝王切開で出産することが多いです。
年齢を重ねるにつれ、産道が硬くなります。
高齢出産の場合、産道が硬いうえ、骨盤も開きにくいことから、難産になる可能性が高いです。
逆子の場合、普通分娩での出産が難しいです。
計画的な帝王切開で出産することになるでしょう。
難産の場合の手助け方法
難産の場合、様々な方法を使って出産を手助けしてもらうことになるでしょう。
- 陣痛促進剤
- 卵膜剥離
- 吸引分娩
- 鉗子分娩
- 帝王切開
微弱陣痛が続いたり、予定日を過ぎても生まれる気配がない場合、陣痛促進剤を使用することがあります。
産道に異常がある場合は、人工的に卵膜を剥離させる卵膜剥離という方法で、産道が開くように促すこともあり得ます。
様々なトラブルから、早くに赤ちゃんんを誕生させなければいけなくなった際には、吸引分娩や鉗子分娩、帝王切開に切り替わることがあります。
最近では、鉗子分娩は行なわずに、すぐに帝王切開に切り替わることが多いようです。
紹介してきたどの方法を取り入れるとしても、必ず医師や助産師から説明があるため、しっかりと聞きましょう。
心配なこともあるかもしれませんが、母体と赤ちゃんのことを考えて、医師や助産師が判断することです。
難産の可能性があること、様々なトラブルに見舞われる可能性があることを理解しておきましょう。
出産前にどのような原因で難産になる可能性があるのか、さらには、どのような処置をされる可能性があるのか、パートナーと一緒に勉強しておくことも大切でしょう。