満中陰と言う言葉をご存じでしょうか。
満中陰とは西日本での使用頻度が高い言葉で、故人が亡くなった四十九日後のことを指します。
つまりは、一般的に言われている「忌明け」のことです。
文字にすると難しく見える満中陰は、仏教的な用語として知られています。
その満中陰についての意味について、詳しく触れていきます。
概要
満中陰とはもともと、「満」と「中陰」の2つに分けられます。
中陰は故人が亡くなった後の49日間のことを指しており、そこに「満」という字がつくことで49日が経った日という意味を表します。
仏式の葬儀では亡くなった後の49日間はとても大事であり、あの世での行き先が振り分けられてしまう裁判が行われるとされています。
そのために四十九日が終わり忌明けすることを、満中陰と西日本では呼ばれているのです。
満中陰の重要性を解説
仏教の教えでは、人の魂は亡くなってから四十九日の間に、生前の行いなどを総合的に判断して死後どこの世界に向かうことになるのかを決められます。
初七日法要からはじまり、7の倍数の日ごとに部門による裁判が行われて、最終的に六道の中のどの世界かが決まります。
生前の行いが良くない人であれば、当然審判も生きている時の行為に見合うものになってしまいます。
ただ稀に間違えた判断がくだされることもあります。
もう一度公平な審判をしてもらうためには、遺族の力が必要なのです。
そこで「法要」を行ってあげると、追善供養として故人の魂を他の六道の世界へ移してあげるということも可能なのです。
忌明けである満中陰には「四十九日法要」を執り行うことも多く、この日をもって大半の故人の遺骨は納骨されます。
またそれと同時に仏式では満中陰（四十九日）をもって、一区切りです。
ただ何らかの理由で納骨ができない、したくないという場合は、手元供養や一時的に預かってもらうこともできます。
満中陰のマナーを解説
関東地方では満中陰という言葉は、耳なじみのない方が多いはずですが、関西地方では使われています。
満中陰、つまり忌明けと同時に行わなければいけないのものが、満中陰志（返礼）です。
最近では返礼品の受け渡しも簡略化されており、通夜や葬儀後に直接持ち帰ってもらうケースが多いです。
昔からの習わしでは、満中陰の香典返しなどは相手の顔を見てお返しするものでした。
ただ参列者が高齢だったり、地方在住であるため上手く対応できない問題があります。
そこで通夜や葬儀の後に、返礼品を簡略化させてお返しする方法を葬儀会社などに提案されるようになりました。
確かに心が落ち着かない遺族にとっても、返礼品を細かく準備するのも大変です。
ただこれには問題が1つあります。
それはどの金額の香典に対しても、同じ返礼品を渡すことです。
もちろん遺族によっては、価格違いの返礼品を何種類か用意している場合もあります。
一般的には3,000円前後の返礼品を用意しますので、半返しで用意することが多い満中陰志は香典が1万円以上の香典には見合いません。
5千円の満中陰志を用意していない場合は、満中陰が終わった時にもらった香典の半返しで満中陰志を割り出します。
簡略返礼品を通夜や葬儀後に渡していますので、完全なる半返しではなくてOKです。
わかりやすくいうと、以下の通りです。
香典÷2=トータルの返礼品金額
返礼品の金額-通夜や葬儀で渡した返礼品の金額=追加返礼品の金額
つまり通夜や葬儀で1万円の香典をもらい、その場で返礼品を渡している場合は、差額だけの追加返礼品を用意して送ります。
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