葬儀や周忌法要などの時に、布施を持参しないといけないという認識を持っている方も多いはずです。
ただ何のために布施を持っていくのか、いくらくらい包めば良いのかということを知ると、より緊急に何かあった時に安心できます。
そのためにもぜひ、布施について覚えておく必要があります。
概要
布施とは現在では葬儀や法要の際に僧侶に支払うものだという認識ですが、もともと仏教的な修行の1つです。
仏教には、六波羅蜜という修業法があります。
六波羅蜜には仏教的な6個の教えがあり、実際に行うことで6個の煩悩を消せるとされています。
実はその中の1つが「布施」です。
先祖や故人のために供養をしてくれた僧侶へ渡すこともありますし、またはご本尊などへ感謝を表現する時に必要とする時もあります。
これらの施しのことを、本来は布施というのです。
布施の種類について解説
布施と一口にいいますが、布施には種類があります。
その種類について解説していきます。
財施
基本的に現在の布施の形は、こちらの財施にあたります。
人に施しをあたえることを勿体ないと思わずに、衣料や金銭などを与えることを指します。
無畏施
物ではなく心に安定を与えることを指し、恐怖などを人の心からとってしまうということを指します。
法施
物質ではなく、読経を上げるなどして人のためにお経を読んだりすることを指します。
このように法要などでしか耳にしない布施は、僧侶に対するお礼の意味だけではないのです。
また六波羅蜜の他の5修行とは、忍辱(にんにく)、自戒、精進、智慧(ちえ)
禅定(ぜんじょう)のことをいいます。
お布施のマナーを解説
年忌法要などで知らないと恥ずかしい思いをすることもある布施には、マナーがいくつか存在します。
以下でご説明します。
- 薄墨で表書きをしな
- 基本的に水引は使用しない
- 奉書紙か白封筒で布施を包む
- 封筒裏には金額と住所を記入
- 渡すタイミングは葬儀や法要の前後
- お金を入れる方向は封筒の表側にお金の表側が来るように
お布施の金額の目安を解説
滅多にあることのないお布施ですから、悩む方が多い「金額の目安」について解説します。
お布施はあくまで気持ちなので、実は金額は正確に決まっていません。
もし菩提寺などを持っている場合は、僧侶の方にどのくらい皆さんがお布施として包んでいるのか?ということを聞くこともおすすめです。
またお布施は葬儀や年忌法要などにより変わるので、いつも一定額ではないということを注意しておきます。
葬儀の場合(通夜・告別式2日)…関東では20万円~35万円ほどで、関西だと20万円前後です。
このように比較すると一目瞭然ですが、1周忌法要まではお布施が高額です。
法要は全て追善供養の意味がありますし、大事なものです。
ただ四十九日法要と1周忌法要は特に重要な法要であるため、読経などをあげる僧侶に対して感謝を表すという意味合いから高額になります。
また菩提寺などで法要を行わず、自宅で行う場合は来てくれる僧侶に対して「お車代」を渡します。
こちらの目安は5,000円~1万円とおぼえておきます。