大暑って一体いつ?なのでしょうか。どうやって決まるのか知っていますか?二十四節気の1つとなっている大暑がどのように決まり、どんな特徴のある時期なのか紹介します。
また、この暑い時期を乗り切るのをサポートしてくれる食べ物についても紹介していきます。
そしてどうしててんぷらが大暑の時期の食べ物といわれるのかについても由来から見ていきます。
大暑って一体いつのこと
まず、『大暑』は、何と読んだらいいのか確認します。難しい字は使っていないのですが、いざ何と読むのかと聞かれると思わず声が小さくなってしまいませんか?
『大暑』は、『たいしょ』と読み、二十四節気という1年を24個の時期に分けたときの名称の1つです。
大暑は字を見ただけでも、暑い時期のことと分かりますね。一体いつかというと、例年7月23日ごろです。なぜ『頃』がつくかというと、大暑の決め方に関係するからです。
『大暑』はどのように決められるか、言い換えると二十四節気はどのように1年を24個に割りふるのかについて、簡単に紹介します。
現在の暦はグレゴリオ暦という太陽の運行に沿って日を数えるいわゆる太陽暦を使っていますが、
1873年(明治6年)に現在の太陽暦を採用するまでは日本では、月の満ち欠けに沿った日付と1太陽年を組み合わせたいわゆる太陽太陰暦を使っていました。
現在の暦では1年は365日で4年に一度閏年があり366日になりますが、太陽太陰暦では1年は354日で4年に一度閏月を作って1年を13か月として調整していました。
そうすると何がおきるかというと暦と季節感が合わなくなってしまうのです。
そこでこの季節のズレを修復するために使われたのが二十四節気で、これは地球から見た太陽の通り道(太陽黄経)を24分割して、15度ごとに1つの節気をつけました。
大暑は、太陽黄経が120度のときと決まっています。
天文学的にいうと120度になる瞬間を指し、暦では120度の日を指します。
二十四節気入りカレンダーに書いてありますよね。その他に次の節気が始まる前の日までという期間をあらわす使い方をする場合もあります。
それでは、大暑が具体的にいつかというと、例年7月22日か23日で閏年によりずれが調整されていき、2019年は23日、2020年は22日です。
2020年以降の簡易的な計算方法としては、西暦を4で割った余りが0か1のときは22日で、2か3のときは23日です。
二十四節気の中の『大暑』の位置づけ
大暑は、二十四節気の12番目の節気になり、夏の終わりの節気です。
春から始まる二十四節気では1つの季節を6つの節気で表しています。12番目ということは、大暑が終わると1年の半分が終わるということです。
大暑の反対の節気は冬の終わりの節気で、『大寒』です。
次に夏の節気について順番に見ていきます。
『立夏(りっか)』で夏が始まり、草木などの生物が成長して次第に生い茂る頃という『小満(しょうまん)』、麦や稲の種をまく時期を表す『芒種(ぼうしゅ)』、
そして一年で一番昼間の長い『夏至(げし)』を迎えます。そして梅雨が明け本格的な暑さ・夏に向かう『小暑(しょうしょ)』を迎え、夏の最後として『大暑』が来ます。
大暑の次はもう秋の節気で『立秋(りっしゅう)』です。
大暑の時期は、快晴が続き気温がうなぎ上りに上がり、暑い日が続く時期ですが、『こよみ便覧』では、『暑気いたりつまりたるゆえんなれば也』とあり、
要するに『暑さが極まる時期だから大暑』だということです。ちなみに、夏の土用は大暑の数日前から始まり大暑の間中続きます。
また、小暑と大暑を合わせた1か月間を『暑中』といい、『暑中見舞い』を出す期間になり、この時期を過ぎると残暑見舞いです。
夏祭り
夏といえいえば、やっぱり夏祭りですね。日本各地でたくさんの夏祭りが行われ、その起源はお盆や七夕にちなんだものが多いようです。
時期はどうかというと、実は大暑の期間というのは、各地で夏のお祭りが行われる時期でもあるのです。
例えば、青森のねぶた祭りは8月2日~7日、秋田の竿燈まつりは8月3日~6日、仙台の七夕祭りも8月6日~8日となっていて、
ほかにも岩手の盛岡さんさ踊り、山形の花笠まつりなどなどたくさんの夏祭りがこの大暑の期間に行われています。
