定番なのが餡子で包まれた和菓子ですが、実は名前で迷う点があるのです。
おはぎだったかぼた餅だったか、正しい名前について迷ってしまいます。 同じようなお菓子に感じますが、秋のお彼岸に適した物を選びたいですね。
おはぎとぼた餅の違いについても、正しく理解しておきたいところです。
今回は秋のお彼岸のお供え物は何が良いのか悩んでいる人に向けて、おはぎとぼた餅の違いを詳しくご紹介していきます。
秋のお彼岸はいつ?
お彼岸は1年のうち2回、春と秋にあります。 時期はいつなのかというと、9月の秋分の日が軸となっているのです。
秋分の日を中間日として、前後3日の合計7日間が「秋のお彼岸」なんですね。 お彼岸の第1日目を「彼岸の入り」といい、最終日を「彼岸の明け」と呼んでいます。
秋分の日自体が毎年少しずつ日にちが変わるため、毎年決まっているわけではないのです。 秋は8月のお盆から間もなく訪れるため、亡くなった人にとっては最初のお彼岸ですよね。
初彼岸でも何度目でも、特におこなうことに変わりはありません。 気がついたら過ぎ去っていたということは避けたいので、期間は前々からチェックしておきましょう。
秋のお彼岸には何をするの?
秋のお彼岸、もしかしたら気にしない人は何もしないまま過ぎ去っているかもしれませんね。 元々お彼岸は仏教の世界で煩悩や苦悩にまみれた「この世」から、悟りの境地の「あの世」まで行くために迷いなどを断ち切る行事なのです。
御墓参りをしてご先祖様に手を合わせるのは、実は「この世」での迷いや苦悩を悔い改めるという意味が込められています。 お供え物をして、御墓参りをして…となると特別な行事のように感じますよね。
よく考えると特別なことはせず、ご先祖様のことを想いながらお参りをするだけで良いのです。 私はお彼岸の時期になると、心を浄化する気分で御墓参りをするようにしています。
ご先祖様に手を合わせると、今まで心がモヤモヤしていたのがスッキリ晴れるような気がするからです。 心を晴れやかにするのが、本来の意味につながるんですね。
まず御墓参りをする意味を理解してから、お供え物について考えるようにしましょう。
秋のお彼岸のお供え物はおはぎ!
秋のお彼岸では、ご先祖様のためにお供え物を用意しますよね。 お供え物で迷ってしまうのが「おはぎ」なのか「ぼた餅」なのかという点です。
パッと思い浮かべると、おはぎもぼた餅も同じような感じがしますが…。 実は元々は、おはぎとぼた餅は同じものだったのです!
地域の風習や季節ごとの違いなどから、あんこやお米の種類や形で区別するようになりました。 ぼた餅は牡丹の花、おはぎは萩の花に似ているからと付けられた名前です。
一般的には春のお彼岸にぼた餅、秋にはおはぎをお供え物として準備します。 お供え物としておはぎを準備するのは、あんこの原料である小豆の赤色が魔除けの色だとされていたからです。
同じくあんこに使われているお砂糖も、当時はかなりの高級品だったんですね。 ご先祖様のために高価なものをお供え物するということで、お彼岸は多くの人が意識していたのです。
おはぎとぼた餅の違いとは?
同じような食べ物で、どんな特徴を持つのかなかなか把握しにくいおはぎとぼた餅。 どんな違いがあるのか、あんこや米の種類や形などから詳しく見ていきましょう。
あんこの種類
おはぎにはこしあん、ぼた餅に粒あんが使われる理由は春だと小豆の皮が硬いためです。 春だと豆ができてすぐに収穫することになるので、まだ皮が柔らかくならないんですね。
個人的にはこしあんが好きですが、おはぎのツブツブ感と粒あんが妙に合うのでクセになってしまいます。 あんこと米を合わせて作るのは、ご先祖様と心を一つにするという意味を持つのです。
形の違い
ぼた餅は丸い形をしていて、おはぎは俵形に作るという地域もあります。 多くの場合は、おはぎといえば丸に違い俵形をイメージする人も多いかもしれませんね。
私はおはぎの方が小ぶりで掴みやすいので、食べやすいかなと思っています。 まん丸のぼた餅も可愛いですけどね!
米の違い
おはぎはお米を潰して丸めますが、米は豊作の象徴として縁起が良い物なんですね。 主にうるち米で作られているのがおはぎ、もち米で作られているのがぼた餅と言われている地域もあります。
私はおはぎの米のツブツブ感が好きなのですが、地域によって米の粒を残すことを「半殺し」や「皆殺し」などと呼ぶのだそうです。 お彼岸と絡めると、ちょっと怖い呼び方ですよね…。
まとめ
秋のお彼岸のお供え物は何が良いのか悩んでいる人に向けて、おはぎとぼた餅の違いを詳しくご紹介してきました。 秋には小豆の皮が柔らかくなることから、粒あんのおはぎがお供えされます。
小豆は魔除けの赤色で、米と合わせるのはご先祖様と心を一つにする意味を持つのです。 地域によっておはぎとぼた餅の意味やちがいは異なるので、自分の住む地域の風習を把握したいですね。
秋のお彼岸に心を晴れやかにするためにも、お供え物はしっかり準備しましょう。