年末年始のイベントが終わり、やっと毎日が『日常』に戻ってきたような気がします。
子供がいるとクリスマスからお正月まで、なんだか怒涛に過ぎていきますよね。
『一月住ぬる二月逃げる三月去る(イチゲツイヌルニゲツニゲルサンゲツサル)』
この言葉、ご存知でしょうか。
お正月から三月までは行事が多く、あっという間に過ぎてしまうことを語呂合わせで調子よくいった言葉です。
つまり今から三月までも駆け抜けていき、すぐに春がやってくるのでしょう。
平成最後の冬。
あっという間に過ぎてしまうのも、もったいないような気がします。せっかくなら景色を感じて、日本の文化も学びながら新しい時代へと移り変わっていきたいものです。
話は大きくなってしまいましたが、今回も親子で自然や日本文化について楽しく学んだので紹介していきます。
ぜひ参考にして、冬を親子で楽しんでくださいね。
七十二候:1月20日頃 款冬華
今回の七十二候は、款冬華(ふきのはなさく)です。
いよいよ一年で一番寒いといわれる大寒の初候となりました。
そんな凍てついた地面には、蕗の花が咲き始める頃です。雪や氷で寒さの厳しい時期ですが草花は春に向けて動き出しています。
蕗の花…と聞いても、あまりピンときません。どちらかというと、蕗の薹(ふきのとう)の方が認知度が高いのではないでしょうか。
蕗の薹は、蕗の花芽のことです。よく天ぷらなどの料理にも使われます。
蕗の花の開花時期は2~3月ですが、この時期に咲き始めるの花もあるのですね。
寒くても自然は少しずつ春に向けて準備をしています。なんだか心躍るような候ですね。
おせちでも見かける南天って?
赤い実のなる南天は、お正月飾りとして見かける草木の一つです。写真のようにおせちにも飾りとして入れることがあります。
我が家では毎年1月2日に義理実家に行くのが恒例行事です。義理父は飲食店のオーナーをしている関係で、得意先から大きな重箱に入ったおせちが届くんです。
自分でおせちを作ると南天を入れるところまでしませんが、お店から届くおせちには毎年ちゃんと南天の葉が入っています。
「なんで葉っぱ~?」と不思議そうな息子。
確かに考えたことがなかったけれど不思議ですよね。色とりどりのおせちに、あえて葉を飾ることに意味があるのでしょうか。
調べてみると南天はとても縁起が良く、『難を転ずる』という意味から難転→南天となったのです。
それだけではなく、
・殺菌
・防腐
・咳止め
効果まであるので、まさにお祝いの料理に適している葉といえますね。
身近にある赤い実を観察
知識を得たところで、赤い実を探してみました。すると毎日歩いている道で南天を見かけました!今まで素通りしていたのですが…少し意識するだけで見つかるものですね。
届かないくらい上の方にあるものもあれば、息子と同じ背丈のものもありました。風で落ちて川に流されている赤い実たちも発見。
娘も足を止めて、赤い実に興味津々です。
子供って、どんぐりとか『実』を拾うの好きですよね。さすがに水の中から実をとることはできませんでしたが、1歳でも面白いようです。
息子と「南天たくさんあったね~」と会話をしたものの…なんだか南天と似ているけれど種類が違う草木のような気がしてきました。
息子には「南天の仲間かもしれないから写真に撮って調べよう」と言って、保留にしておきました。
(4歳なので適当なことを教えると怒ります…)
南天の仲間について調査
帰ってから調べてみると、やはり南天には似た仲間がいるようです。万両・千両・南天という3つの種類があったので具体的な特徴をみていきましょう。
万両
万両は1mほどの低い木で5㎜前後の赤い実が葉の下にさくらんぼのように垂れ下がっています。葉の縁が波うっているのも特徴です。おめでたい名前であることから、南天同様にお正月の飾りとして使用されます。
千両
千両も1mほどの低い木で5㎜程度の赤い実がなります。万両との違いは、実が葉の上にかたまってなることです。また葉はギザギザとしたのこぎりのような形をしています。
南天
南天は2~3mあるので、人間の身長よりも高い草木です。赤い実がブドウのように房状になっているのが特徴です。3枚ずつ葉をつける複葉なのも南天ならではです。
こうして分けてみると…観察した草木は、南天だけじゃなかったようです。違いを見つけて何かを当てるのも楽しいですね。
クイズ①駅前の花壇にあった赤い実は?
観察すると葉の上に実があり、葉がギザギザしています。これは南天ではなく、千両でした。
クイズ②池の上にあった赤い実は?
これは手が届かないくらい高い木です。ブドウのようになっているので、これが南天ですね。見つけた!水の上に浮いていたのも南天の赤い実でした。
息子にも違いを伝えながら、また見かけたときには「南天かな?クイズ!」をしてみたいと思います!
冬の草木は存在力がある
冬は色が少ない風景なので、赤い実は存在感がありますよね。目を引く赤い色に、1歳の娘が口に運んでしまうのではないかと心配になるほどです。(美味しそうに見えているようで)
しかし、だからこそ草木を観察するのは面白いです。そこに込められている日本の伝統や言い伝えまで知ることができるのも、親子で楽しみながら学べます。
ぜひ散歩のときには、万両・千両・南天の違いを見極めつつ探してみてくださいね。お正月い飾りを身近に感じられるはずです。
次回の候は?
次回の候は1月25日~水沢腹堅(さわみずこおりつめる)です。
氷点下に達する地域も多くなり、あちこちで初雪が見られる候となります。雪が降るかと思うと大変なことばかり思い浮かびますが…雪は子供の最大の遊び道具でもあります。
大きな心で雪を待ち構えてみよう!と思います…。