新盆は故人が亡くなった後に、最初に迎えるお盆のことです。
地域や人によっては「初盆」といいます。
日本人は先祖の霊や故人の霊を慰めるためにお盆を重要視する傾向がありますが、特に大事だといわれているのが新盆です。
こちらでは新盆で何をするべきなのか、どのような意味があるのかについてまとめていきます。
概要
新盆は故人が亡くなった後に初めて来るお盆のことをいい、通常のお盆よりも重要視されています。日本人はもともとお盆を大事なものとしているので、新盆に関してだけではなくお盆全体が仏教的な伝統習慣として知られています。
また毎年来るお盆は先祖の霊を慰めるために行いますが、新盆はその盆の前に亡くなった特定の故人を迎えます。新盆と通常のお盆の決定的な違いは、準備をする品などが変わることです。
色見が多彩な盆提灯や灯籠を選ぶ通常のお盆に対し、新盆で選ぶことができるのは白いもののみです。
地域や家庭によっては、新盆の際には身内や故人の友人などを呼び法要を行います。
お盆の意味を解説
日本では「お盆休み」などという長期休みがあるほど、「お盆」に対する意識が高いことは有名です。そもそも、なぜお盆があるのかということですが、これは浄土宗の「盂蘭盆会」に関係しています。
昔釈迦の10人弟子の中の1人で神通力（今でいう超能力のようなもの）を使うことができる目連は、自分の母親が死後の世界で酷い苦痛を味わっているのを知ります。
そこで目連が釈迦の相談をしたので、釈迦は解決策を出しました。
それは7月15日に集まる修行僧たちに、ごちそうを出してもてなすことです。
ちょうどその日は、長い修行を終えた僧侶たちが戻ってくる日だったのです。
目連は釈迦の教え通りにし、母は救われます。
これがお盆の始まりです。
近年、お盆は8月13日から4日間とされています。
ただ旧暦で行う地域などでは、7月15日にお行います。
新盆の提灯が「白」である理由を解説
通常のお盆に用意する提灯は、カラーや柄物でもOKです。
ただし新盆に限っては白ではくてはいけません。
もともと故人が亡くなったという事実が無くても、お盆の時には玄関先などに提灯を飾り祖先の霊をお迎えするのが慣例です。
これは霊が道に迷わずに自宅に戻って来られるようにとの、願いが込められています。
初盆の時に白くするのは、「真っ白な状態」、「綺麗な状態」を意味しているからです。
他の有力な説は、地域により提灯に経文や戒名を書いたためというものです。
また通常のお盆で飾る提灯は2つで1セットという認識ですが、新盆の提灯は1つだけです。
新盆が終わったら菩提寺に提灯を持っていき、供養をしてもらいます。
また白提灯や盆提灯は、身内や親しかった友人から送られるものです。
もし申し出があった場合は、有難くうけます。
新盆でお迎えをする準備品
新盆で準備をするものは、白い提灯です。
それ以外に「精霊馬」「精霊棚」と呼ばれる供物も有名です。
精霊棚は文字通り棚なので、お盆の時に自宅に戻ってくる先祖の霊をお迎えする祭壇のことを指します。
精霊馬は、野菜などでつくる人形のことです。
基本的には、なすときゅうりで作りますが、地域や宗教により考え方が違います。
大抵の場合はきゅうりにつまようじなどを指して「馬」、なすにつまようじなどを指して「牛」とします。
馬と牛の違う動物を作る理由には、先祖の霊をお迎えする遺族の気持ちが表現されています。
馬はお迎えの時に先祖の霊に使ってもらい、できるだけ早く帰って来られるようにとの願いからです。
対して牛は、できるだけゆっくりこの世からあの世へ戻って欲しいという願いからです。
ただしこれらの人形は、通常のお盆でも用意する方が多いので、新盆だけの文化ではないことを覚えておきます。
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