一般的に妊娠5か月、つまり妊娠16週に入った時期から妊娠7ヶ月、つまり妊娠27週頃までの時期を安定期と言います。
妊娠初期よりも、流産の危険性が低くなり、マタニティライフを楽しめる期間です。
こちらでは、妊婦はもちろんのこと、妊婦の周りの人にも知ってもらいたい安定期についてご説明していきます。
概要
妊娠5か月から7ヶ月の時期を安定期と呼びます。
一般的に妊娠5か月頃に、子宮の中で胎盤が完成し、赤ちゃんに必要な栄養が胎盤を通して届くようになるため、「赤ちゃんのいる環境が安心する」という意味で安定期と呼ばれます。
安定期の妊婦の状態
個人差はあるものの、多くの妊婦は妊娠初期に味わった吐き気や食欲不振などのつわり症状がおさまる時期です。ホルモンバランスが安定するため、気持ちが落ち着くようになります。
「ポコポコ」動くような胎動を感じられるようになるのも安定期の時期からが多いとされ、胎動が感じられることで、より赤ちゃんの存在を実感できるようになります。
流産のリスクが低くなるため、安定期に妊娠の報告をする妊婦も多いです。
安定期の妊婦健診
病院によって差はあるものの、2週間に1回程度だった妊婦健診が、安定期の期間は4週間に1回程度になります。
エコー検査でははっきり赤ちゃんを確認できるため、安定期に性別を判断できる可能性が高くなります。
男の子の場合は断定されることが多いですが、女の子の場合は可能性が高いという判断になることが多いようです。
安定期の過ごし方
流産のリスクが低くなることと、つわり症状がおさまりマタニティライフを楽しめるようになることから、安定期には妊娠初期にはできなかったことができるようになります。
- 帯祝い
- 旅行
- マタニティヨガなどのマタニティ向けの運動
- 出産のための準備
- 虫歯の治療
妊娠初期や妊娠後期にできないことを妊娠安定期にしておくのがいいでしょう。
帯祝いとは、妊娠5か月の戌の日に安産の願いを込めて腹巻を巻く風習のことです。
現在では、多くの妊婦が神社へ出向き、安産祈願をしてもらいます。
安定期は、妊婦の状態が安定するため、担当の医師に相談すれば旅行も可能になりますし、体重を余計に増やさないためにも、マタニティ向けの運動もおすすめされています。
無理のない範囲で、ウォーキングをしたり、マタニティヨガを楽しむ時間を作るといいでしょう。
妊娠後期は動くのが大変になるため、安定期のうちに出産に向けた準備をしておくことも必要です。
新生児に使用するアイテムを少しずつ揃えていきましょう。
安定期のトラブル
安定期とはいえ、安心しきって無理をしてしまうのは危険です。
安定期だからこそ起こるトラブルもあるため、知っておくことが大切です。
- 流産
- 切迫早産
- 妊娠糖尿病
- 妊娠高血圧症候群
- 腰痛
安定期は流産の危険性が少なくなりますが、起こり得るトラブルのひとつです。
妊娠22週目までは流産と呼び、それ以降は早産や死産といいます。
安定期に起こる流産は、子宮筋腫など母体に原因があることが多いとされています。
妊娠22週目以降に生まれた子は、未熟児ながらも生きていける可能性があるため早産といい、妊娠22週~36週の間になんらかの理由で早産になってしまいそうな場合を切迫早産と呼びます。
妊娠中はホルモンの影響で、血糖値が高くなりやすくなり、糖尿病を発症する可能性があり、妊娠中に発症する糖尿病を妊娠糖尿病と呼びます。
あわせて、高血圧になる可能性も高いため、塩分の取りすぎには注意が必要です。
安定期に注意すべきこと
安定期に起こりうるトラブルとあわせて、常に注意しておくべきこともあります。
- 転倒
- 体重管理
- 体を冷やしすぎない
安定期頃には、お腹が大きくなってくるため、足元が見えづらくなってしまいます。
階段などは特に注意が必要ですし、バランスもとりづらくなるため、ヒールなどを履くことはさけ、スニーカーなど歩きやすい靴を常に履くように心がけましょう。
つわり症状がおさまることから、食欲が増す妊婦も増える時期です。
体重が増えすぎてしまうと、妊娠高血圧症候群の危険性が高くなるうえ、難産の可能性も高くなります。
体重管理にも気を配ってください。
体を冷やしすぎてしまうことで、むくみや下痢などのマイナートラブルも増えてしまうため、注意が必要です。