身近にいる大切な誰かの死は、遺族に大きな悲しみをもたらします。
故人のために葬儀やお盆、年忌法要などと、残された遺族はあらゆることを死後に行います。
葬儀や法要などで、故人のために行う葬儀などで必要となるのが、位牌です。
位牌を必要とすることは人生の中でそうそうないので、知識がない方もいるはずです。
そこでこちらでは、位牌の種類についてまとめていきます。
概要
仏式の葬儀に参列したことがある多くの方は、位牌を目にしています。
祭壇の真ん中に置かれている、文字が書かれているものが位牌です。
位牌は死後、故人の魂が込められている、または「故人自身」と考えられています。
出棺時などには、身内が遺影と共に位牌を持ち火葬場に行くことがほとんどです。
位牌とは葬儀後は仏壇に祀られるもので、お盆や年忌法要などの時にも位牌に対し常に遺族がお参りします。
位牌には、「塗位牌」と「唐木位牌」の2種類あります。
一般家庭の仏壇にある位牌の多くは、「塗位牌」です。
塗位牌についての知識を解説
塗位牌は一般家庭で一番多く利用される位牌で、漆塗りのものに金粉、金箔などを使用して飾られています。
塗位牌の中でももっとも有名なのが会津塗位牌で、500年の歴史があるので安心出来ます。
会津の地域産業として栄えた塗位牌は、工芸品として職人が未だに大事にしている技術です。
こちらで会津の塗位牌の製作工程について、触れていきます。
- 木取りなどをして木地を作る
- 研磨などをして下地を作り、丈夫なものにする
- 漆を塗る
- 金箔や金粉で蒔絵加飾をする
- 戒名を入れる
位牌の歴史を解説
位牌とはもともと中国から伝わったものであり、日本では鎌倉時代あたりに広まり始めます。
ただし一般家庭に普及されたのは、江戸時代でした。
実は江戸時代に入ると檀家制度が始まり、各家がそれぞれの菩提寺を必要とします。
そこで法要などをすることが一般化され、位牌を自宅に置くことが一般的となったのです。
段々と「戒名を持つ」ということがステータスとなり、より位の高い戒名を希望する人が増えました。
現在は核家族になっていることもあり、厳しいしきたりはなくなっていますが、江戸時代などは家督を相続する人が位牌を持ち葬儀にのぞんだのです。
仮位牌と本位牌の違い
人が亡くなるとすぐに本物の位牌を作るわけではなく、通夜や葬儀で置かれているのは仮位牌と呼ばれています。
仮位牌は白木でできており、書かれている文字は戒名ではないのです。
四十九日法要には仮位牌から本位牌に変えなければなりませんので、法要までに遺族は本位牌を用意しておきます。
法要の場で僧侶により開眼が行われると同時に、仮位牌であった白木位牌を僧侶に預けます。
位牌の種類
一般家庭で多く使用されているのが、塗位牌です。
位牌はそれ以外に以下の種類があります。
- 唐木位牌
- 家具調位牌
- 回出(くりだし)位牌
位牌を祀る際のマナーを解説
位牌を祀る場合は、いくつかマナーがあります。
そこでマナーを解説していきます。
- 位牌は本尊よりも低い位置に祀る(もしも本尊と同じ位置なら低い位牌を選択)
- 位牌は埃がたまらないように優しく掃除をして、清潔に
- 位牌が古くなったり、文字が読みにくいと感じたら作り直しが必要
- 浄土真宗の場合、塗位牌は使わない