日本三大祭りといわれる祇園祭、天神祭りのメインは大暑の期間に行われていますね。残念ながら神田祭は5月ですが。
日本三大祭り、東北三大祭りや三大川祭りなどなどのお祭りも日本の代表的な夏祭りに含まれていますので、ご紹介します。
- 北海道の姥神大神宮渡御祭り
- 青森ねぶた祭りと弘前ねぷたまつり
- 仙台七夕祭り
- 秋田竿燈まつり
- 福島わらじまつり
- 桐生八木節祭り
- 深川祭り
- 石川の飯田灯篭山祭り
- 岐阜の郡上踊り
- 尾張津島天王祭
- 祇園祭
- 大阪の天神祭り
- 兵庫の湯村の火祭り
- 鳥取のしゃんしゃん祭り
- 徳島の阿波踊り
- 高知のよさこい祭り
- 博多祇園山笠
- 熊本の山鹿灯籠祭り
大暑の食べ物
大暑の暑さ厳しい時期には、食欲不振や夏バテにならないように体調の管理が大切ですよね。
わかっていても難しいものですが、夏に旬を迎える食べ物や昔から夏バテ防止に効果ありという栄養がたっぷりある食べ物で、暑さを乗り切りたいですね。
まず、大暑に旬を迎える食べ物から見ていきましょう。夏野菜には、カロテンやビタミンC、ビタミンンEなどを多く含む野菜が多くて夏バテに効果が高いといわれています。
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- トウモロコシ
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- 枝豆
- キュウリ
- オクラ
- スイカ
- 夏みかん
- 桃
- ウニ
- 太刀魚(たちうお)
- 穴子
次に、夏バテ防止に効果ありといわれる食べ物です。
土用は、立春、立夏、立秋、立冬の大暑は土用の期間に含まれていて、土用の丑の日もあります。丑の日には『う』のつく食べ物が良いといわれています。
- ウナギ
- 梅干し
- うどん
ウナギにはビタミンやミネラルが豊富、梅干しは疲労回復に役だつクエン酸が豊富で食欲増進・夏バテ防止に効果があるといわれています。
最後に、大暑の日はてんぷらの日といわれています。 てんぷらの日の由来はよくわかっていませんが、夏バテしやすいこの時期に栄養が豊富なてんぷらを食べて乗り切ろうというものですね。ちなみに毎月23日をてんぷらの日としているようですが特に7月23日に夏バテ防止から力を入れているようです。
その他には、8月29日は焼き肉の日というものもあります。
季語としての大暑
大暑は、小暑と合わせて晩夏にあたります。
この時期を表す季語として、小暑、大暑の他にも炎暑、極暑、盛夏、熱帯夜、夏深し、土用、梅雨明け、秋近し、
秋を待つなどの時候を表すものから、熱風、炎天、西日、夕凪、風死すなどの気象を表すもの、青田、田水沸く、熱砂、赤富士等の地理を表すものがあります。
生活感あふれる季語としては、夏期手当、夏期講習、川床、亜麻引、梅干し、梅酒、海水浴、プール、泳ぎなどがありますね。
行事関係の季語には、海の日、海開き、厳島祭り、茅の輪、天満祭、那智火祭などがあります。
大暑は、この言葉自体が季語となっているので、大暑を使った俳句も多く詠まれています。
芥川龍之介の兎も片耳垂るる大暑かな、長谷川素逝の朝よりの大暑の箸をそろへおく、日野草城の水晶の念珠つめたき大暑かな、飯田龍太の鶏鳴のちりりと遠き大暑かな、があります。
どの句も、暑さが厳しいことが感じられますね。そして多くの文人が、大暑を使って夏の暑さを表現していますね。
まとめ
- 『大暑』とは『たいしょ』と読み、二十四節気の1つで、太陽黄経が120度になる日で例年7月23日ごろです。
- 夏の最後の節気で、小暑と合わせて暑中にあたります。
- 夏祭りが多く行われる時期です。
- 夏に旬を迎える、キュウリ、トウモロコシ、スイカなどの夏野菜は、夏バテ防止に効果があります。
- 大暑の期間は土用に含まれ、ウナギも夏バテ防止に効果がありました。
- 大暑の日はてんぷらの日ともいわれています。
- 晩夏の季語の1つとして大暑がありました。
大暑の意味を知り、この時期に適した食べ物を食べて、元気にこの時期ならではの行事も楽しみたいですね。